次に向かった惑星は、砂嵐で砂漠と化した火星。
石板レーダーによると、ここには<火の玉>が落ちてきているはずということだが、 宇宙船を着陸させると、すぐにその場所は判明した。
なぜならピラミッドに落ちた<火の玉>が燃え盛っているからだ。
「ここは辺り一面、砂だらけで何もないわよ?」
珍しい宇宙船からの来客に優しく話しかける女性の姿。
「あ、あなたは!?」
と【タツノコキング】が驚くのむ無理はなく、 亡き母【マリン】の面影残す星の民。その名は【因子オアシス】。
炎のピラミッドのせいで水も蒸発してしまい、取れるのは砂金ばかり。 財産は増えても生命は危機にさらされ滅びゆく星になるつつあるという。
「うかつにピラミッドに近づくと王様みたく大変な目に合うわよ?来てごらんなさい…」
【因子オアシス】の後についていくと、そこにはガリガリに干からびた、 【ひからびカーメン】が床に臥せていた。
この土地を統治する王カーメンは ピラミッドの玉を取り除こうとクイズに挑戦したが、
適当に答えたあげく無理やり配下を従えて 玉を取り除こうとしたとたんにミイラ化してしまったとのこと。
先祖代々王族の眠るピラミッドの墓守をしている【問答スフィンクス】。
彼女のクイズに回答しないと、【炎のピラミッド】には近づけず、 無理やり<火の玉>を取ろうとしても呪いでミイラにされてしまう。
「僕に挑戦させていただけませんか?」
話を聞いて真っ先に口走ったのは【タツノコキング】。 過去の竜宮城事件で母を失った悲しみも、意味ある自己犠牲のたまもの。
彼の強い意志を止めるものは誰もいなかった。
【炎のピラミッド】に向かうと猫耳姿の娘 【問答スフィンクス】が立ちはだかり質問をなげかけてきた。
「ピラミッドに近づくには私の問いに答えてね?はじめは4で次は2で最後は3なものはなぁに?問答せよ!」
民を思う行動こそ統治する者の務めと学んだ新たな竜宮城の王である【タツノコキング】は、 【問答スフィンクス】に挑戦し、その考えを答えにのせて伝えてみる。
「4死ぬほど辛い状況に2忍耐もって立ち向かう3再度過ち繰り返さぬよう行動するのが王の務め!答え自分自身だ!」
【タツノコキング】がそう答えると【問答スフィンクス】は 「王としての自覚と覚悟があるみたいね?」と快くピラミッドまでの道を通してくれた。
【炎のピラミッド】を前にすると、 突然の地響きとともにピラミッドが立ち上がる。
宇宙船と比較してもはるかに巨大な石像と化した【炎のピラミッド】が両手を燃やして立ちふさがる。
攻撃態勢にはいる乗組員達であったが、 それを静止させ「ここはまかせてくれ」と冷静にタツノコソードから 水流を発射する【タツノコキング】。
するとみるみるうちに炎は沈下し<火の玉>だけが手元に残った。
巨大な石像は蜃気楼がみせた幻覚で<火の玉>と ピラミッドパワーが組み合わさった影響で、
熱風がふきあれ火星の民族が困っていたことに、過去の王達の魂は助けをもとめていたのだ。
こうして無事に沈下したピラミッド。砂漠からは【因子オアシス】の力で湧き水が復活。 人々の生活は守られ滅びは回避することができた。
【ひからびカーメン】は呪いが解け 【うるおいカーメン】として再び王として君臨。
今回の件で、【タツノコキング】から学ばされたと褒美に<火の玉>を授けられ無事に問題は解決した。