第33弾「オトギーク」ストーリー

第33弾「オトギーク」ストーリー

一方、裏世界で<イソップ>と旅する<時野ウサギ>は、 <地の階層>へとたどり着いた。

各階層は階段のようなもので繋がっており、 世界全体は巨大な建物のようなものである。

二階に位置する<地の階層>は『蟻の巣』のような状態をした街で、 平面地帯はすべて畑となっており、そこに種を栽培し 生命エネルギー源である<サンムーンキューブ>とを交換する資源としていた。

しかし種を栽培するには肥料となる土が必要になるため、下の階にある<土の階層>から、 土と<サンムーンキューブ>とを取引している。

こうして上から下へとエネルギーは流れていくが、 下層にいくほど分配量が減るため貧困に喘ぐ事となるのだ。

「やぁ貧乏人のイソップ!遊びに来たのか?」

突然失礼な事を言い出す奴が現れた。<地の階層>の住人なのであろう。

「グリムこそ地下生活ばかりで青っ白いじゃないか?」

どうやら年頃の近い若者2人は友人同士らしい。

グ「こちらのお嬢さんは?」

ウ「いや、お嬢さんじゃないんだけどな。ウサギだし…」

イ「いつものように突然生まれたんだよ」

ウ「突然って!生まれたというよりも迷い込んだんだ」

イ「??階層ごとに生命は突然生まれてくるんだよ?」

生命誕生の仕組みからして違うようだ。

生殖行為による子孫繁栄の仕組みでもなければ、 生命を産み出す生物から誕生するわけでもない。

ウ「突然・・・」

<時野ウサギ>も記憶を引継いだまま突然生まれてきたと解釈できる。

そんなことを考えていた瞬間、光の粒が集まりだし中から何者かが現れた。

ウ「あぁ!これが生命誕生の瞬間か!?」

グ「こんな派手な登場のしかたはしないはずだけどな?」

光の粒の人物が口を開く。

「私は天の階層から来たアンデルです。ここが地の階層ですか?」

グ「そうだけど?」

ア「よかった~転送装置で無事に一番下の階層まで来れたのですね」

イ「いえ・・・一番下は土の階層ですけど~」

ア「あぁ、土も地も同じような貧困層なので省略して2階層からにしました」

イ&グ「一緒じゃないよ!同じにしないでくれ!」

そんな軽い揉め事もありつつ<天の階層>から来た<アンデル>は、 下の階層を知る修行のために降り立ってきたそうだ。

1階層づつ体験することで【徳】を積むことが目的で、 <最上階層>に最も近い<天の階層>にとって『祈り・信仰』こそが資源なのだそうだ。

イ「ず、ずいぶん階層によって必要な資源が違うもんだねぇ」

グ「祈りって、それだけでキューブをたくさんもらえるわけだろ?」

産まれ持っての地位の格差に戸惑うグリムとイソップであった。

一発逆転の人生なら芽化になるしかないのか? それぞれ目的は違うが、とりあえず4人はともに最上階層を目指し『芽化』するかどうかを決める事にした。

つづく

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