2016年7月16日第:第3弾「オトギーク」デア芳一(太)

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シール解説

今回オトギーク第三弾から「チェンジUPシール」が導入された。同じキャラクター同士に透明なチェンジUPシールを貼り付けることで変身するという仕組み。

レスラー軍団やドキドキ学園で使われてた手法だね。これによりストーリー展開を把握しやすくするという目的で使ってみた。

 

でもって第三弾からはストーリーが大きく進みだして、より複雑化していく。今回の主軸になる「芳一」は、昔話(おとぎ話?)に出てくる「耳なし芳一」がモチーフとなっている。

 

耳なし芳一は、耳を妖怪にもぎ取られるという認識ぐらいしかない人も多いだろうが、もともと芳一は、目が見えなくて盲目の琵琶法師なわけ。その琵琶で奏でる音楽センスが妖怪(というか亡霊)に気に入られてしまう。

 

妖怪達に見つからないようにするために、和尚さんが芳一にお経を書くわけだ。全裸にして玉の裏から尻の穴までお経を書いたのにもかかわらず、耳の裏にはお経を書き忘れたために、妖怪達から耳だけ見つかり奪われてしまうというのが本筋の内容。

 

ちなみにフェロモンって耳の裏から出るって説があるよね。加齢臭とかも耳の裏なんだってさ。(笑)

 

でもって耳なし芳一は、目が見えない、耳が聞こえない、というヘレン・ケラー状態になるわけだが、ヘレン・ケラーの有名なセリフ「ウォーター」(水)から竜宮という設定につながる。もうちょい韻を踏ませると「ウォーター」の「ウォー」(戦争)とかかっている。

 

オトギークシールは隠しメッセージを解読するというダヴィンチコード的な楽しみ方もあるわけだけれど、「デア芳一」→「デビル芳一」へと変身するのも実は韻を踏ませている。

 

ここらへんはアメコミとか好きな人は、気がついているはずなんだけれど「デアデビル」ってアメコミがあって、その主人公が盲目で目が見えない弁護士。そして夜になると赤いマスク(というか全身タイツが赤)を被って法律では裁けない悪を懲らしめるヒーローになる。

主人公は目が見えないかわりに聴覚で感じ取るわけ。

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別にこうした能力というものは架空のものでもなんでもなく、実際に生物へ備わっている技術でもある。反響音を使って周囲を認識する能力「エコーロケーション」というのがそれだ。

イルカは視力が悪いため反響定位という音の反響を受け止めて周囲の状況を探るのだけれど、これはイルカじゃなくて人間でも練習すれば習得できる能力なのね。コウモリも同じ。

例えば、目隠しをして舌で鳴らした音を周囲に反響させて、その音から物の形や距離を推測することが可能になる。これが発展してくると、目が見えないまま車を運転したりもできる。

 

実際に親が視覚障害で盲目だけれど、子供は目が見えているという状況で、その子供は親のエコーロケーションを小さい頃からマネしていたため成人してからも耳だけで周囲の形や距離が把握できるというドキュメンタリーがある。

共感覚とかも、音が色に置き換えられたりするけれど、とにかく人間というものは、目で見えるものが全てではなく、そういう生まれつきに誰でも備わっている能力値というものは存在しているということ。

 

他にも生まれつき全盲のアメリカ人で「ダニエル・キッシュ」って人がいるのだけれど、彼もエコーロケーションを使うことで目は見えなくても、頭の中では立体的な三次元画像として周囲を認識することができるそうだ。

 

→ エコーロケーションの映像(BBCニュース)

 

単純に努力のベクトルというか集中する箇所が、どこに向かうのかという違いだけで、人口の8割がエコーロケーション能力所持者だったら、それは目の世界よりも耳の世界のほうが普通ということになってしまうし。そうなると超能力だとか非現実だとかということではなく、一般という言葉でまるめこまれてしまうわけだ。

 

しょせんアメコミ。しょせんシール。などと、あなどって見ていると、その世界の裏側に隠された真意を見逃すことになるかもよってことですわな。

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