第37弾「オトギーク」ストーリー

オトギーク

裏の世界。

<時野ウサギ><イソップ><グリム><アンデル>の4名は、<海の階層>&<水の階層>に降り立ち、 弱体化した<海洋帝ポセイドン>の側近である若いサメ姿の男<サンシャーク>から<ムーンウラシマ>の計画を聞いた。

表世界の記憶がある<時野ウサギ>は、<サンシャーク><ムーンウラシマ>両名とも知っている。

<サンシャーク>もまた<サンムーンキューブ>を食せれば大幅な力を得ることが可能ではあるが、 資源の供給量が少ないため<キューブ>の配分が<ムーンウラシマ>とは段違いに少ない。

まさに富める者は、ますます栄え、持たざる者は貧困に喘ぐ状態だ。

圧倒的なパワーバランスの差に悩む<サンシャーク>であったが、 <地の階層>出身の<グリム>の言葉が思わぬ良案につながる。

グリム「そもそも地の階層に代表なんていないんだけど誰と取引するんだろうな?」

アンデル「ならば、あなたが代表という事で取引してみたらどうですか?」

イソップ「会えば何かもらえるかもしれないし」

何ともアホくさい会話内容ではあるが<時野ウサギ>は<ムーンウラシマ>に会えるチャンスが欲しかったため、 この発言に賛同した。

また同じように<サンシャーク>も<グリム>の意見を押してきた。

シャーク「考えがある!ぜひウラシマと取引してくれ!」

数日後、<グリム>は<ムーンウラシマ>から<地の階層>へ送られてきていた契約書を持参して、 代表者というフリをして会う約束をこぎつけた。

<水の階層>は亀の甲羅で覆われた『巨大ダム』により外部からの侵入は不可能であり、 <ムーンウラシマ>が許可したものが入ることができる。

ダムの一部が出入口になっているらしく、グィィィンと音を鳴らして開く。

<グリム>の付き添いとして<時野ウサギ><アンデル><イソップ>も同行。

「ウラシマ様!?」と久しぶりの再会に思わず声にだす<時野ウサギ>。

ウラシマ「??」

ウサギ「月野ウサギです!」

ウラシマ「あぁ~・・・愛人希望か?」

まったく理解してない<ムーンウラシマ>だったが、 そのとき、いたるところで爆発音が聞こえてきた。

ウラシマ「何の音だ!?」

実は扉が開いた瞬間に、小さな魚に爆弾を搭載した<豆魚雷>が甲羅を爆破しようとしていた。

ウラシマ「バカめ!そのていどの爆破で甲羅が破壊できると思ったか?」

シャーク「堤防も蟻の穴1つで壊れるんだ」

それは本当に小さな穴だった。その亀裂箇所がわかった瞬間、またたくまに水が漏れだす。

<海洋帝ポセイドン>は漏れた水を吸収し、元の姿に戻ると全力で甲羅にぶつかっていく。

ポセイドン「総攻撃だ!」

いっきにポセイドンの配下にある魚たちが<水の階層>へとめがけて突入し、 魚で目いっぱいになったダムの水は、あふれ出してしまった。

ウラシマ「シャークよ…お前は後からこの世界に来たから知らないだろう?」

シャーク「何をだ?」

<ムーンウラシマ>は手に持ったスイッチを押して叫んだ。

ウラシマ「マシン・アトランティスの存在をだよ!」

巨大なロボットがダムの中から現れた。

その昔、この<水と海の階層>を支配していたのが<アトランティス>であり、 芽化になったのがこの<マシン・アトランティス>であった。

ウラシマ「<ポセイドン>が<海の階層>を統治したくて<アトランティス>の<ナノボット>を取り出して作ったのが<豆魚雷>というわけさ。動かなくなった<アトランティス>を上の階層にいる仲間と協力してロボットにしたのがコレというわけよ」

全ては想定の範囲内というべきだろうか。<ムーンウラシマ>は、下の階層をつぶして全資源を奪う計画を密かに考えていたようだ。

つづく

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