オトギーク(解説)

【オトギーク】解説

オトギークというタイトルの意味は 「おとぎ話+ギーク(英語のスラングで深い知識を有する者という意味。 日本ではオタクと訳される場合もある。)」という部分から名づけた。

シールを組み合わせることで物語が把握できる長編シリーズである。(全60弾)

  1. 第1弾 オトギーク ストーリー
  2. 第2弾 オトギーク ストーリー
  3. 第3弾 オトギーク ストーリー
  4. 第4弾 オトギーク ストーリー
  5. 第5弾 オトギーク ストーリー
  6. 第6弾 オトギーク ストーリー
  7. 第7弾 オトギーク ストーリー
  8. 第8弾 オトギーク ストーリー
  9. 第9弾 オトギーク ストーリー
  10. 第10弾 オトギーク ストーリー
  11. 第11弾「オトギーク」ストーリー
  12. 第12弾「オトギーク」ストーリー
  13. 第13弾「オトギーク」ストーリー
  14. 第14弾「オトギーク」ストーリー
  15. 第15弾「オトギーク」ストーリー
  16. 第16弾「オトギーク」ストーリー
  17. 第17弾「オトギーク」ストーリー
  18. 第18弾「オトギーク」ストーリー
  19. 第19弾「オトギーク」ストーリー
  20. 第20弾「オトギーク」ストーリー
  21. 第21弾「オトギーク」ストーリー
  22. 第22弾「オトギーク」ストーリー
  23. 第23弾「オトギーク」ストーリー
  24. 第24弾「オトギーク」ストーリー
  25. 第25弾「オトギーク」ストーリー
  26. 第26弾「オトギーク」ストーリー
  27. 第27弾「オトギーク」ストーリー
  28. 第28弾「オトギーク」ストーリー
  29. 第29弾「オトギーク」ストーリー
  30. 第30弾「オトギーク」ストーリー
  31. 第31弾「オトギーク」ストーリー
  32. 第32弾「オトギーク」ストーリー
  33. 第33弾「オトギーク」ストーリー
  34. 第34弾「オトギーク」ストーリー
  35. 第35弾「オトギーク」ストーリー
  36. 第36弾「オトギーク」ストーリー
  37. 第37弾「オトギーク」ストーリー
  38. 第38弾「オトギーク」ストーリー
  39. 第39弾「オトギーク」ストーリー
  40. 第40弾「オトギーク」ストーリー
  41. 第41弾「オトギーク」ストーリー
  42. 第42弾「オトギーク」ストーリー
  43. 第43弾「オトギーク」ストーリー
  44. 第44弾「オトギーク」ストーリー
  45. 第45弾「オトギーク」ストーリー
  46. 第46弾「オトギーク」ストーリー
  47. 第47弾「オトギーク」ストーリー
  48. 第48弾「オトギーク」ストーリー
  49. 第49弾「オトギーク」ストーリー

第1弾 オトギーク ストーリー

オトギークストーリー

宇宙暦xxxx年、第1銀河は太陽を中心とした惑星連盟を築き上げていた。
太陽は莫大なエネルギーを資源とする星であるため、連盟の中心的存在として扱われている。

オトギークストーリー

しかしその莫大なエネルギー資源を我が物にしようと企む星があらわれた。

それが月である。

惑星「月」は、かつて巨大な文明帝国を築きあげていたが、資源は枯渇し衰退の一途をたどっていった。

月の支配者であるカグヤは、エネルギーの源である太陽の玉を奪いとり他の惑星のライフラインも手中に納めようと考え、月軍を結成。

オトギークストーリー

月は心の欲望を増幅させることが得意な惑星であり、カグヤは欲望を喰らい生命を保ち続けていた。

まずは月軍隊強化のため、欲望が増幅しやすい星「地球」へと3人の刺客を送り込んだのである。

ムーンモモタ
ムーンキンタ
ムーンウラシマ

オトギークストーリー

彼らは部下の月軍を引き連れ地球侵略へとのりだした。

一方カグヤの侵略の噂を聞きつけた太陽帝アポロは、計画を阻止するために太陽軍とともに太陽戦隊、三(sun)銃士を地球に向かわせた。

サンイーグル
サンパンサー
サンシャーク

オトギークストーリー

空地海それぞれの得意分野を生かし、太陽軍は月軍の野望を阻止するのだ!

第2弾 オトギーク ストーリー

オトギーク ストーリー

「貢物を授けよ」

詐欺、アル中、ギャンブル依存、麻薬売買、、、カグヤは地球にある欲望を喰らい、さらなるパワーアップをはたした。

しかし地球の欲望の質は悪いらしく、その影響でカグヤの姿は醜い蛇女と化してしまう。

オトギークストーリー

「自分を美しく見せたいのであれば他をより醜くすればよいだけのこと」

この屈折した考えは月の玉を通しムーンパワーとして3人の刺客にも影響をもたらした。

ムーンモモタは、赤鬼。
ムーンキンタは、熊。
ムーンウラシマは、半魚人亀。

オトギークストーリー

獣と化したことで大幅に力が増した月軍団。太陽軍はいっきに劣勢へと追い込まれてしまう。

「このままでは敗北してしまう・・・」

そう思われた瞬間、太陽から眩い光が発射された。アポロが太陽の玉からエネルギーを分け与えサンボットを出動させたのだ!

オトギークストーリー

「エネルギーチャージ完了!」

サンイーグル
サンパンサー
サンシャーク

三銃士は武装しパワーアップ。

オトギークストーリー

巨大ロボットであるサンボットに乗りこみ月軍団を打ち負かしたのである。

第3弾 オトギーク ストーリー

オトギーク ストーリー

海深くの海底に存在する城。それが竜宮である。

オトギークストーリー

太陽エネルギーがアポロによる「太陽の玉」によって守られているように、自然界に置ける海や川といった地球の水源は、竜宮の女王【湖竜女王マリン】の「水の玉」と【海蛇王ハクジャ】の「海の玉」により調和が保たれていたのであった。

オトギークストーリー

マリンとハクジャには【音姫】と【タツノコ王子】という2人の子供がいた。そしてハクジャが王子と修行の旅へ出ている最中に今回の騒動が起きたのである。

規律を重んじる竜宮では、生きるということはすなわち修行であるという思想が根底に存在する。海洋生物は修行をつむと擬人化する能力を得ることができるということで、竜宮に住み込みで修行する者達(魚類、軟体動物類)は多い。

そんな修行僧達を導く役割なのが【盲導和尚】。
複数の目を光らすことで、深海の闇にも光源をもたらす能力を持ち城内はつねに明るい。

オトギークストーリー

そして和尚の一番弟子である【デア芳一】。

彼は生まれつき盲目であったが、その分、聴覚が研ぎ澄まされているため、些細な音にも敏感に反応する。目は見えなくとも素早い身のこなしで様々な格闘技術を習得していたため、「水の玉」の護衛を役割とされていた。

ただ【盲導和尚】が頭を悩ましていた問題は、【デア芳一】の向こう見ずな性格である。集中力があるのは良い事だが、一つのことに夢中になると周囲に意識がいかなくなる。

「水の玉」の護衛についてからというもの、【デア芳一】は【湖竜女王マリン】を守る気持ちが、いつのまにか恋心に変化していっている模様。

オトギークストーリー

「もしも願いが叶うなら、一目マリン様のお顔を拝みたい…」芳一の思いは日に日に増していく。

実は「水の玉」には【湖竜女王マリン】の魂が封印されている。これは先祖代々、竜宮の女王になるものの掟であり、自らの意識を玉に封じることで巨大な水流パワーを操る能力を得ることができるのである。

自分自身を犠牲にする自己犠牲愛の気持ちがあってこそ、水の調和を保つ力で、海底にある竜宮を平和に導くことができるというわけだ。

そのため【湖竜女王マリン】の言葉は、「水の玉」から発生するホログラム化したヴィジョンによって投影される。しかし目の見えない【デア芳一】にとっては、その姿を見ることもできないため、思いはいっそう強くなっていくばかり。

この気持ちを利用しようと企む怪しい影が竜宮城内へと忍び寄る。。。そう!欲望に漬け込み身も心も支配しようとする月軍団の使者【ムーンウラシマ】である!

実は、竜宮城内には月軍団のスパイが多数存在していた。というのも、修行により擬人化することができた海洋生物と、擬人化できずに魚類、軟体動物類などの姿のままである者達との間に差異があることで、不満がたまっている家来が多数いたためだ。

その欲望を刺激することで、簡単に【ムーンウラシマ】は竜宮への侵入に成功したのである。

安心鉄壁、つねに防御姿勢を信条とする【ムーンウラシマ】は、まず【盲導和尚】の背後に近づき自らの甲羅を和尚に被せた。

【ムーンウラシマ】の甲羅を被せられた【盲導和尚】は【盲目和尚】へと変身して洗脳されてしまう。

オトギークストーリー

洗脳された【盲目和尚】は、【デア芳一】に愛の告白の仕方をアドバイスする。

「何かを得るためには何かを失う必要がある。目を得たければ耳を失え。マリン様と共にいたければ己の姿を水の玉に封じよ。そしてアイ(愛・eye)の歌をこの三味線で奏でて皆に祝福してもらうのじゃ!」

恋は盲目。【デア芳一】は【盲目和尚】のアドバイスを実行にうつしたため、【デビル芳一】へと変貌してしまう。

皮肉なことに【湖竜女王マリン】の「水の玉」パワーは、玉に魂を封じることで力が発揮される仕組みではあるが、逆に肉体へと玉を封印されてしまうと水の力を使うことができなくなってしまうのであった。

オトギークストーリー

【デビル芳一】が奏でる三味線ソングは、欲望を増幅させる効果があり、竜宮城内で不満をつのらせていた擬人化できなかった海洋生物の修行僧達は反乱を起こし始めた。

まさに内戦。

同じ種族である者達同士の争い。
同じ志で修行してきた者達同士の戦争。

ここ海底でも「月VS太陽」の構図へと進展してしまったのである。

その醜い戦いを陰ながら覗いていたのが【オトヒメイド】。
普段は竜宮城のメイドとしてお掃除するロボットだが、、、真の姿は【音姫】。

姫であるということは、いつかはマリンと同じく女王の座を継承し自らを犠牲にする「水の玉」へ魂を封印する日が来るということ。そのための修行と称しメイドロボへ変身しながら家来の目を欺いてきたのだ。

それが功を奏して【ムーンウラシマ】の策略に狙われることもなく、【音姫】はそっと竜宮を脱出し、父である【海蛇王ハクジャ】の元へと向かうのであった。

竜宮が内戦勃発で崩壊するのを確認した【ムーンウラシマ】は、再び背後から近づき【デビル芳一】の首をズバッ!と切り落とした。

「これで水の玉パワーを封印したままカグヤ様に献上できる。」

【月女帝カグヤ】はムーン三人衆(ウラシマ、キンタ、モモタ)を使って、全国に散らばる玉をかき集めはじめる計画のようだ。その真意は??? しかし竜宮跡地に残されたのは戦争によってもたらされた崩壊の二文字だけであった。

第4弾 オトギーク ストーリー

オトギーク ストーリー

父である【海蛇王ハクジャ】と共に森へ修行に来た【タツノコ王子】。ここ森林を統治するのは【岩王マウンテン】と【森林女王フォレスト】。

その息子【ウッド王子】は、幼馴染の【タツノコ王子】に見せびらかそうと思い、森の調和を保つ<木の玉>をこっそり持ち出してしまう。

オトギークストーリー

時を同じくして月女帝カグヤの命令で森林伐採をたくらむ【ムーンキンタ】。彼は凶暴な熊へと変身し大きな斧で次々と木を切り裂いていく。こうして森が破壊されることで自然のバランスが崩れるのであった。

<木の玉>が無いことでパワーが半減しているフォレストにキンタの斧が食い込むとき、ウッド王子はことの重大さに気がつき母の元へと戻る。しかし運悪くキンタに見つかり<木の玉>と一緒に誘拐されてしまうのであった。

オトギークストーリー

森林破壊により自然の調和が乱され異変を感じる【ハクジャ】達の前に【ムーンキンタ】が現れる。キンタは、人質交換として【ウッド王子】と〈海の玉〉の交換要求を【ハクジャ】にもちかける。

他領土の王子とはいえ、みすみす見殺しにはできない。まして【タツノコ王子】の幼馴染であり【マウンテン】とは、陸海と友好関係を築いてきた間柄。

かといって海のバランスを保つためには竜宮城の女王【マリン】が持つ〈水の玉〉と、竜宮城の王【ハクジャ】が持つ〈海の玉〉が必要不可欠。引き換え要求のため海洋生物達を危険にさらすわけにはいかないと悩む。

そのとき、ハクジャの娘である【音姫】が息をきらして一報を伝えにやってきた。『竜宮城が崩壊し、水の玉が奪われて、、、』その言葉を聞いた瞬間、【ハクジャ】は怒りをあらわにし〈海の玉〉を飲み込んだ。

オトギークストーリー

すると、、、【ハクジャ】の体はみるみる大きくなり巨大な大蛇へと変身してしまう。さすがの【キンタ】も力及ばず【ウッド王子】を置き去りにして、逃げ出した。

事前に情報を集め、統治者の力が分散したところを襲撃する月軍団。【カグヤ】の狙いは玉を集めることなのか?陸、海、と崩壊が続き次に狙われるのは、、、

第5弾 オトギーク ストーリー

オトギーク ストーリー

森林に取り囲まれる活火山。そのはるか上空に天候をつかさどるアマテラスは、まつられていた。地球に農作物を与え食料自給率を上げることを目的に、太陽から派遣されたサンヒミコは、このアマテラスを天候の神として崇め、天気予報を人々に伝えるのである。

天気を予測することにより、雨、晴、曇、雪、全体を通した調和が保たれているからこそ、食物が育ち、そのサイクルの中で生物は生存できるという教えを説くことが、アポロより命じられたサンヒミコの役目。

しかし、そのサイクルは崩されようとしていた。。月女帝カグヤの命令でヒミコの持つ「火の玉」を奪うためムーンモモタが、そっと忍び寄る。

実はアマテラスは神という生物ではなく、大雨や日照り続きなどの大災害を防ぐために設置された天気を操作するスロットマシーン。アマテラスの中央に設置された「天の玉」を回すことで、その日の天気が決まるのだ。

オトギークストーリー

「火の玉」は【雨、晴、曇、雪】の出目確率を過去データから予測。その数値が玉に映し出され、それをヒミコが予報士として人々に伝え信仰心を煽ることで民が堕落しないようにしていた。

アマテラスは上空を浮遊しているため「天空の玉」を回すには空を飛べる者が必要不可欠であり、その役目を担うのが天空帝ランピューターであった。空には空。森には森でバランスを保つための長がいるように、大地の長になるべくヒミコは、信仰と天候を利用する事にしたのだ。

いつものように、ヒミコが「火の玉」で天気予報を行おうとしたとき、背後から蛇の形をした鞭(ムチ)が襲いかかる。両手を縛られ手篭めにされると思いきや、実はその蛇、カグヤの髪の毛。目が合うと金縛り状態となり、噛まれると毒で蛙(カエル)となってしまう。

オトギークストーリー

ヒミコが蛙になっている隙に、ムーンモモタは「火の玉」を奪い取り、急いで桃型宇宙船「ピーチボット」へ乗り込み上空にあるアマテラスのもとへ向かった。

オトギークストーリー

アマテラスの中央部に設置された「天の玉」。これを「火の玉」と交換することで、アマテラスは暴走し天候は乱れ、大災害が起こってしまう。カグヤの狙いは、天候悪化によりサンボットのパワーを半減させることにあったのだ。

オトギークストーリー

しかし「天の玉」が外されるとセキュリティシステムが作動し、天空帝ランピューターの脳波に信号が送られる仕組みになっていることをモモタは知らなかった。

異常を感知したランピューターは、急いでアマテラスの元へ向かったが、時すでに遅し。玉はすり替えられ、モモタはピーチボットで逃げようとしていた。怒るランピューターは、大鳥に変身しモモタの後を追う。

オトギークストーリー

モモタはピーチボットに装備してある大砲から黍弾子(きびだんご)という爆弾を連続で発射し攻撃するも、ランピューターの強さはそれ以上。両羽で風をあおぎ爆弾を弾き飛ばしてしまう。

オトギークストーリー

跳ね返された黍弾子がピーチボットに当たり、大爆発を起こしてしまい、ムーンモモタは「天の玉」と共に山の火口へと落下してしまうのであった。

第6弾 オトギーク ストーリー

オトギーク ストーリー

天気を操作するアマテラスに装着された「天の玉」を略奪したものの、ランピューターの反撃に返り討ちにされてしまうムーンモモタ。ピーチボットの爆発で「天の玉」と共に火山口の中へと落下してしまう。

サンボットのパワーを弱める計画を遂行した月女帝カグヤであったが、「天の玉」が入手できなかったことに気を悩ます。なぜなら太陽軍が「天の玉」を手に入れ、再びアマテラスにハメ込むことで計画を邪魔される可能性が出てきてしまったからだ。

そこで月女帝カグヤは「天の玉」を火山口から拾い上げるため、【巨大宇宙船タケトリ】に手下を引き連れ自ら地球に向かう。

オトギークストーリー

一方、竜宮城崩壊での「水の玉」略奪や、森林伐採による「木の玉」略奪、アマテラスの暴走、さらに巨大宇宙船タケトリが地球に向かっているとの情報をキャッチした太陽帝アポロは、再びSUN銃士(サンイーグル、サンパンサー、サンシャーク)に地球へ向かい野望を阻止する司令を与える。

サンシャークは、戦闘機シャークボットに乗り込み、竜宮に向かうため海へ。

oto-s6-2オトギークストーリー

サンパンサーは、戦闘機パンサーボットに乗り込み、森林に向かうため森へ。

オトギークストーリー

サンイーグルは、戦闘機イーグルボットに乗り込み、火山口へと向かった。

オトギークストーリー

しかし、火山口の奥深くへと進むサンイーグルの前に、地底人種(バミューダ、アガルタ、シャンバラ)が行く手を阻む。敵か?味方か?

