デンドロギガス・メタモスの魔城は、ネクロスの要塞を継承した作品(原作が同じ、あだち氏)なので、
極力80年代当時のネクロスに寄せたデザインを意識しております。
デンギガとネクロスではゲームシステムが違うため、裏書をどちらのフォーマットに寄せようか悩んでいたのですが、やはりネクロス側に近い雰囲気にしようと思いました。
ただキャラ数やアイテムの効果などもネクロスとデンギガでは異なるので、そこをうまく融合したシステムにしつつ、三行程度の解説で物語性を伝えなければならないのです。
◆数行の解説に意味がある!
80年代の食玩オマケブームをしらない人には「???」となるかもしれませんが、当時のシールやカードやフィギュアは単なるゲーム要素だけではないのです。
個々のキャラクターに性格や悩みや増悪などといったバックストーリーが存在しており仲間でも出世欲にかられて裏切り、暗殺されてしまったりというようなことが数行の解説に書かれているのですね。
その解説自体はゲームとまったく関連性はなく、物語のミクロな部分を知るためのヒントとなっているのです。
漫画やアニメではなくても、カードやシール単体で小説のような「感情」を知りうることが可能になっているというのが、当時のオモチャの独自性でした。
Zineenブランドで再現したいのは、まさにココにあり「技術ではなく企画や概念を販売しているのである」というのがZineen-Shopで扱うオモチャなわけです。
◆ミクロとマクロを同時に表現できる凄さ
ネクロスやデンギガのミクロな部分は個々のカードやフィギュアで体感できるわけですが、全体を通しての大まかなマクロ箇所は、やはり地図にあると思うのです。
ネクロスの要塞にはパッケージに地図とキャラが描かれており、それを見ることで全体像が把握できます。僕は、これが大切なファクターだと思っており、本来ならば三面図から造形を作る権利のみだったところを、イラストや地図のリメイク許可もいただきました。
本家デンギガのシール版では、原作者あだちさんが絵師を担当しておりますが、(ちなみに当時のネクロスの絵も、あだちさんです。) リメイク作品であるZineen版では僕がイラストを描かせていただいております。
◆敬意をもって継承していく
先ほども言いましたが、イラストや地図がなければ、この世界観や80年代におけるゲーム性とはちがう物語を伝えるシステム文化というものは表現することができないわけです。
あだちさんがどういった気持ちで作られているのかを知るためにも、同じ画材を使用しております。手書きの彩色です。すべてが一発勝負でやり直しはきかない。
パソコンのない80年代は全てがアナログ方式だったわけです。
そこも再現しつつ、カードにするさいにはスキャンで取り込み印刷するというデジタル方式。
こうした80年代と21世紀をつなぐ 「デジタルとアナログの融合」ということがおこなわれているわけです。
技術という意味合いではなく、体感なんですね。 先人者が残した知恵や文化を、幼少期に影響を受けた僕が敬意をもって継承していく。
そして世に新たな形として伝えてゆくこと。そこに意味があるのです。
「80年代の玩具がそのまま21世紀に継続していたとしたら?」
こういうSF的な世界観を オトギークやゾンボールなどを通じたオリジナル作品で表現していたわけですが、それが今まさにSFではない現実になろうとしているわけです。
こうしたこだわりが、あなたに伝わるかどうかはわかりません。もちろん技術などまだまだでしょうけれど、情熱だけは100%・・・いや1000%込めて作らせていただいております。
ネクロスの要塞を集めていた世代の人々には、なつかしさを。そうでない世代の方々には新鮮さを。
これがメッセージ性を込めて企画や概念を販売しているというコンセプトの真髄なわけです。
こうした化学反応にも似た食玩オマケTOYの融合を、あなたにもぜひ体感していただければ嬉しく思います。またそうできるよう頑張っていくしだいであります。