2015年6月20日:ゴム人形を100円ガチャで販売できるか10万円かけて実験してみた結果・・・

腱鞘炎のせいで、かなりレビューが遅くなったけれどゴム人形を作るために様々な素材を購入して実験した結果を報告したいと思う。まず注意してもらいたいのはゴム人形じたいを作ることは、さほど難しくはない。

 

何が大変なの?

・安価(100円〜)で販売するためには原価を抑えなければならない
・人形の種類が多い(約400種を予定)ので硬化時間が短くないとダメ

 

今は法律規制で昔と同一素材で消しゴム人形を気軽に作れない。

昔の消しゴム人形は、塩化ビニール樹脂+可塑剤で作られる。昔は、この材料が気軽に入手できたのだが、現在は、可塑剤(かそざい)で塩ビを溶かすさいに出る毒素が問題となり一般入手が厳しいようだ。

そこで代用品となるのが軟質レジン。現在の無彩色消しゴム人形のほとんどは、この材質で作られている。

※ちなみに可塑剤は30種類ぐらいあって昔と今では使われている可塑剤が違うのだが、どちらにしても個人ベースでは入手しにくくなってしまった。

 

軟質レジンの問題点

まとめ▼

・硬化に2日かかる。
・配合が0コンマ単位で違うだけで硬化不良を起こしやすい。

 

このような理由から400種類も作ろうとしてる自分にとっては1個づつ作るのに800日はかかる計算になるので無理。原価を考えると100円〜で販売すると赤字なので厳しいというのもある。

ただし出来上がりは塩ビゴム人形と大差ない。そこは魅力なので、限定数で1種1000円〜で作るのであれば問題ないだろう。

 

自分のコンセプトに合わないなら研究費投じて実験するのみ!

ネックなのが原価と効果時間なわけであるから、そこを抑えれば数百円で販売可能なはずなんだよね。というわけで今現在調べて個人で入手できる材料を全て購入して実験してみることにした!

ここでは、全てを公開するとアホみたく長くなるので一部の素材レビューと、結論として可能かどうかを書いていきたいと思う。

 

まずはこの原型で試してみた。

100円ガチャ

片方の穴には目の玉が入って飛び出すギミックを仕掛ける予定だった原型。これを簡易的に型取りして、各素材で複製していくことにする。

 

エントリーナンバー1番:自作ゴム粘土

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自分で調合して作ったオリジナルのゴム粘土素材。安価で硬化も早く、固まると完璧にゴムそのものという最高の素材なのだが・・・問題は液状化できない!という部分。

液状にならないということは型にたいして流し込めないのだ。だから粘土を押しつけて作るしかないのだが、こうすると細部まで精密に複製ができない。

上記画像をみてわかるように、鼻の高さは違うし、皮膚のテクスチャーなどが別物に見えてしまう。

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ちなみに、このオリジナルのゴム粘土は色も自由自在なので、第一期のゾンボールで使用する予定だった。ただ液状化が無理なので量産が厳しいということになり、ボツにしたのだ。

ちなみに今は第三期のゾンボール製作中。

ただし利点は多いので、作るものによっては使っていこうと思っている。ちなみにオリジナルなので作り方は秘密のアッコちゃんでよろしくメカドック。(液状化できれば最強なんだけどなぁ・・・)

 

エントリーナンバー2番:マンナン素材

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続いては、マンナンというコンニャクに使われているものを原料にした素材。利点は害がなくお子様が口に入れても安全という・・・

裏側に思いっきりカビがはえてるじゃねぇかぁ!!

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ちなみに初めは原型と同じ大きさだったのが、時間が経過すると縮小するのなんのって、ア〜タ上記画像で比べてみなさいっつーのよ。冬のキャンタマみたいに小さいからね!そんな貧弱なたとえしかできなくてすんません。

 

エントリーナンバー3番:マスクを作る素材

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これはマスクとかを作る素材で、硬化後はゴムになる。液状化でき安価で、残った素材も固まらなければ再利用できるので利点が多かったのだが・・・

もはや原型と別物じゃねぇかぁぁ!!

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画像を見てもらえばわかるように、最初は純白で綺麗な色だったんですよ。それが1ヶ月もしたら、夏休み終わって、すっかり汚れちまったあの子みたいな感じになっちゃって、もうね悲しいよね。(泣)

作り手にとって寝かせる時間というのは欠かせないわけですが、まさか寝かしてる間に別物になってるとは思わなかったよ。

 

エントリーナンバー4番:市販のゴム粘土

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自作ではなく市販に売ってあるゴム粘土をためしてみた。出来上がりはそこそこ。でもこれも液状化できないので、片面は楽だが両面を個体として複製するのは厳しいかも。あと値段が高いかな。

 

エントリーナンバー5番:液体ゴム

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原型の型が壊れてきたので、新しい原型で型をとって再実験続行。液状化のゴム素材というのがあって、これ日本製だとやわらかすぎ。でもって海外製だと質感はちょうど良いのだけれど、乾くと縮小してしまった。

画像参照してもらうとわかるように、原型と比較してこれだけ縮む。まるで冬場の・・・(もうええっちゅーねん!)

 

エントリーナンバーetc・・・総額10万円かけたよ!(汗)

この他、ありとあらゆる素材を試してみたけれど、量産&原価を考えると全て厳しい状態。なにより液状化されたゴム素材は硬化に時間がかかる。時間がかからないものは液状化できないしで一長一短。

気がつけば、10万円ぐらい実験費用かかってしまい、ここらへんでゲームオーバーかなと思う。販売価格を100円のガチャにこだわらなければ良いのだけれどねぇ。

でも企業努力をしない利益主義に走ると良い商品は作れないので、自分の手を汚しつつも、しっかりとしたテーマのある作品を提供したいわけですよ。

こういうこだわりは、はたから見ればバカに思うかもしれないけれど、そのうち実を結ぶとは思うんだ。

 

結論として・・・

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もうおわかりのように100円のガチャでゴム人形を販売するのは、どうやっても原価割れして赤字が出てしまう。

上記画像のように硬質レジン、軟質レジンともに見た目は同じである。硬質は瞬時に硬化するのでよいのだが、出来上がりはプラスチック素材になってしまう。(ようするに硬い)

つまり、ゴムにこだわると安価な販売価格でたくさんの種類は作れない。ゴムにこだわらなければ、安価で販売できる方法は、まだある?のかなと。

作品によって使い分ける必要がある!

というのが結論だね。

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