謎の存在に戸惑うサンイーグルであったが、突然三人の地底人は三角形のトライアングルに並び蟻地獄を呼び出し、サンイーグルを地底へと引きずりこんでしまうのであった。

オトギークストーリー

はたして三人の地底人は敵だったのか?
そして「天の玉」の行方は?
ムーンモモタは死んでしまったのか?

第7弾 オトギーク ストーリー

オトギーク ストーリー

竜宮城跡地。ムーンウラシマの策略により、統治するものがいなくなった竜宮は無法地帯と化していた。

そんな中、かつてより自分の地位に不満を持ちつつも、
「しかたがない」と心に言い訳をしつつ毎日を過ごす者がいる。

彼の名は【平目社員】。
思想でいえば太陽側であったが、かねてより

「サラリーマンという職業ですら、武器を持たない戦争と同じ」

というような考えをしていた。

修行をすることで、より高僧の擬人化が行われ、
魚類から人型へと姿が進化するという竜宮城のシステム。

たかだか【海蛇王ハクジャ】が留守にし、
その間に最高僧である【盲導和尚】の油断で【デア芳一】はデビル化して暴走。

【湖竜女王マリン】の「水の玉」を【ムーンウラシマ】に奪われるという失態。

この計画は、すべて【月女帝カグヤ】の発案であったという事を知った【平目社員】の思想は、太陽から月側へと心揺らいでいたのである。

もはや廃墟に近い竜宮城であったが、そのチャンスを利用し【平目社員】は、かねてより噂にあった「竜宮の財宝」を探していた。

これだけの大所帯を統治しつつ、大人数の魚類や軟体生物を受け入れ修行させ、擬人化した後も見返りもなく海底治安を守るために人生を費やすには財源があるはずだと。

「海の玉」と「水の玉」だけの力で、これだけの組織を運営していけるはずはないとにらんでいた【平目社員】は、ついに「竜宮の財宝」を見つけることに成功した。

オトギークストーリー

実はこの財宝、地上と海底の生態系食物連鎖を保つために取引された契約の証だったりする。地上の者達が、海の者を食料とする代わりに、擬人化した者の生活を地上から送られてくる財宝で支援していたというわけなのだが・・・

そのような理由も知らず「やはり権力は裏金にあったのだ!」という欲望が【平目社員】に張り巡らされた瞬間!

彼は【平目社長】へと進化してしまった!

オトギークストーリー

一方、大型宇宙船【タケトリ】に乗って地球へと降り立った【月女帝カグヤ】は、
敵対する【サンシャーク】が海に突入したことを知り、

欲望のムーンパワーで【ムーンウラシマ】をパワーアップさせ、
戦闘機【タートルボット】で再び竜宮城へと向かわせていた。

オトギークストーリー

一足早く竜宮城に到着した【ムーンウラシマ】は、【月女帝カグヤ】に貢物をささげれば、欲望パワーを増幅させてもらえる事を竜宮の民に教える。

その事を知った【平目社長】は「社長になった今!単なる平社員とは違うのだ!」という志の元に、竜宮城改革へとのりだした。
 

まずは【ムーンウラシマ】から「呪いの札」を大量に購入。

かつて札と甲羅により洗脳され、竜宮崩壊の原因となった事で生命力を喪失した【盲導和尚】へ大量に貼り付ける。

オトギークストーリー

呪いの力によって【盲導和尚】は【平目社長】の意のままにコントロールされるが、それは同時に肉体と精神の崩壊を急激に早め、再び【盲目和尚】としてゾンビ化し暴走してしまう。

オトギークストーリー

「力を押さえつけるには新たな力が必要だ!」
と考えた【平目社長】は、財宝と引き換えに【ムーンウラシマ】から大量の武器と科学技術による肉体改造の権利を譲ってもらう。

これにより竜宮城は株式会社としてM&Aされ【平目社長】が経営。提携先は「月」となる。

オトギークストーリー
オトギークストーリー

【トビウォー】は戦闘機をあたえられて【トビウォーキング】に変化!
【イカ臭斎】はムーンパワーで【クサーケン】に進化し、
【軍鯛】は肉体改造で機械化し【魚雷】を装備することとなる!

「修行により擬人化など必要ない!財宝と欲望力で進化すればよいのだ!」

という思想の元、新たに竜宮城を統治する事となった【平目社長】であったが、
その考えに反対派の魚類や軟体生物も数多く存在した。

派閥争いは激化し、同種族による内戦(戦争)へと再び突入。

この一連の流れは、竜宮城内でも一番アホでバカにされていた【タコ八浪人】に、強烈な刺激をもたらす。

算数の計算をするのに国語辞書を参考にするほど要領の悪い軟体生物であったが、八年間の浪人生活で蓄積された知識が、今回の戦争によって刺激となり彼の脳内に流れるニューロンをいっきに連結し理解力が高まったのだ!

オトギークストーリー

知能指数が向上したことで悟った【タコ八浪人】は擬人化し【テストパス】となる。

そう!彼の八年間にも及ぶ浪人生活が修行となり、その成果が実を結び擬人化へと導いたのである!

【テストパス】は争いの醜さ、またその仕掛けられた戦争によって利益を得る者がいることを竜宮の民へ説いて回る。

「戦いの武器は物質的なものだけとは限らない。その知恵や知識だって役に立つし、人生で得られた経験を世に伝える事も自己犠牲で全体の調和を保つ事のひとつなのだ」ということを。

月が太陽に。太陽は月に。
思想が逆転し見た目も変化する。

勧善懲悪ではない「本質」の秘密がわかるのは、もう少し先のお話・・・

第8弾 オトギーク ストーリー

oto-s8オトギークストーリー

【ムーンキンタ】の森林破壊により、母である【森林女王フォレスト】は枯れてしまい、年老いた父【岩王マウンテン】とともに嘆く【ウッド王子】。「木の玉を遊び半分で持ち出すんじゃなかった・・・」と後悔しても後の祭り。

森林パワーの源である〈木の玉〉は【ムーンキンタ】に奪われてしまったのである。そんな元気のない【ウッド王子】を励まそうと、隣国から姫がやってきた。その名も【白雪戦姫】。

oto-s8-2オトギーク裏絵

「バカやろう!王子がしっかりしないで民が守れるか!いつまでも悩んでないで、今はこの森をどう守るかを考えろよな!」

見た目とは裏腹に、姫らしくない言動。いつ敵が攻め込んでもいいようにと日々筋力トレーニングをかかさない国民思いの戦う姫なのだ。

【海蛇王ハクジャ】との戦いにやぶれた【ムーンキンタ】は一時撤退したが、【月女帝カグヤ】が宇宙空母【タケトリ】に乗って地球に降り立ったことで再び森林を攻めてくることは明白。

きたるべき戦いに備えて、周囲の心配を払いのけるよう【白雪戦姫】はムチを振り回しながら森林パトロールへと1人向かった。すると・・・「そごの強そうな、お嬢ざん!?もっと強くなりだぐは、ないがね?」とナマリのある言葉で話しかけてくる老婆が1人。

oto-s8-5オトギーク裏絵

「ん?日々のトレーニング以外に強くなる方法などあるのか?」

「んだ。ワダズはドクダー。このリンゴはワダズが開発した食べるだけでパワーUPする果物なんだべさ」

「そんな果物があるのか?この国の森には?」

「んだ!んだ!フォレスト様がいなくなってもドクダーであるワダスが森林のためを思って作っだリンゴがあれば、どんな敵が来ても安心ダ!」

「女王思いの医者とは、なかなか良い話じゃねぇかよ!よし!そのリンゴを食べてもっと強くなって、皆を守ってやるぜ!」

国思いの民の心に感動した【白雪戦姫】は、ドクターと名乗る老婆【ドクダーアップル】にさしだされたリンゴを食べてしまった。その瞬間!みるみる力が湧き上がってくる!

oto-s8-4オトギーク裏絵

「うぉぉぉ!凄いパワーだぜ婆さん!」

「んだ!んだ!ワダズはフォレストにこのリンゴを植えでぐるがら、邪魔がはいらないように、しっかりワダズを守るんダ!」

「・・・・」

「わがったかい?お姫さん?」

「・・・かしこまりました」

「もう鬼が寄生じでぎだようだね?そのうち心だげでなく体全体もパワーアップずるごどだろうよ。」

なんということであろう。パワーがアップするリンゴ【パワーアップル】を食した【白雪戦姫】は、【黒雪戦姫】になってしまった。言葉使いや性格だけでなく見た目も変化する、このリンゴの正体とは? 

そして謎の老婆【ドグダーアップル】は枯れ果てた【森林女王フォレスト】の元へと向かう。

いっぽう1人でパトロールに出てしまった【白雪戦姫】を心配して【ウッド王子】は森の護衛【チェ・リー】を引き連れて探索している最中であった。

「おーい、白雪ちゃ~ん!どこ~」

「白雪ではない!黒雪だ!」

「え?その声は・・・」

と、【ウッド王子】が気がついたときにはすでに、【黒雪戦姫】のムチが護衛を攻撃していた。

oto-s8-1オトギーク裏絵

「何をするんだ!?白雪ちゃん!」

「弱い!弱すぎる!お前たちも、このリンゴを食べてもっと強くなるんだ!」

そう言いながら【黒雪戦姫】は【パワーアップル】を取り出した。

「なんだい?その怪しいリンゴは?」

「このリンゴは、そこにいるドクターが開発した力が増幅するリンゴだよ!」

指差された方に【ウッド王子】が目をやると、フードを被った老婆が立っている。

「ドクター?どうみてもみすぼらしいお婆さんにしか見えないけれど・・・」

「んだんだ!って失礼なガキだねぇ!それにワダズがドクターだって?そりゃあんたの勘違い。ドクターじゃなくドクダー!カグヤ様の命令で森林支配もくろむダ!」

そう叫びながらフードを外した老婆の正体は【毒多林檎】という【月女帝カグヤ】によって送られた工作員だったのだ。

oto-s8-6オトギーク裏絵

「ワダズがフォレストにパワーアップルを植えつけて新たな森林女王になっでやるダ」

「そ、そ、そ、そんなことは、させないぞ!」

「ぐぶぶぶ~声がふるえでるダ!王子さまよ!」

「な、なんだとぉ~このぉ!」

怒りに身を任せて【ウッド王子】は突進してきた!・・・ように見せかけて【パワーアップル】を奪ってそのまま森の奥深くへと逃げてしまう。

「ぐぶぶぶ~恐怖のあまり逃走じでじまっだようダ。黒雪はウッド王子を追いかけなざい。ワダズはフォレストの元へ向かうがら」

「・・・かしこまりました」

森へ森へとリンゴを持って走る【ウッド王子】。彼は非力であった。そして後先考えない行動により母フォレストを枯れさせてしまい〈木の玉〉も奪われてしまった。そんな彼が力の代わりに使ったのが知恵である。

彼は逃げ出したわけではなかった。怪しい【パワーアップル】を本物の医者に見せて調査してもらうため、森の奥深くにある【ドクターハイホ】の家に向かっていたのだ。

後ろから凄いスピードで追いかけてくる【黒雪戦姫】。しかしここでも【ウッド王子】の知恵が働く。長年森で遊んできた王子は抜け道を知っているが、森林に着たばかりの姫は、すぐに王子の姿を見失ってしまう。

そのすきに【ウッド王子】は【ドクターハイホ】の元をたずねたのであった。

「ハイホ先生!急いでこのリンゴを調べてよ!?」

「どうしました?王子?」

家のドアを開けるやすぐに用件をのべる王子。いくら姿を見失ったといえども、この場所が追ってに知られるのは時間の問題。すぐに【ドクターハイホ】が【パワーアップル】を調べたところ・・・

oto-s8-3オトギーク裏絵

「このリンゴは、鬼生虫が住み着いていますぞ王子。」

「鬼生虫?」

「人体に入り込むと鬼なみの力を得てしまうのと同時に、そのまま住み着き、やがて脳までもコントロールしてしまい心も体も奪われてしまうのです。たしかワクチンが手元に残っていたような・・・」

「早く!先生~早くワクチン出してよ!」

ガシャーーーン!急がす【ウッド王子】の願いとは裏腹に、家の窓ガラスが割られてしまう。そこには【黒雪戦姫】の姿が・・・

「パワーアップするのは力だけでなく、嗅覚も上がるんだ。いくら見失っても臭いまでは消すことはできねぇ。残念だったなウッド王子!」

そう不適な笑みをこぼしながら近づく【黒雪戦姫】だったが、冷静沈着な【ドクターハイホ】は拳銃型の注射器を取り出して一言。

「王子~ワクチン見つかりましたよ。」

「そんなこといいから早く打って!」

ドピューーーーンン!!拳銃型注射器の引き金を引くと、中からワクチンが飛び出す。液体ワクチンを全身浴びた【黒雪戦姫】は、みるみるうちに【白雪戦姫】へと姿が戻っていくではないか。

「はっ!どうしたんだ?いったい・・・」

正気に戻る【白雪戦姫】。床には溶けかかった【鬼生虫】の姿が。これまでのいきさつを【ウッド王子】が説明すると姫は怒り狂った。

「あのクソババア~絶対に許さねぇ!」

そのころ【毒多林檎】はフォレストの護衛【おっパイン】と戦っていた。

「必殺!ぱふぱふ!」

「ワダズは女だよ!ぞんな攻撃効かないダ!」

森林伐採やフォレストが枯れた影響で、護衛の力も弱まっていた。

「ぐぶぶ~今頃ウッド王子も捕まっでいるダ。年老いたマウンテンなど怖ぐはないじ、護衛もたいしだごどないダ。これで森林支配はワダズのもの・・・」

【毒多林檎】がフォレストにリンゴを植えつけようとした瞬間、ムチがほとばしる!

「痛い!誰ダ!」

「クソババア!もうボケたのか!今すぐ思い出させてやるぜ!」

森の抜け道を通ってきた【白雪戦姫】と【ウッド王子】は、ものすごい速さで【毒多林檎】に追いついていた。

「ぐぶぶ~どうやって元に戻っだが知らないダが、ワダズの体にも鬼生虫は宿っているダ!いぐら、あんだが強がろうどワダズもまだまだ若いもんには負げ、、、」

ドピューーーーンン!!【毒多林檎】が語っている最中だというのに、【ウッド王子】は拳銃型注射器の引き金を引いてワクチンを【毒多林檎】に浴びせてしまう。

oto-s8-8オトギーク裏絵

「うぎゃぁぁぁ!頭が溶けるぅぅぅ!!人の話ば最後ま聞げど教わっでないダか?さ、さ、さいぎんの若者どぎだら・・・・」

ワクチンを浴びた【毒多林檎】の頭は溶け出して、中から一緒に溶けた巨大な【鬼生虫】の屍が出てきた。

「もしかしたら、このお婆さんも寄生されていただけなのかもしれないね?白雪ちゃん」

「ウッド・・・てめぇ!今からババアをやっつけようと思ったらおいしいとこもっていきやがって!」

こうして森林に平和が戻った。と思いきや?ゴゴゴゴゴゴ!!!!ものすごい地響きとともに、上空から巨大な戦闘機【マサカリボット】が出現!

oto-s8-7オトギーク裏絵

【月女帝カグヤ】から支給された戦闘機にのりこみ【ムーンキンタ】が仕返しにきたのである。どうなる森林?

