第29弾「オトギーク」ストーリー

第29弾「オトギーク」ストーリー

【宇宙空母クラウド】が大気が薄く軽い土星に着陸すると、 辺り一面<土の玉>の力で全てが土に返っていた。

草木は枯れ果て食料もない荒野の中、 白骨化したウサギと小型宇宙船を見つける。

それは月から逃げ出した【月野ウサギ】の屍と 燃料切れの【2ンジン】であった。 【月野ウサギ】の手には<手紙>が押さえつけられていた。

「土しかない惑星で食料の貴重さを知りカグヤ様の思いを感じ 卵を孵化させ赤ん坊を生かすため自分の肉を食わしたとある。」と記載されている。

【月女帝カグヤ】は月を存続させるため 貢物を集め太陽エネルギーを狙ってた。

全ては月の民のため。 そして食糧飢餓の原因であるウサギを餓死させないため。

そうした気持ちを【月野ウサギ】は不時着した惑星で感じとったため、 卵を食わずに孵化させたのであろう。

そして未来ある赤子にウサギの肉を食べさせて育てていた。

例えわずかな期間しか生き延びる可能性がないとしても・・・

ふと横を見ると孵化した跡とみられる卵の殻が割られていた。 そこから少し這いずり出して四つん這いで歩いたと思われる形跡がみられる。

枯草が集まる個所で足跡は消えていた。おそららくはもう・・・ そう思いつつ、草を避けた瞬間・・・

ブワッ!

ものすごい風圧とともに数匹の大蛇が嚙みつこうとしてきた! 白目を向いた赤ん坊の頭には【月女帝カグヤ】と同じような蛇が生えているではないか。

黒く邪悪な蛇の髪に青白い肌。そう! この子は【月女帝カグヤ】の遺伝子を受け継ぐ者。

【闇又のオロチ】強大なムーンパワーを秘めているとはいえ、 まだ罪を犯していない子を殺めるのか?

判断に戸惑う一行を前に【地底女王蟻巣】が自らの尻尾を振りかざす!

「かつてサンイーグルに救われた命!罪なのは赤子ではなく思考と行動の結果にしか過ぎない!」

そう言い放ち、ウサギの犠牲も胸に刻みつつ 自らの体内に【闇又のオロチ】を封印!

【地底女王蟻巣】は地底人種を生み出すために 体内に餌をたくわえて生命を宿す能力がある。

その力を利用して【闇又のオロチ】を体に宿し保護するという選択をしたのだ。

荒野にポツンと置き去りにされた<土の玉>を拾うと 【宇宙空母クラウド】で地球に戻ることにした。

玉は全部集まった。あとは【グランドクロスの石板】にハメ込むだけである。

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