◆反転は黒印刷が重要
『033アマテラス』
は、今でいう反転アルミの手法でキラプリズムを作っている。制作当時はアルミ素材を使う手法が確立されてないためキラで試してみた。印刷において黒色は下地を透けさせない効力があり、あらゆる色の中でも黒は強い。
他のカラーは白印刷を下地に入れないと透けてしまうが、黒色だけは白印刷がなくても透けないので、この法則性を利用してシール表現に使っていくことが必要となる。そのための実験的なシールがコレである。
また当時はラミネートをすると層が厚くなるためしていなかった。黒色は隠蔽力が強いので、表面が汚れやすいというのが最近判明した。
今現在はラミネート加工する技術を習得しているので、再販のシールは問題ないが、初期のシールを持っている人は、保管には注意が必要だ。
◆作品は人の思いが必ず反映されている
『034鬼球』は直前で描きなおしたシール。
元々は「首吊り気球」というホラー漫画があって、それをオマージュしていこうと考えていたのだが、「実際に自殺で悩んでいる人もいる」と考えたときに、こういうシールは世に出すべきではないと考えボツに。
逆に言えば、ホラー系とかならありだとは思う。理由は、ゾンビや怪物などは死なないからだ。死なないキャラクターが首吊りの縄を持っていてもイメージとして自殺は連想されないので。
しかしオトギークは、ホラーとか地獄や妖怪などがテーマではないので取りやめた。
同じく首に縄をかけているキャラクターの『035てるてる坊主』だが、こちらは自殺を連想することはないため採用している。
要するにデザインが問題なのではなく、そこにある意味が重要なのだ。「概念と意味」を考えていなければ、気球(鬼球)は採用していただろうが、そこに意味があるから描きなおしたわけだ。
真の知育玩具とは、こういう事をいうのだ。他人と比較して賢いかどうかなど測れない。その定義は誰が決めたのか?を考えればわかること。自分の知能で考えて知恵を出すことが重要なのだ。
◆構図で悩んだシール
『034ライト兄弟』このシールも直前で描きなおしている。同じキャラクターを斜めからと正面からの2バージョン描き分けて、正面を採用した。
正直描き分けは苦手で、同じキャラを違うポーズにすると等身が狂う。オトギークのキャラも、同一キャラでも弾数によって、だんだんと等身が大きくなっていくのがわかる。