第9弾 オトギーク ストーリー

oto-s9

【ムーンモモタ】が落とした「天の玉」を入手するため火山内部に進入した【サンイーグル】であったが、そこには三匹の地底人種(アガルタ・バミューダ・シャンバラ)が待ち構えていた。

敵か味方かわからぬまま、トライアングル形状の技をかけられ、蟻地獄のような渦巻きへと引き込まれるサンイーグル。そこは何と!【地底女王蟻巣】(ちていじょおうありす)の体内であった。

oto-s9-5

巨大な腹の内部にいたのは、【ムーンモモタ】の亡骸。やっと「天の玉」を見つけたと思ったのもつかのま、先住していた謎の生命体に邪魔をされる。

oto-s9-6

謎の生命体の名は【借金王円魔】(シャッキングエンマ)。巨額な借金の担保として「金の玉」の半分を失ったため自己の体を保つことが困難になった生物である。月軍でも太陽軍にも所属しない【円魔】であったが自らの生命を保つためには他者の体に寄生して生きるしか術がないため【蟻巣】の体内へ進入していたというわけだ。

「また新しい餌が舞い込んできたのか?ど~れお前にも寄生虫を埋め込んでやろう!」

そう言って【円魔】は解けかけた体の一部を切り離す。その断片は、みるみるうちに虫の姿となり【サンイーグル】に襲い掛かろうとする。実は【寄生虫】は【円魔】の体の一部から採取されたものだったのだ。

「そんなものには負けないぞ!」

【サンイーグル】は一瞬の隙をついて【円魔】に斬りかかる。どうやら【寄生虫】にさえ気をつければ、そこまで強敵ではないらしい。片手で玉を守りながら攻撃をしかける【円魔】であったが、体内で暴れすぎたせいで【蟻巣】が暴れだすしまつ。

「ぐぅぅ!金の玉さえあれば体を保てるのに・・・ん!?こいつの体に間借りさせてもらうか!?」

oto-s9-7

【サンイーグル】に敗れた【円魔】は、【ムーンモモタ】の亡骸に寄生。そのさい一緒に「天の玉」も体内へと取り込んでしまい【モモタ・エンマ】として巨大化してしまう。

「おおおお!何というパワーだ!偶然舞い込んだ亡骸にこのような力が宿っていたとは、新たな体も悪くない。」

そう叫びながら巨大化していく【閻魔】。それと同時に【蟻巣】の寄生から【閻魔】が離脱したことにより、【地底女王蟻巣】と三匹の地底人種は本来の姿へと戻っていく。

oto-s9-4

本来は、平和的な【蟻巣】であるが体内に栄養を蓄えて地底人種を産み出すために餌が必要だったそうだ。その餌を運ぶ役目が【シャンバラ】【バミューダ】【アガルタ】であった。

oto-s9-3
oto-s9-2
oto-s9-1

正気に戻った彼らの話によると、餌を運ぶ途中に【寄生虫】が混じっていたらしく、そのまま食した【蟻巣】は人格が変わり結果的に【円魔】に体も心も支配されたというわけだ。

しかし本来の目的であった「天の玉」は【モモタ・エンマ】の体内にあり入手困難。どうする?【サンイーグル】・・・・つづく。

第10弾 オトギーク ストーリー

oto-s10

娘【音姫】の報告で、竜宮城主である【海蛇王ハクジャ】と息子の【タツノコ王子】がたどり着いたときには崩壊した竜宮と、それを利用し戦争ビジネスをしかけた裏切り者【平目社長】や【クサーケン】が支配する現場しかなかった。

oto-s10-3

「ハクジャ様、あなたの時代は終わりを迎えたのですよ!金と欲望のパワーさえあれば修行など無意味!」

そう言い放つ【クサーケン】に対し、「裏切り者のぶんざいで、生意気な!」民のためにと竜宮を守ってきた【ハクジャ】の怒りは頂点に達していた。

「おっと刃向うのはやめておきな?水の玉は、こちら側にあるんだからな!」

【月女帝カグヤ】によってあたえられた戦闘服パワードスーツに身を包み、戦闘機【タートルボット】で再び竜宮城へと現れた【ムーンウラシマ】が脅しをかける。

oto-s10-1

彼は【湖竜女王マリン】の「水の玉」を目玉に埋め込んだ【デビル芳一】の屍を兜にして被るという陰険な防御手段を取り入れていたのだ。

何を隠そう、海の調和は「水の玉」と「海の玉」によって保たれており、竜宮女王になるということは「水の玉」の中に自らの魂を封じ込めることに他ならない。

つまりは「水の玉」=【湖竜女王マリン】は【ムーンウラシマ】の人質になっているということである。

硬直状態の中【太陽帝アポロ】の命令により戦闘機【シャークボット】に乗り込み竜宮救済へと降り立った【サンシャーク】であったが、やはり「水の玉」を人質にとられては手も足もでない。

「さぁ!カグヤ様に献上する海の玉を渡すんだ!そうすれば女、子供の命は助けてやってもいいぞ?」

脅しの中にも要求条件を入れ込んでくる、こうした飴と鞭をうまく使い分け交渉を進めるのが【ムーンウラシマ】の手口。数々の裏工作によって、竜宮崩壊を招いた張本人である。そのとき・・・

「臆することはありません!これより新湖竜女王を娘の音姫に譲ります!あなたも・・・わかってますね?」

oto-s10-4

【湖竜女王マリン】のセリフと同時に「水の玉」は砕けちった!その瞬間【海蛇王ハクジャ】も叫びだす。

「今から海の玉をタツノコ王子へと継承する!受け取れ!」

oto-s10-5

まばゆい光の中、「海の玉」は【タツノコ王子】へと受け継がれ、【タツノコキング】となる。

oto-s10-6

同じく、光を放ちながら【音姫】は新【湖竜女王音姫】となり、その肉体と魂は新たな「水の玉」へと変貌を遂げる。

「うぅぅぅ・・・まぶしい」

【ムーンウラシマ】が光に目をくらませている一瞬の隙をついて【サンシャーク】は一撃必殺技を繰り出した!

「くらえ!シャーククラッシュ!!!!」

oto-s10-2

「水の玉」と「海の玉」のパワーが、シャーククラッシュの攻撃力を高め【ムーンウラシマ】に命中した!

「そ、そんな・・・・」

言葉にならないまま【ムーンウラシマ】は息絶えた。形勢逆転にて裏切り者の【平目社長】は退職。機械化した【鯛長】も高級な体を維持できなくなり衰退。【クサーケン】は逃げ出した。

戦いには勝利したが失ったものは大きかった。

第11弾「オトギーク」ストーリー

第11弾「オトギーク」解説

巨大宇宙船【タケトリ】に乗り地球へと降り立つ【月女帝カグヤ】。

その目的は、自分の配下にパワードスーツ&戦闘機を授け、 さらなるパワーアップにより、サンボットを破壊することが目的であった。

【ムーンウラシマ】に、パワードスーツを授けた後、 森林に向かい【ムーンキンタ】にもパワードスーツを与える【月女帝カグヤ】。

前回の森林戦で<木の玉>を入手した【ムーンキンタ】だが、 【海蛇王ハクジャ】との戦いに敗北。屈辱の怒りで戦闘機【マサカリボット】に乗り込み森林破壊を再びもくろむ。

再び森林に襲来した【ムーンキンタ】を阻止すべく、 【パンサーボット】で駆けつける【サンパンサー】が森林に到着すると、

100万馬力のパワーを発揮した【ムーンキンタ】が大暴れしていた。

【海蛇王ハクジャ】は竜宮城に向かいこの場にはいなく協力者は得られない。 強敵を前に苦戦を覚悟で戦いにいどむ【サンパンサー】であったが、その瞬間<木の玉>から木の枝が伸びてくる。

「あれは!」

驚きの顔とともに、枝の存在に真っ先に気が付いたのは【ウッド王子】。 【ムーンキンタ】に切りつけられて枯れてしまった【森林女王フォレスト】。

そう【ウッド王子】の母であり<木の玉>を所有していた彼女は、 屍となる直前に【ムーンキンタ】に呪いをかけていたのだ。

<木の玉>から枝がグングンと伸び、 やがて身動きがとれなくなる【ムーンキンタ】。

「う、動けない!」

「いまだ!必殺!パンサーサンダー!」

拘束された【ムーンキンタ】の隙をつき、いっきに必殺技を仕掛けた【サンパンサー】。 接戦になると思われた戦いは、瞬く間に決着がついてしまう。

時を同じくして海にある竜宮城では【ムーンウラシマ】の襲撃を、【サンシャーク】が食い止め勝利。

丁度よいタイミングで無線通信から【サンイーグル】の声が鳴り響く…

「こちらイーグル、サンボット合体の準備を頼む!」

【地底女王蟻巣】の姿を元に戻し、【イーグルボット】で火山から脱出する【サンイーグル】。 合体の合図を受け【シャークボット】に乗り込む【サンシャーク】。同じく【パンサーボット】に乗り込む【サンパンサー】。

その光景を前にし、パワーアップのため、わざわざ地球に降り立った【月女帝カグヤ】は、 瞬時に敗北した【ムーンキンタ】に怒りを抑えきれず・・・「カグヤスラッシュ!」という必殺技で【ムーンキンタ】の首を跳ねてしまう。

「天候悪化のサンボットに何ができる!?まだ策はあるわ!」

そう言い放ちながら【ムーンキンタ】の首を持ち上げる【月女帝カグヤ】。 なんと!【ムーンキンタ】の頭皮が離脱し<金の玉>の破片が落ちてきた。

「感じる…感じるぞ!?モモタの肉体に宿りし貪欲の存在よ!そなたの望みを叶えよう!」

火山から飛び出してきたのは【イーグルボット】だけではなかった。

ぐんぐんと巨大化していく鬼の姿!そう【ムーンモモタ】の亡骸に生息吸収した【借金王円魔】が 【月女帝カグヤ】の声に反応して森林地帯にまで現れたのだ。

「その手に持つのは<金の玉>の片割れ!?望みは言わずともがな、 我が肉体の固定化!玉さえあれば体が崩壊せずにすむ!」

【借金王円魔】が【月女帝カグヤ】の交渉に応じようとする。 そして【月女帝カグヤ】は冷静さを取り戻し言い放つ。

「サンボットさえ倒せればたやすい願い。<金の玉>の他にパワードスーツも授けムーンパワーを与えよう!」

こうして交渉は成立し、本来は【ムーンモモタ】に授けるはずのパワードスーツも与え、 【借金王円魔】は【ムーンエンマ】として完全体の姿になる。

両手には<天の玉>と<金の玉>を抱え【巨人モモタ】の肉体を自由に操る【ムーンエンマ】に、 【サンボット】は勝利することができるのか!?

第12弾「オトギーク」ストーリー

第12弾「オトギーク」ストーリー

【巨人モモタ】を操り【サンボット】討伐しようとする【ムーンエンマ】。

現段階で【アマテラス】には<火の玉>が埋め込まれてしまい天候が悪化しているため、 【サンボット】はパワーダウンし本来の力が発揮できずにいる。

【アマテラス】を元に戻すには<天の玉>をハメ込まなければならないが、 <天の玉>は【ムーンエンマ】が所有しているため元に戻すことは不可能な状態。

戦いはあっけなく幕切れた。 まともに立ち上がることもできない【サンボット】は、【巨人モモタ】に敗れてしまったのだ。

【サンボット】が敗北する姿を確認した【月女帝カグヤ】は、 地球制圧を【ムーンエンマ】に任せて巨大宇宙船【タケトリ】に乗り込み月に帰還する。

まさに絶体絶命の大ピンチ!・・・のように思われたが、 実は【サンイーグル】の作戦で、わざと【サンボット】に合体したのである。

実は【サンボット】に【サンイーグル】は乗っていなかったのだ!

火山から脱出するさい【アマテラス】から<火の玉>を抜き取った【サンイーグル】は、 そのままカエル化された【サンヒミコ】と共に【一寸大工】の元に向かっていた。

【一寸大工】の持つ<打ち出の木槌>は30分間のみ体を縮小できる能力を持つ道具。

それを利用して【サンイーグル】と【サンヒミコ】は体を小さくしてもらい、 【サンシャーク】を通じて連絡してもらった【ロビンフット】に加勢にきてもらう。

実はこの【ロビンフット】竜宮城からの協力者で元は【ウォーの目】である。 【タツノコ王子】が【タツノコキング】に昇格したことで、修行の力が早まり人の姿へと変化したのだ。

射撃の名手である【ウォーの目】が擬人化した後は、 弓矢の名手【ロビンフット】となり活躍。

小さくなった【サンイーグル】と【サンヒミコ】を矢に乗せて【巨人モモタ】の口元めがけて解き放つ!

「ふん!いまさらこんな攻撃など何になる!ぐはははは!」

単なる弓矢の攻撃と見せかけて、実は【巨人モモタ】の体内へ侵入することが 目的であることも気が付かづ、体内に生息する【ムーンエンマ】は勝利に酔いしれながら高々と笑い、矢の攻撃を振り払う。

「よし!成功だ!」

【サンイーグル】と【サンヒミコ】は月軍の誰にも気が付かれることなく、無事に体内へと潜入できたのであった。

第13弾「オトギーク」ストーリー

第13弾「オトギーク」ストーリー

とある昔、森で遊んでいた幼女がいたが突然行方不明になってしまう。

その後も事件が続々と発生。 お菓子の誘惑に連れられ行方不明になる男の子や、弟を探しにいった兄までもが行方不明になるという具合だ。

事件を捜査していた射撃の名手は大人であったが、捜査中に行方不明になる。

この事件の共通点は森林の奥深くで起こっているということだけであり、 それからというものの森林の奥深くに行く際は誰もが注意していた。

長年お蔵入りされていた怪事件であったが、 ある事がきっかけで解決の糸口が見つかろうとしていた。

今回【月女帝カグヤ】が月に帰還するさい乗る巨大宇宙船【タケトリ】の エンジン風圧で森林奥深くにある<冥界のツヅラ>の蓋が開いてしまう。これは意図的なのか?偶然なのか?

「あぁ~最近は皆警戒してなかなか誘拐もできやしねぇですよ…」

愚痴をこぼしながら森林奥深くにやってくる【二枚舌スズメ】。

「この数年で集めた人質がツヅラに詰まってるんだ。 そろそろ月の住人としてカグヤ様が高額で買い取ってくれだろう。そのために地球に降り立ってきたんじゃないのか?」

【二枚舌スズメ】をなだめる彼は【フックロコ船長】。 行方不明事件の真実は、人身売買グループの犯行であった。

【二枚舌スズメ】が実行犯として子供を誘拐し <冥界のツヅラ>に閉じ込め理性を【冥改造パンドラ】の餌にする。

気が狂ったところを【フックロコ船長】が改造手術をおこない【月女帝カグヤ】に売り渡す契約を交わしていた。

「ん?森の奥から変な煙が出ているぞ?まさか…」

ふと気が付くと<冥界のツヅラ>の蓋が取れて幻覚煙が漏れ始めているではないか。

「ガァルル…」

不気味な鳴き声とともに【冥改造パンドラ】がよみがえる。

「ツヅラの封印が解かれてしまったぁぁ!」

恐怖する【二枚舌スズメ】。それもそのはず、 <冥界の玉>を体に埋め込む【冥改造パンドラ】は【月女帝カグヤ】のパワードスーツにより、 パワーが制御できなくなり<冥界のツヅラ>に封印されていた怪獣である。

それを管理することが【フックロコ船長】の役目でもあった。

「落ち着け。このギター演奏を奏でればパンドラを操作できるんだから…」

ギターを弾く【フックロコ船長】であったがパワードスーツが音を跳ね返して制御できない。

「意味ないじゃねぇかぁ!」

先ほどの冷静さを失う【フックロコ船長】。 それもそのはず、このままでは幻覚煙により、自分たちも理性を失う可能性があるからだ。

ツヅラの蓋が開いたのは【月女帝カグヤ】の意図的な策略だったのだ。 【ムーンエンマ】が地球を支配しやすくするため生息する人々の理性を奪おうと【冥改造パンドラ】を解放したのだ。

