◆「チェンジアップシール」が登場
当時の第3弾は印刷が2バージョンあって「レトロ印刷」(レーザー)「クッキリ印刷」(インクジェット)と2分類されていた。理由は単純に、新しくプリンターを購入して、どちらの印刷が好みかをテストしたかったという事。
印刷の特徴として最終的にラミネート加工したさいの層(厚み)が変わってくる。
「アルプス」=2層
「レーザー」=3層
「インクジェット」4層
層が少ないほどキラプリズムの輝きが濁らないで済む。濁る理由は「糊(のり)」の強さに比例するため、層が厚くても糊が弱ければ濁りは薄くなる。ただしプリンターによってカラー印刷に違いがあり、次のような長所と短所がある。
「アルプス」=淡い色が苦手。箔押しなどは可能。
「レーザー」=レトロ風な色味になる。アナログ的な色合い。
「インクジェット」=色味がはっきりしている。アニメのセル画みたい。
結果的にオトギークはインクジェット印刷が人気のようなので、それに統一することとした。レトロ印刷版は今では貴重だともいえるが、素人で見分けがつくのか?(笑)
また3弾からは「チェンジアップシール」が登場し、キャラクターの上に貼ると違う姿になる。この当時は透明シールに白印刷をする技術がなかったために、すべて白印刷なしの透明シール。
現在は、透明に白印刷をかける技術とダブルシールにする技術を習得したので品質は向上している。
再販するたびに、最新の技術で印刷するから、初期の印刷技術は時間が経過するにつれて資料的には貴重であろう。
◆実話をもとにした内容でもある
例えば『018デア芳一』は、生まれつき全盲のアメリカ人で「ダニエル・キッシュ」って人がいるのだけれど、彼はエコーロケーションという技術を使うことで目は見えなくても、頭の中では立体的な三次元画像として周囲を認識することができるそうだ。
コウモリも、エコーロケーションの技術を使う生物だし、これは技術だから目が見える人でも練習すれば目が完全に見えない状態でも、音を響かせて反射させ脳内に立体映像を作り出すことが可能。
その昔「赤塚不二夫展」で盲目の子供が「ウナギイヌ」の解説を聞いて、大笑いするというドキュメンタリーがあった。
盲目の子供にとって「犬」も「ウナギ」も脳内で具現化したものでしかない。実物を目で確認することは不可能。そんな想像の「犬」と「ウナギ」が合体した「ウナギイヌ」は、さぞかし面白い生物であったに違いない。
盲目の子供にとってはキャラクターとしての認識ではなく、概念としての認識で良い思い出が作れたというわけだ。
よく僕が概念を提供していると言うが、まさにこういう事である。ビジュアルの奥にあるものを作り、それを表面化したものがデザインでしかない。デザインがあって企画があるのではなく、企画があってデザインを生みだすという手法をZineenでは使っているのだ。(オトギークもそう)
もちろん、その逆の手法を使う場合もある。それを見極められるかは、購入者の考察により楽しんでもらいたい。
◆実在したストーカー事件
例えば『019デビル芳一』が<水の玉>を目に埋め込む事で、マリン以外は見ずという、恋は盲目的なストーカー心理を表現。これは、1957年にアメリカで実在したストーカー事件をモチーフ元にしている。(※キャラクター名の箇所をクリックすると詳細が見れます)