◆野菜+80年代のミックス系ダブルシール
野菜戦士ピーマンの闘いは(ヒーマンの戦い&サラダの国のトマト姫)をミックスした感じのダブルシールである。カトちゃんケンちゃんのスイカ人間や来来キョンシーズのスイカ頭などをモチーフにしたキャラもいる。
80年代に流行ったものをミクスチャーしたキャラが特徴だが、元ネタを知らない人も多いだろうから少し説明しときます。(笑)
◆「HE-MAN(ヒーマン)の闘い」とは?
HE-MAN(ヒーマン)の闘い「MASTERS OF THE UNIVERSE」は80年代のアメリカでマテル社が発売したファンタジー・アクション・フィギュアブームのきっかけになった商品。
フィギュアがメインで、そこから派生してアニメや漫画、さらには実写映画にまでなった。日本でも発売されていて、その時のタイトルが<ヒーマンの闘い>というわけだ。(これのダジャレがピーマン・笑)
フィギュアに武器とか鎧を装備させる仕組みだったのを元ネタに、野菜のピーマンにダブルシールで武装させてみたというわけだ。(1枚目をめくると2枚目に正体が隠されている)だから『野菜戦士ピーマン』というわけ。
◆「サラダの国のトマト姫」とは?
「サラダの国のトマト姫」とは1988年に発売されたファミリーコンピュータ用のアドベンチャーゲーム。元は1984年に発売された8ビットパソコン版が最初。 北米では『princess tomato in the salad kingdom』(プリンセス・トマト・イン・ザ・サラダ・キングダム)として発売されている。
とにかくイラストも音楽もポップなのにストーリーが現実世界の皮肉たっぷりで素晴らしい。浮浪者がタバコをせがんできたり、国王に反逆する犯罪者として逮捕され、牢屋にぶちこまれて水攻め拷問にあったりと「24 -TWENTY FOUR-」のような内容で本当に面白い。
パッケージに描かれているのが野菜をモチーフにしたキャラクター。今回の絵柄がポップな感じでありながら内容が独裁君主に反逆する内容なのも、ここらへんを意識している。
「トマト姫」=「ミカン姫」をモチーフにしているわけだが、果物や野菜という部分だけじゃない。実際にゲームで遊んで見てる人には、わかるかもしれないが。トマト姫は最初に救出するさい婆の姿に変えられている。 そのシーンをアレンジして、ミカン姫は呪いでゾンビにされているというわけ。
1枚目のゾンビ名が「腐ったミカン」だが、これは「3年B組・金八先生」の名台詞からもってきたから<ミカン>なわけだ。説明しないでも、わかった人はかなりのマニアだろうなぁ。(笑)ちなみに2枚目はカワイイキャラだから安心してほしい。つーか比較するとギャップ凄いな。(汗)
◆「スイカ人間」とは?
名前でピンと来た人は同世代だろうな。まずはスイカ人間から。「カトちゃんケンちゃん・ごきげんTV」に登場する妖怪。志村けんがスイカの早食いをしすぎて妖怪になった姿。感染すると他の人もスイカ人間になってしまう。
口から種を吐き出すが、揚げ玉、海老天はスイカと食い合わせが悪いため弱点という設定。 スイカ人間の何が凄いって、笑いのコント番組なのにホラー要素をいきなりぶち込んでくるところだね。
当時は、志村けんが番組のコントを書いて構成も自分でやっている。<詳しくは志村けんの著書を読むとわかる>何が凄いって1週間のうち半分をコント書いて、残りで撮影というのを毎週やってるんだぜ?ドリフのカバン持ちから、いっきにブレイクした志村けんは本当に仕事熱心だと思う。俺が唯一サインをもらった芸能人でもある。(笑)
◆「スイカ頭」とは?
1986年に放映された台湾映画「幽幻道士(キョンシーズ)」に登場する人物で、テンテン達をキョンシーから守るために爆弾を体に巻き付けて自爆するシーンがある。そのときの名台詞が「スイカ頭ぁ!」である。(言い方としては「クリリンのことかぁ!」と似てるな)ちなみにテンテンの実兄がスイカ頭でもある。
当時はキョンシーが大人気でシールやら消しゴムやらにもなっていた。(画像は80年代当時のシールと消しゴム。もちろんスイカ頭もシール化されている)そんなスイカ頭も現在では・・・
めっちゃ痩せて別人じゃねーかと!(あの有名人は今より引用)まぁ、このネタがやりたかっただけだけど。(笑)1枚目は「スイカ人間」2枚目は「スイカ頭」になってますので、ぜひシールを手に取って確かめてくれ!
◆「宇宙野菜」とは?
では最後に、今回のシールに登場する「ナスビ大王」の正体は「宇宙野菜」をモチーフにした、エイリアン野菜なのである。これは実際に、中国で実験開発され市販されている出来事でもある。
中国国立電子研究所が、宇宙で培養した野菜は、成長速度が5〜7倍速いことが分かったと発表している。 通称「メガベジ」と呼ばれる巨大野菜や果物は、重さ100キロのカボチャなどに育つ。
中国では1980年代から、こうした宇宙野菜の開発に取り組んでおり、植物の遺伝子操作をしている。そこらへんを題材にしたのが、今回のシール「野菜戦士ピーマンの闘い」なのである。なかなか長文になったが裏テーマは深いんだぞっと。
【野菜戦士ピーマンの闘い】ストーリー
宇宙野菜のウィルスによって暴君と化したナスビ大王。ミカン姫は呪いでゾンビにされてしまう。姫を救出するために野菜戦士ピーマンは武装して旅立つのであった。