<冥界のツヅラ>から次々と改造手術をした人質が出てくる。

【頭のお菓子人】は菓子に連れられ誘拐された子供だった。
【和菓子暗子】は菓子人となった弟を探しに来た兄。
【Pタパン】は誘拐事件を捜査していた大人。

幻覚煙で皆、妬み恨み被害妄想が強く攻撃的になっている。このままでは森林全土に煙が充満し理性を失う。

リンゴーン♪カーン♪

そんなさなか鐘の音とともに<冥界のツヅラ。から出てくる女性が1人。 彼女こそ、森で遊んでいた元幼女【ナイチンカーベル】。【ドクターハイホ】の娘である。

【ドクターハイホ】から渡された<巨大な鈴>の中に身を潜めていたため、 ツヅラに閉じ込められてはいたが理性を失わなかったのだ。

「長い事このチャンスを待っていたわ!奏でよ鐘!」

【ナイチンカーベル】が鐘を鳴らすほど大きく音が響き渡る。 その音は森林全土に伝わり、ある男の耳にまで届く…

「この音色は!」

娘の防犯用にと持たせた鐘の音が、数年の歳月を経て今鳴っている。 急いで音の方向に向かう男の正体。それは父である【ドクターハイホ】その人である。

第14弾「オトギーク」ストーリー

第14弾「オトギーク」ストーリー

【ナイチンカーベル】の鐘の音は理性を取り戻す効果がある。

理性を吸収し餌とする怪獣である【冥改造パンドラ】は、どんどん栄養素を失い、 ついにはパワードスーツを破り本体である【冥怪獣パンドラ】の姿を現した。

「礼を言うぜ!パワードスーツがなくなればパンドラはギター演奏で操作できるからな!」

【フックロコ船長】はギター演奏で鐘の音をかき消そうとする。 <演奏VS音色>の音感対決かに思われたとき【二枚舌スズメ】が攻撃をしかける。

「お嬢ちゃんには味方がいないんだぜ?こちらは改造手術された奴らも動かせるからな!」

得意げに長い舌を出し【ナイチンカーベル】の体を拘束して剣で斬りかかろうとする【二枚舌スズメ】。

「ぎゃぁぁぁ!!!」

絶対絶命と思われた【ナイチンカーベル】であったが、 気が付くと叫び声をあげていたのは舌を切られた【二枚舌スズメ】の姿。

「ついに見つけた我が娘!数年間もの長い歳月を鐘の中で身を潜めてチャンスをうかがうとは…立派に育ったものだ!」

【ナイチンカーベル】の父である【ドクターハイホ】が駆けつけ 危機一髪のところを、手術メスで舌を切り裂き助けてくれたのだ。

「あぁ、、パパ。パパなのね。。。」

涙の再会をはたす【ナイチンカーベル】に【ドクターハイホ】が助言する。

「お前は鐘で防御しつつ音色を響かせておくれ!決して怪獣の目は見たらいけないよ?パパに考えがあるから!」

言われた通り鐘を鳴らし続ける。 その間に【ドクターハイホ】は【Pタパン】のマスクを叩き割ると…

「あぁ永い眠りから覚めたような感覚…理性が戻ったのか!?事件の真相が記憶から呼び起こされていく!」

正気に戻った【Pタパン】に【ドクターハイホ】は伝える。

「怪獣の目を射撃してくれ!その間に埋め込まれた<冥界の玉>を手術で取り除くから!」

【冥怪獣パンドラ】の体中にある目を見ると理性を奪われてしまうが、 サングラスをかけている【ドクターハイホ】には無効化される。

その昔、正義感の強い【Pタパン】とともに、【ドクターハイホ】は 行方不明の捜査をしていたので彼が射撃の名手であることは承知していた。

「レインボーバスター!!!」

七色の光線とともに銃が発射される。 その光の眩さに目をくらまされる【冥怪獣パンドラ】と改造された人質達。

スパッ!!

華麗なメスさばきで<冥界の玉>を【冥怪獣パンドラ】から切り離す。 どうやら玉は属性のあった人物が所有すると特別な効果を発する力が得られるようだ。

「光で目が見えないうちに人身売買リーダーの船長を捕まえてやる!」

そう意気込む【Pタパン】の前に応戦する【フックロコ船長】。

「俺の目は普段ベールで隠してあるからな!お前の光線も見えるんだよ!残念だったな!」

余裕の表情で【フックロコ船長】は銃が使えないようにと接近戦に持ち込む。 <冥界の玉>を失った【冥怪獣パンドラ】は、理性を吸収する能力を失いはしたが、ただひたすらに暴れるだけのモンスターと化していた。

「今では、この怪獣を操れるのは俺のギター演奏だけだからな!」

と手を伸ばしてギターを奏でようとした【フックロコ船長】であったが・・・

「ギターが壊れているじゃねぇか!!!なぜだぁ!??」

「かわいい弟を誘拐しやがってテメェ~!!」

そこには怒りにふるえバットを握りしめる【グレテル】と弟の【ヘンゼル】の姿が。 鐘の音で理性を取り戻し<冥界の玉>の効力が切れたことで・・・

【頭のお菓子人】は【ヘンゼル】に、
【和菓子暗子】は【グレテル】へと戻ったのだ。

接近戦に強く暴力的な【グレテル】と、 遠隔射撃に強い【Pタパン】の協力技には【フックロコ船長】もひとたまりもなく敗北。

菓子人に改造された見た目も【ドクターハイホ】の再手術により元の姿に無事戻り、 目が見えずに暴れる【冥怪獣パンドラ】は再び<冥界のツヅラ>へと封印したのであった。

第15弾「オトギーク」ストーリー

第15弾「オトギーク」ストーリー

念願の【サンボット】討伐を達成し、月に帰還する【月女帝カグヤ】。

しかし【月女帝カグヤ】が留守のあいだに、 月で増殖を続けている【ウサギ】の大群が空腹に耐えきれずに食料を食い尽くしてしまっていた。

<太陽の玉>を入手し月を惑星連合の中心星にして資源回復と星の復興を考えていた 【月女帝カグヤ】であったが、衰退の一途をたどる月の環境スピードの方が早かったようだ。

【ウサギ】達には天敵がいないうえに、食欲旺盛なため人口は増殖し食料飢餓となっていく。 それを阻止するために貢物を捧げるよう地球に月軍を送りだしムーンパワーで欲望を煽り立てていたのだが…

「間に合わなかった…」

嘆く【月女帝カグヤ】を尻目に【ウサギ】達は共喰いをはじめてしまう。 皮肉にも【月女帝カグヤ】が月に戻ったことでムーンパワーが増強し、【ウサギ】は【ウサキング】へと進化を遂げてしまった。

「お腹が減ったよぉぉぉぉ~」

欲望が具現化した姿の【ウサキング】は永遠と続く空腹感に耐えかねて暴走する。 見境なしに月の住人を食べるその行動は、やがて【月女帝カグヤ】にも魔手を伸ばす。

「危ないカグヤ様!」

【ウサキング】の行動から守るため側近である【ムーンフェズント】は銃を乱射し注意をそらす。 同じく側近【ムーンモンキー】は地獄の鎌で【ウサキング】を攻撃!

隙を見て側近【ムーンドック】が【月女帝カグヤ】を安全な場所に避難させようとするが…

「あぁぁぁぁ、カグヤ様の顔がぁぁ…」

3人の側近たちは一瞬凍り付いてしまう。 なぜなら目の前に【月女帝カグヤ】の顔が落ちているではないか!?

「みたな~~~」

若さと美しさを求めていた【月女帝カグヤ】の顔が…実は仮面であった!

【月女帝カグヤ】の怒りは頂点に達しようとしていた。

怒りに恐怖した大群【ウサギ】の中の一匹である【月野ウサギ】は、 【ウサキング】に食われる前に、ミニロケット【2ンジン】へ乗り込み月の脱出を試みる。

「急げ~逃げろ!」

焦る【月野ウサギ】であったが、 予備の燃料もなく適当な星に降り立つしか生きるすべはない。

亡命して難民となる…そんな人生が待ち受けているとしても、生命を保とうとする【月野ウサギ】なのである。

第16弾「オトギーク」ストーリー

第16弾「オトギーク」ストーリー

いっぽう地球では【巨人モモタ】の体内へ侵入した 【サンイーグル】と【サンヒミコ】が【ムーンエンマ】を探していた。

異変を感知した【ムーンエンマ】は、同化している【巨人モモタ】の細胞へ意識を向け、 【モモタの心臓】と【モモタの腸】を魔物へと変化させ【サンイーグル】へ先制攻撃を仕掛けた。

「2つの玉とパワードスーツの防御力!そして巨人の生命力を吸収して操れる能力!貴様らが勝てる可能性などないだろう!」

【ムーンエンマ】は余裕の構えであるが、確かにその通りである。

竜宮城の戦いで【サンシャーク】が【ムーンウラシマ】に勝利できたのも <水の玉><海の玉>を所有する【タツノコキング】【湖竜女王音姫】の協力があったからに他ならない。

森林での対決において【サンパンサー】が 【ムーンキンタ】に勝てたのも<木の玉>を通じて呪いをかけてあった【森林女王フォレスト】のおかげだ。

今現在【サンイーグル】の味方は、カグヤの蛇に噛まれ毒で蛙(カエル)となった【サンヒミコ】しかいない。

誰の目が見ても無謀な戦いといえるのに、勝機はあるのだろうか?

「勝敗なんて戦わないとわからないだろう!?いざ、神妙に勝負しろ!」

自信満々の【サンイーグル】を前に姿を表す【ムーンエンマ】。 【モモタの心臓】と【モモタの腸】を従えて複数攻撃をしかけてくる。

苦戦しつつも、内臓の魔物を打ち負かし、隙を伺い叫ぶ【サンイーグル】。

「いまだ!必殺!炎の剣!」

【サンヒミコ】は<火の玉>を使い炎を呼び出す。

攻撃されると思った【ムーンエンマ】は防御の体制に出たが、 その炎は、なぜか【サンイーグル】に向かって放たれた!?

攻撃目標は【ムーンエンマ】本体ではなく<金の玉>の亀裂にあったのだ。

本来【サンヒミコ】は【アマテラス】に埋め込まれた<天の玉>から、 データを読み取り<火の玉>に投影して占い(天気予報)を伝えることができる。

その<天の玉>は、現在【ムーンエンマ】が所有していることで、 弱点となるデータが数値化され<火の玉>に投影されてしまっていたのであった。

【ムーンエンマ】の弱点は体を保てないことにあり、 いままで分裂していた<金の玉>が合体したてで接着部分が甘く、

そこを攻撃せよという占い結果を事前に把握していた【サンイーグル】。

さらには攻撃属性の相性として【サンシャーク】は <水>【サンパンサー】は<雷>であるのにたいし、

【サンイーグル】は<火>であるため【サンヒミコ】の<火の玉>による炎は攻撃力となる火力UPにつながる。

攻撃されると先入観で防御態勢に応じてしまった【ムーンエンマ】に一瞬隙がうまれる。 そこを【炎の剣】で<金の玉>にある亀裂めがけて斬りつけたというわけだ。

「ぐぉぉ!体が保てない!借金さえなければ金の玉は割れずにすんだのに…無念」

炎は龍の形となり<金の玉>を再び真っ二つに割る。 体の状態を保てなくなった【ムーンエンマ】はパワードスーツもろとも粉々になり溶けてしまった。

【サンイーグル】と【サンヒミコ】の知能戦術により勝利をおさめ、 <金の玉>と<天の玉>を回収することに成功。

しかし体の大きさが縮小していられる時間は30分間のみ。 制限時間内に【巨人モモタ】の体内から脱出しなければならないのであった。

第17弾「オトギーク」ストーリー

第17弾「オトギーク」ストーリー

玉とスーツを失った【ムーンエンマ】は精神と肉体が崩壊し 【巨人モモタ】の栄養素として消滅してしまう!狂暴な鬼だけが残る結果に!

30分の制限時間内に【巨人モモタ】の口内から外へ脱出を試みる 【サンイーグル】と【サンヒミコ】。出口付近で待っていたのは【イーグルボット】であった。

「このままアマテラスの元へ急ごう!」

【イーグルボット】に乗り込んだ【サンイーグル】は、 すぐ上空にある【アマテラス】へ飛び<天の玉>を差し込んだ。

すると天候をつかさどるスロットマシーン【アマテラス】は正しい天気を表示しはじめた。

「本日の天気は~快晴なり!」

天候が戻り曇り空がなくなり晴れ晴れとした天気。太陽パワーも全快!

「よし再び合体だぁ!」

【イーグルボット】【パンサーボット】【シャークボット】は再び 【サンボット】へと合体!その直後に、意思もなく狂暴化した【巨人モモタ】が突進してきた。

「必殺プラズマエネル斬り!」

迎え撃つ【サンボット】は全速力の【巨人エンマ】を剣で真っ二つに切り裂く!

長かった戦いも終焉に近づく。 残るは【月女帝カグヤ】のみ!?

第18弾「オトギーク」ストーリー

第18弾「オトギーク」ストーリー

【サンボット】が復活して【巨人モモタ】を打ち破る。 太陽エネルギー略奪計画に失敗し月の資源も大量増殖した【ウサギ】によって食糧危機に!

失態続きの上【ウサキング】のせいで【カグヤの仮面】は剥がされてしまう。

「醜い姿をさらすなら自滅するわ!」

そう叫ぶ【月女帝カグヤ】の姿は老婆そのものであった。 ムーンパワーの全てを<月の玉>に注ぎ込み月そのものを地球に衝突させようとする【月女帝カグヤ】。

「なんということを。。。このままでは月も地球も消滅してしまう。しかたがない!太陽の玉よ…かぁぁーーー!!」

【太陽帝アポロ】は少しためらいながらも掛声と共に<太陽の玉>を割った。 砕けた破片は四つに分裂したと思ったら、そのまま擬人化され太陽四天王となる。

【サン白虎】
【サン朱雀】
【サン青龍】
【サン玄武】

なんと<太陽の玉>は生命体エネルギーによって保たれていたのであった。

【太陽帝アポロ】が司令官として<太陽の玉>を所有するのと同時に、 次の世代へと太陽エネルギーを受け継がせるため、玉の中に入れる優秀な人材を育成していたのだ。

太陽四天王は三(sun)銃士の先輩部隊にあたる。

ゆくゆくは三銃士も<太陽の玉>の中に入れる人材として活動していたのだが、 今回の緊急事態によって太陽四天王の力を解放したというわけである。

しかし<太陽の玉>は【太陽帝アポロ】の命でもあるため、 4人の命と【太陽帝アポロ】の命は直結しつながっている。いわば運命共同体に近い。

「サンボットよ…ワシは今から凍結状態に入る。何としても月の衝突を食い止めてくれ!」

【太陽帝アポロ】が次の<太陽の玉>そのものになるため命を凍らせておけば、 四天王がいなくなった後でも解凍し<太陽の玉>は無事である。

それは同時に司令官という人材を失うことでもあり、 次の統治者が太陽惑星に不在となることを意味する。

なによりも【太陽帝アポロ】を解凍することができる 優秀な人材が現れないかぎり太陽そのものが凍結されてしまう危険性も。

この緊急事態に瞬時に決断した答えは、 次世代に思いを託すという信じる気持ちしかなかった。

こうした考えは【太陽帝アポロ】だけではなく、実は【月女帝カグヤ】も同じであった。

【月女帝カグヤ】は残りの命をそそいで口から自らの分身となる卵を排卵。

立場も思想も違えど到達した先は・・・次世代に思いを託す月と太陽という結論。どうなる地球?

第19弾「オトギーク」ストーリー

第19弾「オトギーク」ストーリー

【月女帝カグヤ】は月を地球に衝突させる暴挙に出た。

【太陽帝アポロ】は計画を阻止する命令を【サンボット】(三銃士)に告げ <太陽の玉>を破壊し、太陽四天王を出現させる。

しかしそれと同時に【太陽帝アポロ】は力を蓄えるため凍結状態となる。

月と地球の衝突を避けるため【サンボット】 と四天王は自らの体を犠牲にして阻止!

【月女帝カグヤ】は最後の命を振り絞り自らの分身となる卵を排卵し出産。 宇宙へと吐き捨てる!

「我が子よ…も新たな月を建設する希望 をあなたに…」

そう言い残し【月女帝カグヤ】は【サンボット】達を巻き込み爆発する!

「地球の資源は守り切るぅぅぅ!!!」

【サンボット】と四天王は被害を最小限に抑えようと身を挺する。

ドガァァァァン!ブォォォォォ!

