【ZOMBO BALLS(ゾンボール)】解説

【ZOMBO BALLS(ゾンボール)】制作秘話

◆ゾンボールの歴史を振り返る

ゾンビ+ボールで「ゾンボール」。これは日本でホラーボールとして販売されていたマッドボールのオマージュ作品。

シール&カードの他にフィギュア版があるが、とにかくゴム素材を見つけるのが大変だった。 ゾンボールができるまでの歴史を振り返るとしよう。

◆第一期「自作ゴム素材の開発」

ゾンボール

これまでの人形制作において問題だったのがレジンの硬さにある。

軟質レジンは硬化に48時間かかるし、硬質レジンはプラスチックのような硬さなので、 「ボール」のようなゴムの感触がでないことが問題なのだ。

そのため、新しい素材を模索する必要が出てきた。 そこで様々な材料を取り寄せて自分で調合して作ることにした。

その結果・・・「自作ゴム粘土」という新しい素材を開発することに成功! この粘土は好みの色を組み合わせることも可能で硬化すると完全なゴムになるという素材である。

上記画像のゾンボールは自作ゴム粘土のみで製作しているが、 1つ1つを手作業の1点ものとして作らなければならない。新しく策を練り直した。

◆第二期「着色版とカード版の初期」

自作ゴム粘土で量産する方法として石膏で型を抜いて、そこに粘土を押し当てる手法を思いつく。 できた粘土に筆で着色することにした。それが上記画像のゾンボールである。

ガチャ人形とカードのセットで、カードは「カードダス」風。

欧米ではシールよりもトレーディングカード文化のほうが歴史が長いけれど、 日本でカードブームといえば、SDガンダム外伝やドラゴンボールに代表されるカードダスである。

(80年代以前には仮面ライダーカードやプロ野球カードというブームも存在したが作者が生まれていないため省略。)

というわけでカードにHP(ヒットポイント)をつけるという部分は、 やはりこだわりたかったのでこういうデザインにした。

ウラ面にはストーリーが書かれている。 しかしこれは着色に時間がかかりすぎるため、 ある程度試作品を作ったところで販売中止することにした。

◆第三期「無着色と新カード版」

着色すると時間がかかりすぎて量産できないとわかり、今度は無着色で量産することにした。

こうなると制作費も抑えられるので100円のガチャガチャ販売にしようと思い、 長方形カードサイズをやめて正方形カードに切り替える。(カプセルに入らないため)

秘密のギミックを仕掛けたかったため人形とカードに夜光塗料を塗り暗闇で光るようにしてみたが、 この方法だと造形のクオリティが低くなるのが気になりはじめ・・・かなりの試作品を作ったが販売中止にして全てをやり直すことに。

◆第四期「日本ガチャガチャ販売とアメリカ販売」

ということで全てのゾンボール原型をはじめから作り直した。

ためしに4体(ゴルフボールゾンビ、テニスボールゾンビ、ソフトボールゾンビ、ボーリングゾンビ)を製作。

片面を硬質レジンにすることで細部の造形も複製しやすくなり、 もう片面をゴム粘土にすることでボールとしての質感も出すことに成功。

これまでの反省点をふまえ今度はスプレーで着色。ホラーボールの明治版やコスモス版、 さらには妖怪ボールというパチものなどの着色は全てわけのわからないハチャメチャなカラーリングだったので、

それをオマージュしようと思い、写真のようなイカレタカラーリングになっている。そのため1つとして同じカラーはない。

三期までは10種類あったゾンボールも今回は4種類と少ないため、ガチャガチャでダブル可能性が高い。 そのため4回に1回ぐらいの比率でキラプリズムシールが出るように調整。

カードかプリズムシールのどちらかが付属し、さらにシークレットとして「ゾンビバスターズ」というシールが隠されているようにした。

こちらの写真が実際にガチャガチャで販売されている様子。 なおガチャ販売場所は地図をダウンロードしないとわからない仕組みになっており

「あなたはゾンビバスターとなり政府の機密文書を入手してゾンボールのガチャを回収しにいく」という、 現実世界と物語がミックスした気持ちで買いに行ってくださいという企画としてスタート。

こんなややこしい売り方をわざわざ買う人がいるか心配だったけれど、販売2日で完売。 次の再発売も2日で完売。そのまた再々発売も2日で完売という状態に。

◆番外編:第一期~第四期までのゾンボールをアメリカにて販売

ガチャガチャ販売と時を同じくしてアメリカでもゾンボールを販売することになった。

アメリカ版は、ガチャガチャ販売が難しかったので、これまでのゾンボール歴史を振り返るという意味で 第一期~第四期までのゾンボールをまとめたものを発表。そしてアメリカでもゾンボール完売!

(動画は実際にゾンボールが販売されていたイベントのオープニングパーティ。写真はゾンボール販売の様子。肖像権や他作品の著作権の関係で写真にはモザイク加工をしております。)

◆第五期「通販版ゾンボール」

ガチャ版ゾンボール発売から半年後にようやく通販版が発売となる。やはりガチャ版と同じ100円という値段にこだわりたかったためバラ売りにした。

ガチャ版との違いは、造形の数とシール&カードの数が増えたこと。またボールに関連するスポーツ選手もシール&カード化した。

◆第六期「ゴム版ゾンボール&彩色版ゾンボール」

こちらが現在通販で発売中のゾンボール。4年という歳月をかけて完成した完全なるゴム素材。 結局のところ量産が大変であることがわかる。(笑)

こちらは着色済みのゾンボール。1体づつ筆で色を塗るから大変。彩色版の素材は硬質レジンになっている。

またシールなども素材違いが多いため、セット発売も開始した。ゾンボールを発売するまでは、大変な道のりだったという歴史でしたとさ。

【ZOMBO BALLS(ゾンボール)】ストーリー

ある日、町中にゾンビ菌が蔓延してしまう事件が勃発。感染者にスポーツ選手が多いことから、感染源は球技に隠されていることが発覚。 ゾンビ菌は丸い球体のものに付着し人体へとうつるようだ。君も気をつけたまえ。

タイトルとURLをコピーしました