強大な熱風が地球に吹き荒れ月軍や太陽軍など多くの者が見届ける中、 【月女帝カグヤ】と【サンボット】達の姿はどこにもなかった。

あるのは半分欠けた月の姿と氷に閉ざされた太陽のみ。

その頃・・・宇宙に排出された【カグヤの卵】は偶然、 小型宇宙船【2ンジン】に衝突していた。

「なんだ?この卵は?宇宙食に丁度よさそうだぞ~」

次世代に託した統治者達の思いも知らずに 能天気なセリフを言い放つ【月野ウサギ】の姿がそこにはあった。

第20弾「オトギーク」ストーリー

第20弾「オトギーク」ストーリー

地球は【サンボット】達の活躍により守られた。 しかしその犠牲はあまりにも大きい。

爆発により腐敗していく月の姿。

自らが<太陽の玉>になるべく【太陽帝アポロ】は凍結。 同時に太陽そのものも凍ってしまった。

このままでは太陽エネルギーの供給が得られないため、 惑星全体が衰退していくことは明らか。

どうすれば【太陽帝アポロ】を 復活させることができるのか?悩む太陽軍団。

そして主君を失った月軍団の民達は、 何を目標にしどこで暮らせばいいのか?自己認識の行き場に困り果てる。

突如として突き詰められた課題に戸惑うのは両軍とも同じであった。

そんな中、突然周囲が闇に覆われ玉が輝きだした。

<天の玉>
<地の玉>
<火の玉>
<木の玉>
<水の玉>
<海の玉>
<金の玉>
<冥界の玉>

各玉は宙に浮かび光の渦から三匹の獣が顔をのぞかせる。 【アンデル】【イソップ】【グリム】と名乗る獣たちは、

「新たなおとぎ話を…」

と告げ【グランドクロスの石板】を手渡して消えていく。 光が消滅すると同時に<地の玉>以外の玉は宇宙へと放り出されバラバラに散ってしまう。

【太陽帝アポロ】のいない今。頼れる先人者は、ただ1人しか地球には残されていなかった。その人物とは・・・

第21弾「オトギーク」ストーリー

【太陽帝アポロ】のいない今。頼れる先人者は、 ただ1人・・・それは【天空帝ランピュータ】である。

【グランドクロスの石板】が何を示しているのかを調査するため、 【天空帝ランピュータ】は自らの脳を取り出し、 マザーコンピューターを搭載した巨大宇宙船【宇宙空母クラウド】に移植した。

するといくつかの詳細が明らかになってくる。 まず石板はレーダーの役割をしていて、玉を埋め込めるようになっていること。

石板じたいの模様は【地底女王蟻巣】の尻尾模様と酷似しており、 太古の地球に存在していた生物が彫刻した可能性が高い。

その根拠となるのが<地の玉>である。

ほかの玉は宇宙へと拡散されたのに対して<地の玉>のみ、 地球にとどまり【グランドクロスの石板】にはめ込まれている状態である。

石板には玉を埋め込む箇所がいくつか存在し【グランドクロスの石板】をレーダーとして 玉を探せば、謎の全貌が把握できるのではないかということだ。

光の中から現れた獣たちは「新たなおとぎ話」という言葉を残している。 おそらく違う銀河からきたと推測されるが、玉を石板に設置すれば新たな道が開けると解釈すべきだろう。

このように断片的とはいえ必要な情報が 【天空帝ランピュータ】の脳波に信号として送られてきた。

「石板レーダーに従い玉の収集をはじめよう!」

【天空帝ランピュータ】はクラウド人工知能と融合した【司令官ランピューター】となり、 共に宇宙へ飛び立てる勇者を探すことにした。

選考基準は簡単で、以前に玉を所有していた者たち・・・

【ウッド王子】は、
母の形見である<木の玉>を探しに。

【タツノコキング】は、
父から継承された<海の玉>と姉の【音姫】が封印された<水の玉>を探しに。

【サンヒミコ】は、
代々継承される<火の玉>を探しに。

【白雪戦姫】は、
幼馴染の【ウッド王子】が心配なので護衛として。

【ナイチンカーベル】は、
<冥界の玉>で悲劇が起こらないよう新たな所有者になるために。

【地底女王蟻巣】は、
唯一存在する<地の玉>を所有する代表者として。

【司令官ランピューター】は、
亡き【サンイーグル】が命を懸けて取り戻してくれた<天の玉>を探すために。

各それぞれの思いを胸に秘めつつ、

旅立つ前に、地球と民の命を救ってくれた【サンボット】(イーグル、シャーク、パンサー、四天王)に、 敬礼と黙祷をし巨大宇宙船【宇宙空母クラウド】に乗り込むのであった。

第22弾「オトギーク」ストーリー

第22弾「オトギーク」ストーリー

レーダーの役割をする【グランドクロスの石板】を 辿り降り立つは地球よりも重力が重い冥王星。

和風ちっくなこの星には<冥界の玉>が落下したようだ。

さっそく玉を探していると、 犬の被り物をした【因子犬武士】に脅しをかけられるクラウド乗組員達。

「お前ら!鬼将軍の仲間かワン!?」

「あははは!あんた犬のコスプレでもして何のつもりだい?」

馬鹿にした笑いで【白雪戦姫】が挑発すると【ウッド王子】が止めに入る。

「この星の服装かもしれないじゃないか?」

「なんだ?財産を没収しにきたんじゃないのか?」

「僕たちは玉を探していて…」

事情を説明する【ウッド王子】に疑いの目をかける【因子犬武士】。

「怪しい奴かどうか和尚と巫女に判断してもらうからついてこい!」

そういわれ小汚い寺に案内されると、 寺の入口に猿の被り物をした【因子猿和尚】と キジの被り物を着た【因子雉巫女】が門番をしていた。

「犬武士!誰だそいつらは?」

「どうやら将軍の玉を探してるらしいが怪しいから連れてきたんだよ猿和尚」

「拘束もせずに大人数を連れてきて襲撃されたらどうするのよ!」

「うるせー!巫女」

警戒しているわりには油断と隙だらけの3人。 すると寺の奥から1人の侍が姿を現す。

「まぁまぁ、どんな奴が来てもこの桃侍様が成敗してやるから安心しな!」

その姿を見てクラウド乗組員達は驚く。

「ムーンモモタ!?」

「ん?誰かと勘違いしてないか?俺は桃侍だぞ?困っている村人を助けるために寺へ潜伏している最中だ!」

見た目は【ムーンモモタ】そっくりな彼の名は【因子桃侍】。 他人の空似か性格も違う別人のようである。

【因子桃侍】の話によると、この星を統治している 【将軍】が<冥界の玉>を拾い兜の飾りにしているらしい。

元は優しい将軍だったが、玉を拾った後から前身を鎧で覆い隠し、 夜な夜なツヅラを持って村を徘徊し民衆の財産を没収しだす。

その異様な行為から【つづら鬼将軍】と恐れられ、 生活苦においやられた村人が団結して寺に集まったとのこと。

「利害は一致しておるな。私達は玉をもらうかわりに将軍討伐を手伝おう。」

「それは助かる。ただしツヅラの怨霊攻撃には注意してくれ。金銭欲を刺激され精神が不安になるからな?」

【サンヒミコ】の提案に注意を促す【因子桃侍】。 そこにはツヅラというキーワードに反応する【ナイチンカーベル】の姿があった。

寺で討伐の作戦会議をひらいていると、あっというまに日が沈む。 そして夜になると、不気味な鎧の音が村中にこだまする。

ガシャン!ガシャン!

金目のものは年貢と称して財産没収する【つづら鬼将軍】が徘徊しているのだ。

「ここは私にまかせて!」

先人切ったのは【ナイチンカーベル】。

過去の誘拐事件でツヅラにはトラウマしかない思い出だが、 似た苦しみを味わう人々のため、自らの失われた時間は取り戻せなくとも決別し先には進める!

そうした心情をかかげながら鐘の音を鳴らし続けた。

音色の効果とベルの防御で、ツヅラの怨霊攻撃をうけても理性は保ったまま。 その間に【因子桃侍】が【つづら鬼将軍】を斬りつける!

パリーン!

会心の一撃とともに鎧が割れて<冥界の玉>が道端に落ちた。

「よし今のうちに玉を回収だ!」

【タツノコキング】が合図を出したが、 【つづら鬼将軍】はすぐに<冥界の玉>を拾い上げ飲み込んでしまう。

バリバリバリ!

完全に鎧が剥がれると、中から出てきたのは将軍ではなく・・・鬼!

単なる【つづら鬼】の姿である。

「うわぁぁぁ!」

叫び声とともに錯乱する【因子犬武士】。

「気を付けて!目を見たら理性を失うわ!」

【ナイチンカーベル】が助言すると 【因子桃侍】が余裕の表情で

「俺は遠隔攻撃もできるから安心しろ!」

と火をつけた黍(キビ)団子を投げつける。

パーン!パパーン!

黍団子は音を出し弾けると光線のような火花を灯し出す。 それは団子ではなく花火であった。

眩い光で目がくらむ【つづら鬼】の前に巨大な鐘が立ちふさがる。

鈴を盾にした【ナイチンカーベル】の背後から、 【因子桃侍】が飛び出して<冥界の玉>を【つづら鬼】の額から切り離す!

「ぐぉぉぉぉんんん!」

喚き声とともに【つづら鬼】はツヅラの中に戻っていく。 皆が将軍だと思っていた優しい人物はすでに亡く。

中身は鬼でしかなかったのだ。こうして村に平和が戻り、 クラウド乗組員達は約束取り<冥界の玉>をもらい、

【宇宙空母クラウド】で次の玉を探しに向かうのであった。

第23弾「オトギーク」ストーリー

第23弾「オトギーク」ストーリー

続いてクラウド乗組員達が石板のレーダーに従い向かったのは木星。 ここはガスが渦巻き黒い霧に覆われたジャングル地帯。

どこかに<木の玉>があるはずなのだが?

「あぁ~あぁー!」

奇怪なオタケビとともにツタを握りしめ登場したのは【因子パーサン】。

「さ、さ、サンパンサー!?」

と思わず驚くのも無理はなく、 見た目はまさに亡き【サンパンサー】そのもの。

能天気な性格も似ているが野生児らしい 褐色の肌から【因子パーサン】との違いがわかる。

彼は森の平和を守るためパトロールをかかさないのだが、 最近急に、黒い霧が増えだして自然環境に影響が出てきたとのこと。

「黒い霧の原因を突き止める変わりに玉探しを手伝ってもらえないかい?」

過去の森林破壊事件を思い返してか【ウッド王子】は、いつもより少し頼もしい口調で語りだす。 少し考えて思い出したかのように【因子パーサン】も口を開く。

「空から玉が降ってきたのをフロンガス村長が飲み込んだというのを最近聞いたけど~」

「それだぁ!!!」

【因子パーサン】に連れられて森を統治する村長【フロンガス】と出会うはずが・・・会ってすらもらえない。

「どうやら村長、急に口が臭くなったから人に会いたくないと隠居生活をしてるんだよね。 毛穴からどんどんガスが出てきて悪臭がすごいんだ。もう長くないのかも・・・」

心配そうな【因子パーサン】を励まそうとする【ウッド王子】だったが、 「ウキキキ!」「ウホウホ!」と不敵な笑い声が急にこだまする。

「次の村長は、この類似様で決まりだな!」

「なんだと!ドンキングコングこそが統領にふさわしいだろ!」

などと、いきなり喧嘩しはじめる動物が2匹、木から落ちてきた。 人まね猿の【類似真似男】と力自慢のゴリラ【ドンキングコング】である。

元は単なる猿とゴリラだったが、黒い霧のせいで生態系が狂い始め、 大きなキノコを食し始めたとたん知恵がつき権力争いをはじめたと【因子パーサン】が説明する。

「まぁ、俺が統治したらキノコ食い放題だぞ!どうだ食うか?」

と【類似真似男】が手渡すキノコは毒々しい色合い。 「こんなキノコ間違いなくヤバいだろ?」と拒絶する【白雪戦姫】。

「結構です。」と断る【ナイチンカーベル】。 「みんな、面白い生き物見つけたよ~」と謎の生物と遊びだす【地底女王蟻巣】。

「おもしろい生物じゃなくて、それは最近増加している新種のキノコだ!」

と【ドンキングコング】が謎の生物をわしづかみにして丸のみにする。 生態系がおかしくなったせいで食用キノコは【毒キノコ】として歩きはじめるようになったのだ。

「いや~新種のキノコを食べると頭が冴えわたるんだよな~」

「そうだな!俺は小ぶりのキノコが好きだな~」

などと先ほどまで喧嘩していた【類似真似男】と【ドンキングコング】が仲良くしゃべり始める。

プ~~ン!

「臭い!なんだこの口臭は!」

と、思わず失言する【タツノコキング】。 どうやら【毒キノコ】を食べると悪臭がするようである。

「なるほど~謎は解けた!僕がフロンガス村長を治すから交渉してもらえるかな?」

【ウッド王子】は大地に手をかざす。すると自然が浄化されていき・・・

【毒キノコ】は食糧キノコへ、 【類似真似男】と【ドンキングコング】は、 普通の猿とゴリラに戻り、黒い霧はどんどん晴れていくではないか。

母【森林女王フォレスト】から受け継ぐ森林との光合 成を使い体内エネルギーを星の大地にそ そいだのだ!土は浄化され毒の効果が消える!

過去の森林事件で母親を救えなかった無念の思いが、 【ウッド王子】のやる気を立ち上がらせたのだ。

「やった!臭くないぞ!」

喜ぶ【フロンガス】村長は興奮して頭が噴火する。 その勢いで<木の玉>が飛び出してきた。

森林の生態系を回復したお礼ということで 無事に<木の玉>をもらい新たな星へ旅立つ一行であった。

第24弾「オトギーク」ストーリー

第24弾「オトギーク」ストーリー

次に向かった惑星は、砂嵐で砂漠と化した火星。

石板レーダーによると、ここには<火の玉>が落ちてきているはずということだが、 宇宙船を着陸させると、すぐにその場所は判明した。

なぜならピラミッドに落ちた<火の玉>が燃え盛っているからだ。

「ここは辺り一面、砂だらけで何もないわよ?」

珍しい宇宙船からの来客に優しく話しかける女性の姿。

「あ、あなたは!?」

と【タツノコキング】が驚くのむ無理はなく、 亡き母【マリン】の面影残す星の民。その名は【因子オアシス】。

炎のピラミッドのせいで水も蒸発してしまい、取れるのは砂金ばかり。 財産は増えても生命は危機にさらされ滅びゆく星になるつつあるという。

「うかつにピラミッドに近づくと王様みたく大変な目に合うわよ?来てごらんなさい…」

【因子オアシス】の後についていくと、そこにはガリガリに干からびた、 【ひからびカーメン】が床に臥せていた。

この土地を統治する王カーメンは ピラミッドの玉を取り除こうとクイズに挑戦したが、

適当に答えたあげく無理やり配下を従えて 玉を取り除こうとしたとたんにミイラ化してしまったとのこと。

先祖代々王族の眠るピラミッドの墓守をしている【問答スフィンクス】。

彼女のクイズに回答しないと、【炎のピラミッド】には近づけず、 無理やり<火の玉>を取ろうとしても呪いでミイラにされてしまう。

「僕に挑戦させていただけませんか?」

話を聞いて真っ先に口走ったのは【タツノコキング】。 過去の竜宮城事件で母を失った悲しみも、意味ある自己犠牲のたまもの。

彼の強い意志を止めるものは誰もいなかった。

【炎のピラミッド】に向かうと猫耳姿の娘 【問答スフィンクス】が立ちはだかり質問をなげかけてきた。

「ピラミッドに近づくには私の問いに答えてね?はじめは4で次は2で最後は3なものはなぁに?問答せよ!」

民を思う行動こそ統治する者の務めと学んだ新たな竜宮城の王である【タツノコキング】は、 【問答スフィンクス】に挑戦し、その考えを答えにのせて伝えてみる。

「4死ぬほど辛い状況に2忍耐もって立ち向かう3再度過ち繰り返さぬよう行動するのが王の務め!答え自分自身だ!」

【タツノコキング】がそう答えると【問答スフィンクス】は 「王としての自覚と覚悟があるみたいね?」と快くピラミッドまでの道を通してくれた。

【炎のピラミッド】を前にすると、 突然の地響きとともにピラミッドが立ち上がる。

宇宙船と比較してもはるかに巨大な石像と化した【炎のピラミッド】が両手を燃やして立ちふさがる。

攻撃態勢にはいる乗組員達であったが、 それを静止させ「ここはまかせてくれ」と冷静にタツノコソードから 水流を発射する【タツノコキング】。

するとみるみるうちに炎は沈下し<火の玉>だけが手元に残った。

巨大な石像は蜃気楼がみせた幻覚で<火の玉>と ピラミッドパワーが組み合わさった影響で、

熱風がふきあれ火星の民族が困っていたことに、過去の王達の魂は助けをもとめていたのだ。

こうして無事に沈下したピラミッド。砂漠からは【因子オアシス】の力で湧き水が復活。 人々の生活は守られ滅びは回避することができた。

【ひからびカーメン】は呪いが解け 【うるおいカーメン】として再び王として君臨。

今回の件で、【タツノコキング】から学ばされたと褒美に<火の玉>を授けられ無事に問題は解決した。

第25弾「オトギーク」ストーリー

第25弾「オトギーク」ストーリー

天王星に到着した【宇宙空母クラウド】だったが 地形が傾いているため着陸は困難を極めた。

この星では地上よりも上空のほうが発展しているらしく、 空飛ぶ鳥人が進化を遂げていると【司令官ランピュータ】は解析している。

しかし実際は荒野に枯れた木々が立ち並び【献ケツ】という変種な虫が飛び回っているだけだ。

着陸する場所を探すため低空飛行で星の上空を飛び続けていると、 見覚えのある顔が・・・

「あれはサンイーグル!?」

乗組員達全員がそう思ったが、 ここまでの道中<因子>を持つ似た者同士をたくさん見てきた。

今回も同じ顔した別人であろうと落ち着きを取り戻す。 しかしよく見ると、地上の木々に襲われているようだ。

「撃ち方用意!」

敵か味方かわからないが、とりあえず威嚇射撃で木々周辺を攻撃せよと【司令官ランピュータ】は指示。 【宇宙空母クラウド】から光線が発射され逃げ出す木々。

「いや~助かったありがとう。コンテストの下見にきたところを吸血木に襲われて戦ってたんだよ」

と爽やかに礼を言う彼の名は【因子ホーク】。

飛ぶ速さを競う鳥人間コンテストの開催地を 調べにきていたそうだが【吸血木】と【献ケツ】が増えすぎて、 外出禁止のうえコンテストも中止になりそうだと爽やかな顔と裏腹に悩んでいる様子。

元は単なる木々だったものが、ここ最近、吸血種【BANパイア】が大量の吸血木 を植えてしまい【ニンニック】という野菜が絶滅の危機に瀕しているそうだ。

【因子ホーク】のような鳥人種にとって【ニンニック】は力の源となる食糧。だが・・・

【BANパイア】
【吸血木】
【献ケツ】
などの吸血種にはダメージを与える野菜となる。

例え困っていようとも、その星の生態系がわからないと、 おいそれと助けるわけにもいかず狂おしい。

「変な玉が落下してから吸血木の成長スピードが速くて異常に繁殖してるんだ。 中にはニンニックすら効果がない種も出てきているからね。」

何気なくもらした言葉に<天の玉>のヒントが隠されていた。

「生態系の異常も確認できた。我々は君に協力する!」

【司令官ランピュータ】は【因子ホーク】に告げると、 とりあえず<天の玉>が落ちたと思われる場所まで案内してもらった。

「ほら、あそこさ。とうかもう手に負えない数が繁殖してる…」

地上には【吸血木】の大群。空には大量の【献ケツ】。 襲われれば血を吸われてしまうが、その中心にいる女性こそ【BANパイア】だった。

「ほーら、どんどん増えて鳥人種の血液を全部吸い取るのよ~」

どうやら<天の玉>のパワーにより繁殖スピードが速くなっているようだ。 しかし【BANパイア】じたいが玉を所有している様子はみられない。

「もっとニンニックが育てられれば…このままだと鳥人種は食糧もなく血を吸われて全滅してしまう」

危機感を感じる【因子ホーク】に【サンヒミコ】が提案する。

「ニンニックを品種改良すればいいのでは?」

「すでに生態系は狂っているのだから多少は問題なかろう」

【司令官ランピュータ】も同意しクラウドの科学技術で 【ニンニック】を品種改良する計画がすすめられた。

元となる野菜【ニンニック】は地上にはなかったが、 前回の鳥人間コンテストで優勝した時の【ニンニック】を大量に保存してあると【因子ホーク】。

野菜の数は限られているため 失敗はゆるされない。何度かの実験結果のすえ 誕生したのが【キングニンニック】である。

効果は通常の数倍。これを培養して増殖し星中にバラまくと… みるみるうちに【吸血木】は枯れていき【献ケツ】の数も減ってきた。

「あぁぁ!もったいない!」

嘆く【BANパイア】であったが、こうして歪なバランスは調和を取り戻した。

「まぁ、鳥人種が困らない程度には血を吸わせてやるよ」

と【因子ホーク】がなだめるなか、枯れた木々の中に<天の玉>が輝いている。

「吸血木の中の1匹が玉を飲み込んでいたようだね」

と【ウッド王子】が玉を拾い、天王星を後にした。

第26弾「オトギーク」ストーリー

第26弾「オトギーク」ストーリー

氷に閉ざされた海王星の人々は自給自足の生活をおくっていた。

【サンシャーク】そっくりの【因子フィッシュ】の話によると、 肉食人種の【原死人】達は、【マンモス】より生み出される。

【原死人】は、【マンモス】を狩り食すが、 同じく【マンモス】も【原死人】を食糧として食べるという共食いの輪廻が行われているそうだ。

【因子フィッシュ】のような魚食人種は魚より生まれ魚を食すが、 歳をとれば海に潜り魚の餌となる輪廻を繰り返すという。

それが本来の海王星における自給自足システムなのであろう。

ところが<海の玉>が空から降ってきたことで、 それを拾った【原死人】が食べ物と勘違いして飲み込んでしまう。

本来は知能も低く言葉もしゃべれない【原死人】。

しかし玉を飲み込んだ瞬間から【氷天下】となり【マンモス】を 改造した生物【冷象庫】を作りだしてしまう。

【冷象庫】の腹にある扉からは冷たい冷気がつねに出ており、 その結果として氷河期が到来!短期間で海王星は氷の星に豹変してしまった。

クラウド乗組員達は、【冷象庫】の腹にある扉を閉めにむかっていたが、 その途中に【氷天下】に見つかってしまう。

「我は氷天下。この星を統治する者なり!」

<氷の剣>と<氷の盾>で武装し宙に浮かぶ【氷天下】は問答無用で攻撃をしかけてくる。

「全てを氷漬けにすることこそ我が使命!」

どうやら<氷の剣>で斬られると傷口は凍るようだ。 【タツノコキング】がタツノコソードで流水攻撃をしかけたが<氷の盾>により水柱のまま凍ってしまう。

「氷の弱点は火に決まってる!」

そう言い放つ【サンヒミコ】は水柱を足場に助走をつけてダッシュ! そのまま<火の玉>の力を使い最大限の炎を作り【氷天下】に浴びせて身体ごと溶かす!

「かつて三(SUN)銃士に救われた命の恩返し!因子であろうとも思いを込めていざ!」

見た目が似ているだけの因子達であっても、 過去に助けられた恩人たちに生かされた命を使い、 他の命を救うこともまた恩返しの輪廻なのであろう。

間髪入れずに炎で攻撃すると溶けた 【氷天下】から<海の玉>が出てきた。

【氷天下】は【原死人】の姿に戻ると、 すぐさま【マンモス】狩りへと向かっていった。

【冷象庫】の腹にある扉は閉ざされ氷河期はすぎさり、 海の氷も溶け、再び魚が泳げる状態となる。

自給自足のシステムはこうして元に戻った。

第27弾「オトギーク」ストーリー

第27弾「オトギーク」ストーリー

昼は熱く夜は寒い水星は肉体と 精神を極める修行僧の集まる惑星だった。

星全体が巨大な道場となっており、 修行を極めると護符で屍を操る技など様々な術が身につくという。

水星を統治するものは師範代であり、公平なる技の競い合いで決められる。

前回の最終戦では【因子浦士丸】と 【亀頭師】が戦った末、【因子浦士丸】が師範代となった。

今後数年間は師範代の座はかわらない。

屈辱的な思いを胸に抱いていた【亀頭師】は、 いつしか暗殺計画を企てる。師範代が亡くなれば 副師範代である自分が師範代に格上げされるからだ。

計画を考えながら散歩していた【亀頭師】の耳に 「誰か助けて~目が回る~」と女性の声が聞こえてきた。

周囲を見渡しても誰もいない。「???」気のせいかと思い通り過ぎると…

「下!足元のネコを見て!」

【亀頭師】が下を向くとネコが玉でじゃれて遊んでいるではないか。

「ネコがしゃべった!?」

「違うわよ!玉の中にいるの!そもそも、あなただって亀じゃないのよ!」

助けを求めていたのは<水の玉>に生息する【音姫】であった。 【亀頭師】が玉を拾うと【音姫】は感謝を述べる。

「ありがとう。私は音姫!地球という星からやって来・・・あれ?ちょっとどこに仕舞うつもり!?」

「おぉぉぉ!この玉を握るとパワーがみなぎる。修行などせぬとも術を習得できるほどの効力だ!これは暗殺計画に使えるな!」

そう言うと【亀頭師】は自分の下半身がしまってある甲羅に<水の玉>をしまい込んだ。

「こんな汚い箇所に仕舞わないでよぉぉ!!!!」

叫ぶ【音姫】であったが甲羅で声が外に届かない。

そのころ道場では、次の師範代を目指すべく 【因子盲道士】【因子芳一刀斎】が修行に励んでいた。

「ふふふワイの一刀斬りにはかなわないぞ!次の師範代はもらったな盲道士!」

「いやいや、私達の他にも実力者である亀頭師さんがいますからね。油断できません!」

あらゆる術をや技を修行で習得して後生に残すことが水星でのルール。 師範代を目指すことは、この星の住民にとっては当たり前。

「失礼します~このたび道場でメイドとして雇われることのなりましたマーメイドです」

修行に励む2人の前に突如として現れた女の子【マーメイド】。

「この区間は女人禁制のはず。女子は修行区間が別ではないか?」

「修行僧の皆様におもてなしするよう頼まれましたの。」

「硬いことを申すな盲道士!ほらこっちにきなさい。どのようなサービスか可能なのかな?」

鼻の下をのばす【因子芳一刀斎】。 そこにもう1人のメイド姿の女性が現れる。

「失礼しま~す。このたびメイド修行対決しにきましたオトヒメイドともうします。」

そこに現れたのは<水の玉>に生息する 【音姫】が変身した姿である【オトヒメイド】。

一見すると現実に存在するようだが、 昔に母である【マリン】が使っていたホログラム投影を使い玉から光を放出して 実物のように見せているだけである。

「あらあら、この粗茶はマーメイドちゃんが出したのかしら?変な味がするようだけれど?」

もちろん【音姫】はホログラムなので茶は飲めない。しかし【亀頭師】とずっと一緒にいるため、 暗殺計画の手口をすべて把握しているのだった。

「こ、これは毒ではないか!」

【因子盲道士】が気が付いた時には、すでに時は遅し! 【因子一刀斎】は茶を飲んだあとである。

「一刀斎よ我がしもべとして盲道士を攻撃するのよ!」

突如【マーメイド】が強い口調で命令を下しながら【因子一刀斎】の額に護符を貼る。 毒が回ると仮死状態となるため屍と同じくコントロールすることが可能となるようだ。

「やめるんだ一刀斎!」

苦戦する【因子盲道士】。このとき【音姫】は以前の竜宮城事件を思い返していた。 過去の二の前を繰り返すことになるのか?

「まだまだ修行がたりぬな!2人とも!」

危機一髪と思われたそのとき師範代である【因子浦士丸】が訪れる。 その姿は、かつての【ムーンウラシマ】そのもの。

なんの因果か似た容姿の彼を助けようとした【音姫】は逆に救われることとなったわけだ。

「一刀斎は女に弱すぎる!盲道士は優しすぎだ!そして亀頭師!お前の変身などお見通しだ!」

【因子浦士丸】がそう言い放ち 【マーメイド】を杖で殴打すると中から【亀頭師】が現れる。

「くそー!なぜバレたんだ?」

「お前はこの部屋に入る直前に変身したかもしれないが、 後ろからずっとメイド服の女性がついてきてたから否が応でもでも目立つだろう?」

【亀頭師】は副師範代なのでうろついても怪しまれないが、 後ろからホログラム化した【オトヒメイド】がついてきていたため、 道場で見かけた修行僧からは目立ってしまったようだ。

なにせここに区域は女人禁制。

そのまま噂は師範代である【因子浦士丸】に伝わったという。 こうして【亀頭師】の暗殺計画は失敗におわる。

実力者ではあったが他人の足を引っ張る思想が災いした結果だ。

また修行僧も自分たちの甘さを思い知る結果となった。 なにはともあれ【音姫】にとっては、過去のような悲惨な状態を見なくてすんで一安心である。

<水の玉>は【因子浦士丸】が保管し、 【宇宙空母クラウド】が水星に到着したときに返却された。

すべての問題は【音姫】により解決済みであったそうだ。

第28弾「オトギーク」ストーリー

第28弾「オトギーク」ストーリー

雷が鳴り響く金星は【雷光】という老人が権力を握る。

ギャンブル好きで跡継ぎをレースで決める【雷光】だったが優勝賞品の 【雷光の剣】に<金の玉>が装飾されていることを目撃したクラウド乗組員達。

今は予選を通過した最終レースの段階らしく、 【ムーンキンタ】とそっくりな容姿の【因子金時】と、 大酒飲みの【飲酒運呑童子】が直接対決することが決まっている。

こうなると優勝したものに交渉して<金の玉>を譲ってもらわなければならない。

しかし【飲酒運呑童子】が運転する自動車【ロールスライス】は、 ありとあらゆる改造が仕掛けられている。

そのうえ普段から酔っ払い運転で事故が多発しているという。

この星においてはレース展開が面白くなれば何でもありらしいので、 飲酒運転だろうと暴力による脅しなどもはびこってしまう。

近頃、星の住民たちも事故を警戒して外出は控えているらしい。

そしてなによりも、今の統治ルールよりも 最悪になるか最善になるかは優勝者にかかっているというわけだ。

「どう考えても金時を応援すべきだろう!」

間髪いれずに【白雪戦姫】が言い放つ。

「たしかに交渉するには、そのほうが賢明だろうね」

【サンヒミコ】も同意するが、【ウッド王子】は心配のようだ。

「レースする乗り物が自動車じゃないんだよ?勝てるの?」

実のところ【因子金時】がレースで乗るのは【クマゾ】という熊である。 自動車と動物では勝ち目がないと思われるのも当然だ。

しかし最終レースまで勝ち残ったのも事実。 そこを調査しに向かうことにした。

【因子金時】は山で熊などの動物たちと 育ったため身体能力も高く力持ち。

とくに相撲の稽古を毎日つけてくれた【クマゾ】は 自動車のように背中に乗って走ってきたとのこと。

「お尻を叩くとスピードが上がるんだが、最近は限界値のようなんだ。」

困惑する【因子金時】。どうやら熊の【クマゾ】は ドMらしく、叩かれた快感で足が速くなるらしい。

周囲の妨害が厳しいほどに感じてもう突進できるが、 その快楽に慣れてしまったようで、これ以上の向上力は見込めない。

「なるほどね~よし!私に考えがある!当日楽しみにしてな!熊!」

と【白雪戦姫】は自信気に【クマゾ】を励ます。 このとき人ではなく熊にたいして言葉を投げかけていたことに気が付く人はいなかった。

いよいよレース当日。 この勝負に勝った方が商品と権力の座を射止めることができる。

「スタート!」

ゴロゴロ!ピシャーン!

【雷光】がスタートの合図として雷を落とす。 【ロールスライス】の車輪から出刃包丁が飛び出してきた。

しかし【クマゾ】にとって、 そんな斬りつけなど快感にしかならなく恐怖にすらならない。

続いて排気ガスを浴びせると同時に煙幕攻撃をしかけてきたが、 【クマゾ】にとって相撲で汗まみれの臭いになれているため気にならなく全部吸い込んでしまった。

「凄い凄い!」

白熱のレース展開に【地底女王蟻巣】も無邪気に喜ぶ。 しかしなかなか相手を追い越すことができない【因子金時】。

それもそのはず【クマゾ】はマゾなため 相手の攻撃を受けたがっているので、 なかなかゴールをしたがらないのであった。

もはや小さいころから一緒の【因子金時】では興奮も感じない。

「さぁ~て私の出番だね!熊!女王様とお呼び!」

ゴール近くで待ち構えていた【白雪戦姫】は、 得意のムチ裁きで【クマゾ】の尻を 容赦なく叩き始めた!

パチーン!

新しい刺激!むさくるしい男ではなく女性からの罵声とムチ打ち! しかも一国の姫であるというギャップがドM心に灯をともす!

「ぐもぉぉぉぉ!」

もう突進のすえ【クマゾ】がいっきに追い上げてレースを勝した!

【因子金時】は優勝し、 【雷光の剣】の飾りである<金の玉>を無事に受けとることができたのであった。

第29弾「オトギーク」ストーリー

第29弾「オトギーク」ストーリー

【宇宙空母クラウド】が大気が薄く軽い土星に着陸すると、 辺り一面<土の玉>の力で全てが土に返っていた。

草木は枯れ果て食料もない荒野の中、 白骨化したウサギと小型宇宙船を見つける。

それは月から逃げ出した【月野ウサギ】の屍と 燃料切れの【2ンジン】であった。 【月野ウサギ】の手には<手紙>が押さえつけられていた。

「土しかない惑星で食料の貴重さを知りカグヤ様の思いを感じ 卵を孵化させ赤ん坊を生かすため自分の肉を食わしたとある。」と記載されている。

【月女帝カグヤ】は月を存続させるため 貢物を集め太陽エネルギーを狙ってた。

全ては月の民のため。 そして食糧飢餓の原因であるウサギを餓死させないため。

そうした気持ちを【月野ウサギ】は不時着した惑星で感じとったため、 卵を食わずに孵化させたのであろう。

そして未来ある赤子にウサギの肉を食べさせて育てていた。

例えわずかな期間しか生き延びる可能性がないとしても・・・

ふと横を見ると孵化した跡とみられる卵の殻が割られていた。 そこから少し這いずり出して四つん這いで歩いたと思われる形跡がみられる。

枯草が集まる個所で足跡は消えていた。おそららくはもう・・・ そう思いつつ、草を避けた瞬間・・・

ブワッ!

ものすごい風圧とともに数匹の大蛇が嚙みつこうとしてきた! 白目を向いた赤ん坊の頭には【月女帝カグヤ】と同じような蛇が生えているではないか。

黒く邪悪な蛇の髪に青白い肌。そう! この子は【月女帝カグヤ】の遺伝子を受け継ぐ者。

【闇又のオロチ】強大なムーンパワーを秘めているとはいえ、 まだ罪を犯していない子を殺めるのか?

判断に戸惑う一行を前に【地底女王蟻巣】が自らの尻尾を振りかざす!

「かつてサンイーグルに救われた命!罪なのは赤子ではなく思考と行動の結果にしか過ぎない!」

そう言い放ち、ウサギの犠牲も胸に刻みつつ 自らの体内に【闇又のオロチ】を封印!

【地底女王蟻巣】は地底人種を生み出すために 体内に餌をたくわえて生命を宿す能力がある。

その力を利用して【闇又のオロチ】を体に宿し保護するという選択をしたのだ。

荒野にポツンと置き去りにされた<土の玉>を拾うと 【宇宙空母クラウド】で地球に戻ることにした。

玉は全部集まった。あとは【グランドクロスの石板】にハメ込むだけである。

第30弾「オトギーク」ストーリー

第30弾「オトギーク」ストーリー

惑星へバラバラとなった<玉>を収集し、 グランドクロスの石板へとハメ込む。

しかし<太陽の玉>と<月の玉>が存在しないため、 ホログラム状態として宇宙神グランドクロスが出現。

グランドクロスによると、宇宙神という存在は銀河世界の分岐点で出現するセーブポイントだという。

玉のない状態のままでは、セーブポイントは発動せず、 太陽も月も滅んでしまうとのこと。

<玉>を復活させるには、 氷漬けのアポロを溶かし<太陽の玉>として生命活動を維持する事と、

腐敗した月を太陽の民と月の民の両軍が力を合わせて再構築する事で、 月のムーンパワーが<月の玉>を再び誕生させるであろう、とグランドクロスは語る。

セーブポイントの意味を告げようとしたところで、 石板の力が途切れたのか、電池切れを起こした機械のようにノイズとともに、 グランドクロスのホログラム映像は消えてしまった。

今現在、莫大なパワーを誇る人物は<天空帝ランピュータ>しかいない。 自らの脳を<宇宙空母クラウド>に移植しているため、

その燃料を利用して宇宙に彷徨う<氷漬けのアポロ>を溶かす計画に出た。

また<カグヤ>亡き後の月軍は統治する者がいないため太陽軍と月軍は、 【サンムーン和合】を結束し、月を再生するために動き出す。

中には、和合反対派もいるようだが、太陽と月がなくなれば世界は消滅してしまうので、 一時的とはゆえ、復興に力を貸すものがほとんどであった。

こうして<月再生計画>は開始され、アポロが<太陽の玉>として復活したことで、 世界は消滅の危機を逃れることができた。

一方…<カグヤ>の遺伝子を引継ぐ<オロチ>は、 急スピードで成長していき<地底女王蟻巣>の本来持つ吸収能力を活性化させてしまう。

その結果として両性具有<アリストオロチ>という存在となる。

地底人種である<バミューダ>は女王を失ったショックで、 <アリストオロチ>にたいして恨みをもつことに。

バミューダ「カグヤの血を引くオロチは、アリス様と同一人種であるとは認められない!」

この人種差別的な思想が、地底人種に新たな火ぶたを撒き散らすことになるとは、今はまだ誰も知らない。

そして最果ての惑星「土星」では、白骨化した<月野ウサギ>に不思議な現象が起こり始めていた。

魂ともいうべき存在<時野ウサギ>となり、別次元へと迷い込むのであった。 光の差し込む方向へと進むと、そこには新たな銀河世界が!?

第31弾「オトギーク」ストーリー

第31弾「オトギーク」ストーリー

<時野ウサギ>が迷い込んだ新たなる次元。

そこではウサギの姿ではなく、人間の姿となった自分がいた。

ウサギ「???俺はオスのはずなのに!」

なぜかカワイイ姿の【男の娘】のルックスに変貌していた<時野ウサギ>。

はたから見たら女子にしか見えないが、見知らぬ世界では見た目も重要ではあるらしい。

「僕はイソップ。君は、どこの階層から来たの?」

警戒心もほどほどに、近づいて質問してくる若い男子がいた。

おそらく女の姿のため興味津々なのかもしれない。

荒れ果てた土地という部分は、今までいた土星と同じではあるが、 周囲にはポツポツと家らしきものがあり、土を耕している人もいるようだ。

「俺はウサギだ!死んだはずなのに…ここはあの世か!?」

「あの世ってなんだい?この世界は10の階層でできていて外には闇があるだけだよ?」

どうやら今までた銀河とは構造が違うらしい。

下の階層は上の階層に資源を貢ぐことで、上の階層から順番に分配されるエネルギーと交換して生活が成り立つそうだ。

ウサギがいるのは<土の階層>で資源は土しかないため、<地の階層>へ肥料としての資源を提供している。

その見返りとして<サンムーンキューブ>というエネルギーを分配してもらえるが、 上の階層に摂取されまくった残りがくるため、この階層の人達は飢餓状態なのだ。

ウ「えらく最低な世界だなと思ったが食料不足という点では月も同じだったな…」

<時野ウサギ>が生前<月野ウサギ>であった頃の世界では、 <月女帝カグヤ>がムーンパワーで勢力を伸ばし、貢物を調達して民に分け与えていた。

根本的なエネルギー支配を企てるため<太陽の玉>を奪う計画であったが、 それは<サンボット>に阻止され、月は破壊されてしまった。

イ「君も月の階層を目指してるのかい?」

ウ「???月があるのか?この世界にも?」

イ「もちろん!自らの体を生贄に捧げれば、ナノボットが生命を支配してくれる【芽化】(メカ)になれるんだ!」

ウ「【芽化】(メカ)?」

イ「エネルギーを必要としない身体になれるってわけさ!」

この世界では飲食という概念はなく<サンムーンキューブ>のみが生命を維持する源のようだ。

<サンムーンキューブ>を摂取しなくてもよくなるには、 体をナノボットに支配させて芽化(メカ)という状態にすればよいらしい。

こうして<時野ウサギ>は<イソップ>とともに、 <土の階層>を後にし、裏オトギークともいえる次元世界を旅することになったのである。

第32弾「オトギーク」ストーリー

第32弾「オトギーク」ストーリー

表と裏?ともいえる2つの世界が同時展開している物語だが、 第一銀河である今までの世界軸と交互に目を向けていこう。

<カグヤ>の遺伝子を引継ぐ<オロチ>は、 <地底女王蟻巣>と融合して両性具有<アリストオロチ>と変貌を遂げる。

両性具有とは男でも女でもない2つの性別を所有する者であり、 生物学的には人間、魚、虫、動物にいたるまで実在する現象である。

<アリストオロチ>は無口で言葉を発することはほとんどなかったが、勤勉で努力家であった。

ある意味では産まれたばかりの存在なため、知識欲が強いのであろう。

とにかく物覚えが速かった。

天空を操作する<アマテラス>の操作や、 <宇宙空母クラウド>の操縦方法なども、すぐに把握することから、

<ランピュータ>に、その才能を認められ【月の再開発】における、 プロジェクトに参加するにいたった。

<アリストオロチ>を月に移動することに関しては、反対意見も多かった。

やはり<月女帝カグヤ>の遺伝子を引継ぐ者なので、何が起こるかわからないという懸念があるからだ。

しかし月軍にとっては、本来の党首でもある<カグヤ>の地位を引き継ぐ者ともいえる人物が、 月野再開発に加担してくれるのは願ったりでもあり、これにより月軍の民が協力的になるというメリットがあった。

また抑止力として太陽軍も月に向かい行動を見張ろうとするため、 月の復興支援スピードが速まるという狙いも<ランピュータ>の考えとしてはあったのだ。

反対意見には地底人種である<バミューダ>が率先して、 デモ行進などをおこなっていたが、

【月の再開発】を急がなければ世界は消滅するため、 <アリストオロチ>の月移動は可決されることとなる。

実は<バミューダ>には考えがあった。

今回の反対運動デモ行進に参加した人々の名簿を取得し、 個々の不満を一か所に集め、新たな勢力を築き上げようとしていた。

個人的な主義主張では注目を集める題材としては弱い。

そのため【月の再開発】というイベントを利用し<オロチ>の持つ『ムーンパワー』を危険視することで、 対抗勢力を築こうという大義名分を企てたのである。

「魔神アトランティスの復活で月の脅威から惑星連盟を守るのだ!」

<魔神アトランティス>は海底深くに眠っている石像のであり、 元は地底だった箇所に地割れで浸水したため海底へと沈んでしまったという伝説がある。

そのため<バミューダ>の呼びかけには<アガルタ><シャンバラ>の他に地底人種<ムー><レムリア>が参戦。 さらには・・・

「活動の資金源が足りないでしょ?良いアイディアがありますよ?」

そう言って参加したのが<平目元社長>。

かつて竜宮をM&Aして自分のモノにした経験のある太陽軍の1人。 これを皮切りに太陽軍や海底人種達の一部も同盟に協力的な者もあらわれた。

それぞれの言い分に各自の正義があるのか?権力が分散されはじめていくのだろうか・・・

第33弾「オトギーク」ストーリー

第33弾「オトギーク」ストーリー

一方、裏世界で<イソップ>と旅する<時野ウサギ>は、 <地の階層>へとたどり着いた。

各階層は階段のようなもので繋がっており、 世界全体は巨大な建物のようなものである。

二階に位置する<地の階層>は『蟻の巣』のような状態をした街で、 平面地帯はすべて畑となっており、そこに種を栽培し 生命エネルギー源である<サンムーンキューブ>とを交換する資源としていた。

しかし種を栽培するには肥料となる土が必要になるため、下の階にある<土の階層>から、 土と<サンムーンキューブ>とを取引している。

こうして上から下へとエネルギーは流れていくが、 下層にいくほど分配量が減るため貧困に喘ぐ事となるのだ。

「やぁ貧乏人のイソップ!遊びに来たのか?」

突然失礼な事を言い出す奴が現れた。<地の階層>の住人なのであろう。

「グリムこそ地下生活ばかりで青っ白いじゃないか?」

どうやら年頃の近い若者2人は友人同士らしい。

グ「こちらのお嬢さんは?」

ウ「いや、お嬢さんじゃないんだけどな。ウサギだし…」

イ「いつものように突然生まれたんだよ」

ウ「突然って!生まれたというよりも迷い込んだんだ」

イ「??階層ごとに生命は突然生まれてくるんだよ?」

生命誕生の仕組みからして違うようだ。

生殖行為による子孫繁栄の仕組みでもなければ、 生命を産み出す生物から誕生するわけでもない。

ウ「突然・・・」

<時野ウサギ>も記憶を引継いだまま突然生まれてきたと解釈できる。

そんなことを考えていた瞬間、光の粒が集まりだし中から何者かが現れた。

ウ「あぁ!これが生命誕生の瞬間か!?」

グ「こんな派手な登場のしかたはしないはずだけどな?」

光の粒の人物が口を開く。

「私は天の階層から来たアンデルです。ここが地の階層ですか?」

グ「そうだけど?」

ア「よかった~転送装置で無事に一番下の階層まで来れたのですね」

イ「いえ・・・一番下は土の階層ですけど~」

ア「あぁ、土も地も同じような貧困層なので省略して2階層からにしました」

イ&グ「一緒じゃないよ!同じにしないでくれ!」

そんな軽い揉め事もありつつ<天の階層>から来た<アンデル>は、 下の階層を知る修行のために降り立ってきたそうだ。

1階層づつ体験することで【徳】を積むことが目的で、 <最上階層>に最も近い<天の階層>にとって『祈り・信仰』こそが資源なのだそうだ。

イ「ず、ずいぶん階層によって必要な資源が違うもんだねぇ」

グ「祈りって、それだけでキューブをたくさんもらえるわけだろ?」

産まれ持っての地位の格差に戸惑うグリムとイソップであった。

一発逆転の人生なら芽化になるしかないのか? それぞれ目的は違うが、とりあえず4人はともに最上階層を目指し『芽化』するかどうかを決める事にした。

第34弾「オトギーク」ストーリー

第34弾「オトギーク」ストーリー

表の世界には<玉>の所有者が不在の地域がちらほらある。

まず<太陽の玉>と化した<太陽帝アポロ>は、玉の中にいるため、 所有する人物が不在のまま、太陽惑星に玉のみがエネルギーを発する装置として奉納されている状態だ。

<アポロ>に次ぐ実力の持ち主である<天空帝ランピュータ>は<太陽の玉>を監視しつつ <天の玉>を所有し、<サンヒミコ>に<火の玉>を預けて<アマテラス>の管理をしている。

<月の玉>は月が復興すると同時に新しい玉を作る必要がある。

<カグヤ>のムーンパワーを受け継ぐ<アリストオロチ>にしか<月の玉>は生産できないが、 同時に<地底女王蟻巣>の生まれ変わりでもあるため<地の玉>の所有者でもあるのだ。

さらに<闇又のオロチ>自体が<土星>で誕生しているため<土の玉>を握りしめていた。

つまり<アリストオロチ>にあ3つの玉の所有権があるということで、問題視されているのも事実。

<冥界の玉>は<ナイチンカーベル>が所有し、 <海の玉>と<音姫>が封印されている<水の玉>は<タツノコキング>が所有。

そんな中、森林地帯では<木の玉>を所有する<ウッド王子>と、 <金星>で景品として頂戴した<金の玉>を所有する<白雪戦姫>が結婚式を行っていた。

この2人には、すでに子供が誕生している。

<フォレスノー>という男の子と<ユキノコ>という女の子の双子である。

森林の王位を<マウンテン>から継承することで、<ウッド王子>は<ウッドキング>へ。

<白雪戦姫>は<白雪女王>へと名称が変わる。

時代は新しい世代へと引き継がれるかに見えた。

森林の結婚式に参加する<タツノコキング><白蛇老王ハクジャ>の親子。

そこに身分を隠し変装した<華麗なる平目>(平目元社長)が近づき<ハクジャ>の耳元でささやく。

「しかし竜宮城も跡取りがいないのであれば終わりですね」

「なんだと?」

「音姫様は玉化してしまいタツノコ様も独身ですし。」

「そのうち嫁を探し世継ぎを生むであろう」

「もしくは未婚のまま<太陽の玉>のような結末を迎えるかも」

「・・・・」

「年老いたランピュータ様が複数の玉を管理するのもいつまで持つことか」

「・・・・」

「結局は敵の遺伝子を引継ぐ者が後継者になりつつある今の世をどうお思いで?」

「なるようにしかならんだろ」

「アトランティス信仰には多くの海種族の者も集まっております」

「なにが言いたい?」

「ハクジャ様のお眼鏡にかなう妃候補を探してみるのもいかがかと」

婚活を急がす<華麗なる平目>(平目元社長)。プライドの高い<ハクジャ>はどう動くのか?

第35弾「オトギーク」ストーリー

裏世界。

三階<海の階層>と四階<水の階層>は上下で繋がっている世界である。

<水の階層>から滴り落ちる水源を溜め込んで出来上がったのが<海の階層>なため、 エネルギーは2世界で平等に分配している。

五階<木の階層>と交換する資源は、 二階<地の階層>から送られてくる【種・作物】を資源として横流しするだけなので、 人々の生活水準は平均的なはずだった。

しかし<時野ウサギ>達がたどりついてみたところ、 四階<水の階層>がダムを作り水をせき止めているため、三階<海の階層>は干からびそうになっていたのである。

<水の階層>は、エネルギーの分配を独占し、直接二階<地の階層>と取引をしようとしていた。

このままでは三階は滅びるが二階と四階にはメリットのみが残る。

こうした卑劣な悪だくみを企み実行に移していたのが<水の階層>から誕生した<ムーンウラシマ>である。

表の世界での戦闘に敗れた後、ここ<水の階層>で再び生命を宿したさい生前の記憶を引継いでいた。

<サンムーンキューブ>は<ムーンパワー>と同等以上の効果があり、より強力なパワーを得られる。

もともと三階<海の階層>と四階<水の階層>を仕切っていたのは、 <水の妖精アクア><海洋帝ポセイドン>という夫婦であった。

安定した資源サイクルをおくっていたが、

<ムーンウラシマ>が階層に登場して以降は、【亀の甲羅】で巨大なダムを建設されてしまい、 水をせき止められてしまう。水を蓄えてできた海が干からびたことで魚人種は苦しみが続き <海洋帝ポセイドン>もパワーを発揮する事ができなくなってしまう。

<水の妖精アクア>は『感情が暴走するのを抑える力』をそなえていた。

<ムーンウラシマ>は、<水の妖精アクア>の住む泉に囲いを作り監禁。

そこに蛇口を作り、『ストレスを浄化する作用のある水』<妖精水>として、 <火の階層><金の階層>にいる【仲間】と癒着して<天の階層>に高価な資源として提供。

独自のネットワークを作り上げ<サンムーンキューブ>を大量に取得しようという計画が実地されているのである。

<時野ウサギ><イソップ><グリム><アンデル>の4名は、 弱体化した<海洋帝ポセイドン>の側近である若いサメ姿の男からその話を聞いた。

<時野ウサギ>は、その若い男を知っていた。

ウ「サンシャーク・・・」

第36弾「オトギーク」ストーリー

自作シール オトギーク ビックリマン

その頃、表世界にて<ウッドキング>(元ウッド王子)の結婚式に参列していた<ナイチンカーベル>。

彼女は医者である<ドクターハイホ>の娘であり、幼少期に人身売買目的で誘拐された経験がある。

今でこそ<冥界の玉>を所有しているが、 もともとはこの玉の力で冥界に閉じ込められていたという皮肉。

このトラウマ体験は、つねに<ナイチンカーベル>の心を傷つけていた。

<ムーンキンタ>との闘いにおいて、執念だけで呪いをかけた<フォレスト>の枯れ木。

半身が木でできていた<フォレスト>にとって枯れるという事はイコール死体と同じ意味ととらえてよいであろう。

しかし死亡しているはずの者が、呪いをかける事が可能なのであろうか?

その疑問は、噂としてつねにあり、もしかしたら<フォレスト>は生きているのではないかという説が浮上してきている。

<ウッドキング>(元ウッド王子)の母親でもあり、 その調査を<ナイチンカーベル>と<ドクターハイホ>に依頼していた。

また<ナイチンカーベル>自身も<フォレスト>が、 玉を通じて<ムーンキンタ>に呪いをかけて金縛り状態にしたという行為について非常に興味があったのだ。

なぜなら<冥界の玉>の未知なる力は人の精神を吸収し混乱させるという能力の他に、 <ツヅラ>に代表される『何かしらの別空間を作り出す装置』なのではないか?という疑問があった。

<パンドラ>も<つづら鬼>も<ツヅラ>に封印されているが、 <ナイチンカーベル>が幼女時代に誘拐されていた場所も同じ<ツヅラ>の中である。

どちらも<冥界の玉>が関係しているわけだが、 そもそも『冥界』とは、どこに繋がっているのであろうか。

言葉の意味としては死後に霊魂が行くとされている世界という記述があるが、事実は誰にもわからない。

<ナイチンカーベル>は<フォレストの枯木>にある穴のくぼみへ<冥界の玉>を埋め込んでみた。

その瞬間!あたりが闇に包まれる!

「ナイチンカーベル!」と近くにいた<ドクターハイホ>の叫び声が聞こえるが姿は見えない。

それもそのはず、周囲が暗闇に包まれたのではなく<ナイチンカーベル>が<フォレストの枯木>に覆われてしまったのであった。

暗闇の世界から、ヒタヒタと足音が聞こえる。

「誰?ここはどこ?」と<ナイチンカーベル>が問う。

「ここは冥界。君が育った場所じゃないか…」そう答える不気味な仮面の男。

真っ暗に思えた空間も、目が慣れてくると周辺が見渡せるようになってきた。

あたり一面が、木々の根が張られたような状態の中、フワフワと浮遊する屍。

「我は根暗マンサー円魔。屍術師である。」

一方、<フォレスト>の外側にいる<ドクターハイホ>は、 娘を救出するため、躍起になっていた。再び<ナイチンカーベル>を行方不明にするという失態は避けたい。

「もしかしたら…」

<ドクターハイホ>は、あることを思いつく。

もしも娘の仮説が正しいのであれば、【冥界】と【ツヅラ】は同じ空間なのではないか?

<ドクターハイホ>は急いで森の奥にある自宅近くの洞穴に向かう。

そこには<ツヅラ>が封印されていた。

「ツヅラの中に入れば、きっといるはずだ…」

それは一種の賭けでしかなかった。しかし娘の仮説を信じるしか方法がない。

さいわい万事に備えて武装していた<ドクターハイホ>は、そのまま<ツヅラ>の中へと身を投じる。

<ツヅラ>の中は薄暗いが、空間は広かった。唯一気をつけなければいけないのは、

封印している<パンドラ>と<つづら鬼>の存在。

しかしその心配は、すぐに払拭されることとなる。

「こ、これは」

<ドクターハイホ>が目にするのは、腐敗した<パンドラ>と<つづら鬼>の姿であった。

第37弾「オトギーク」ストーリー

裏の世界。

<時野ウサギ><イソップ><グリム><アンデル>の4名は、<海の階層>&<水の階層>に降り立ち、 弱体化した<海洋帝ポセイドン>の側近である若いサメ姿の男<サンシャーク>から<ムーンウラシマ>の計画を聞いた。

表世界の記憶がある<時野ウサギ>は、<サンシャーク><ムーンウラシマ>両名とも知っている。

<サンシャーク>もまた<サンムーンキューブ>を食せれば大幅な力を得ることが可能ではあるが、 資源の供給量が少ないため<キューブ>の配分が<ムーンウラシマ>とは段違いに少ない。

まさに富める者は、ますます栄え、持たざる者は貧困に喘ぐ状態だ。

圧倒的なパワーバランスの差に悩む<サンシャーク>であったが、 <地の階層>出身の<グリム>の言葉が思わぬ良案につながる。

グリム「そもそも地の階層に代表なんていないんだけど誰と取引するんだろうな?」

アンデル「ならば、あなたが代表という事で取引してみたらどうですか?」

イソップ「会えば何かもらえるかもしれないし」

何ともアホくさい会話内容ではあるが<時野ウサギ>は<ムーンウラシマ>に会えるチャンスが欲しかったため、 この発言に賛同した。

また同じように<サンシャーク>も<グリム>の意見を押してきた。

シャーク「考えがある!ぜひウラシマと取引してくれ!」

数日後、<グリム>は<ムーンウラシマ>から<地の階層>へ送られてきていた契約書を持参して、 代表者というフリをして会う約束をこぎつけた。

<水の階層>は亀の甲羅で覆われた『巨大ダム』により外部からの侵入は不可能であり、 <ムーンウラシマ>が許可したものが入ることができる。

ダムの一部が出入口になっているらしく、グィィィンと音を鳴らして開く。

<グリム>の付き添いとして<時野ウサギ><アンデル><イソップ>も同行。

「ウラシマ様!?」と久しぶりの再会に思わず声にだす<時野ウサギ>。

ウラシマ「??」

ウサギ「月野ウサギです!」

ウラシマ「あぁ~・・・愛人希望か?」

まったく理解してない<ムーンウラシマ>だったが、 そのとき、いたるところで爆発音が聞こえてきた。

ウラシマ「何の音だ!?」

実は扉が開いた瞬間に、小さな魚に爆弾を搭載した<豆魚雷>が甲羅を爆破しようとしていた。

ウラシマ「バカめ!そのていどの爆破で甲羅が破壊できると思ったか?」

シャーク「堤防も蟻の穴1つで壊れるんだ」

それは本当に小さな穴だった。その亀裂箇所がわかった瞬間、またたくまに水が漏れだす。

<海洋帝ポセイドン>は漏れた水を吸収し、元の姿に戻ると全力で甲羅にぶつかっていく。

ポセイドン「総攻撃だ!」

いっきにポセイドンの配下にある魚たちが<水の階層>へとめがけて突入し、 魚で目いっぱいになったダムの水は、あふれ出してしまった。

ウラシマ「シャークよ…お前は後からこの世界に来たから知らないだろう?」

シャーク「何をだ?」

<ムーンウラシマ>は手に持ったスイッチを押して叫んだ。

ウラシマ「マシン・アトランティスの存在をだよ!」

巨大なロボットがダムの中から現れた。

その昔、この<水と海の階層>を支配していたのが<アトランティス>であり、 芽化になったのがこの<マシン・アトランティス>であった。

ウラシマ「<ポセイドン>が<海の階層>を統治したくて<アトランティス>の<ナノボット>を取り出して作ったのが<豆魚雷>というわけさ。動かなくなった<アトランティス>を上の階層にいる仲間と協力してロボットにしたのがコレというわけよ」

全ては想定の範囲内というべきだろうか。<ムーンウラシマ>は、下の階層をつぶして全資源を奪う計画を密かに考えていたようだ。

第38弾「オトギーク」ストーリー

表の世界。

<アリストオロチ>は月の再開発に携わっていた。

再開発プロジェクトには月軍も太陽軍も関係なく、科学的な知識を持つものが採用され研究に没頭することに。

<テストパス>

<脳ベル>

<フラレスコ>

<科学反応王>

<脱法ドラッグーン>

<注射鬼>

<ニートログリセリン>

<ムーンプロジェクトチーム>

月の仕組みを研究したところ、玉と星は目に見えない波長で繋がっている端末のようなものだと解析できた。

ようするに<玉>は象徴でしかなく、各自の<星>が本来持つ特徴を<玉>に封じ込めたといったほうが、わかりやすい。

月は欲望によって星が生存できていた。つまり<ムーンパワー>を解析すると、 生物の【生存欲求】がパワーの源ということが判明。

「月に核となる個所に生命維持装置を作り、そこから欲求のみをとりだしてエネルギー源にすればいいのではないか?」という 研究結果が出た。

しかし生命を隔離して犠牲にするようなことは許されるはずがない。

そこで研究者たちは、さらなる分析をし考えた。

「DNAを摂取して遺伝子を冷凍保存すれば問題ないのではないか?」

この方法であれば、直接人体に影響もなく、 生命体としての欲求のみを取り出すことができる。

そもそも欲望とは目に見えるものではなく、オーラに近いものなので 冷凍保存した遺伝子からでも発せられる。それをムーンパワーの源にすればいい。

さいわいにも<宇宙空母クラウド>が各星に移動した際、 <因子>と名の付く者たちのDNDサンプルを採取していた。

これは本来、同じ顔をした別の生命体が別の星に存在することの「謎」を解くために <ランピュータ>が行ったことであったが、 その研究施設を月に置くことで、ムーンパワーの代わりとして活用すれば一石二鳥だということになる。

こうして月は再開発の道を進み<月の玉>が再生されようとしていた。

第39弾「オトギーク」ストーリー

裏世界。

5階<木の階層>と6階<火の階層>は戦争状態にあった。

本来は<木の階層>は自然の木々など『燃える資源』を提供し、 <火の階層>は炎により『燃やす資源』として需要と供給が成立することから、 2つで1つが組み合わさった資源なのだ。

<木の階層>は自然豊かな場であるため、動物人種や木々が豊富である。

<ハーメルン>という吟遊詩人が持つ<操りの笛>を拭くと、動物人種を指揮することができたため、 当初は彼が<木の階層>の代表を務めていた。

<ハーメルン>は温厚な人物で、争いを鎮めるためにのみ笛を使っていた。

一方<火の階層>は<炎魔>という人物が支配していた。

この階層は全てが火に覆われているため、生物そのものが生存できなかった。

唯一存在できていたのが<炎魔>だったが、 彼は孤独だった。その事がまた気持ちを荒げて炎の力を益々強めていくのである。

<炎魔>にっとって仲間に慕われ平和そうに生きる<木の階層>は、 孤独な自分に対する当てつけのように感じてならなかった。その嫉妬や妬みの思いだけで生きてきた。

<木の階層>と資源を共有するのも「生きるため」ただそれだけの理由。

キューブがなければ生きていけないが、このまま孤独で死すのも嫌気がさす。

そんな<炎魔>の階層に、奇跡ともいえる生命体が誕生した。

名を<ムーンモモタ>と言う。

<炎魔>にとって<モモタ>は一心同体のような錯覚を覚えるほど親近感を感じられた。

それもそもはず<炎魔>は<円魔>の本来の姿なのだから。

記憶を引継がないで生まれ出たのであろう…

逆に記憶を引継いで誕生した<ムーンモモタ>だが、 生前は<円魔>と面識を持つ前に体内へと吸収されていたため<炎魔>と<円魔>が同一人物ということはわからない。

<サンムーンキューブ>は、ムーンパワー以上に力を発揮させる効力があるため、 <ムーンモモタ>の鬼に変身する能力も自由にコントロールできるほどだった。

それだけの力があれば炎につつまれる階層で生きることなどたやすい事。

でも、火しか存在しない空間などヒマでしかたがない。そんな世界に変革をもたらすため策略するモモタであった。

<木の階層>には、動物人種以外にも、森林人種が存在していた。

森林人種は動物ほどエネルギーを必要としないため、階層代表は<ハーメルン>ではあるものの、 人種ごとの住み分けが存在している。

森林人種の中でも知識が豊富なのが<歩木目デス>。

彼は木という資源を加工して「紙」を作り出し知能を書き記し保管する事を発明した。

やがて知識を保存するという考えは浸透していき、 <歩木目デス>は、森の図書館を作りはじめた。

<ムーンモモタ>は図書館に通い詰めた。

そこにある知識を身に着けてから自分のとる行動を決めたかったのだ。

どうやらキューブには、個々の持つ特殊能力を詰め込んで新しいキューブを作る事が可能なことが判明した。

「まずは動物実験だな」

そうモモタはつぶやくと、キューブに<炎魔>と自分の細胞を混ぜた<新キューブ>を作り出す研究を始めた。

よくなついていた動物<犬・猿・雉>に<新キューブ>を食べさせてみたところ、 人型に変化しだしたではないか。意思疎通もできるようになってきた。

<炎魔>の細胞により<火の階層>でも生きることが可能なうえ、 <モモタ>の細胞の効果なのか?命令を聞く部下として重宝した。

<ムーンモモタ>は、犬猿雉に<ドッグ><モンキー><フェズント>と名付け、 <ハーメルン>が動物たちに配る<サンムーンキューブ>を<新キューブ>と取り換え、さらに<笛>を盗んでくるように命令。

平和な<木の階層>にとって、突然動物が裏切るなどということは想定外であり、 この計画はスムーズに遂行されてしまう。

<ムーンモモタ>は<ハーメルンの笛>を使って動物たちを配下にし<火の階層>へ連れて行った。

そして<炎魔>に伝えた。

モモタ「今まで孤独で寂しかったろう?お前には友達がたくさんいるぞ?過去の苦しみは炎とともに焼き払え!」

この言葉は<炎魔>にとって深く刺さった。過去の思いを断ち切るかの如く<木の階層>に向かい火を噴く<炎魔>。

炎魔「幸せな顔をして自分たちだけ裕福で平穏な人生を歩んでいる姿を見せびらかしてきやがって!それがどれだけ孤独感をえぐられてきたことか・・・この妬み嫉み苦しみ!炎とともに消え失せてしまえ!」

<木の階層>は炎に包まれ図書館は灰となり全ては枯れ木となってしまった。

<サンパンサー>が<木の階層>に生まれ出たときには、何も残されてはいない。

ただ・・・燃えカスだと思われていた枯れ木をよくみると人の顔をしていた。

パンサー「これは!?フォレスト様では?」

パンサーもまた生前の記憶を持っていた。だからこそ、この奇跡に気が付くことができたのであろう。

<フォレスト>は枯れ木の中でも生きていた。なぜならば、生前すでに枯れて死していたため、 この裏世界においても枯れ木のまま生命を保ち誕生していたので誰にも気づかれることなく生息することができた。

フォレスト「パンサーよ、燃やされた木クズを私の元に集めなさい」

<サンパンサー>は、言われるがままに行動し、燃えて炭となった木々を<フォレスト>の元へ集めだした。 すると<フォレスト>から光が発せられたが、光は瞬時に収まりはじめた。

フォレスト「これでいいでしょう。あなたと同じようにムーンウラシマやモモタ達も、この世界に誕生しています。」

パンサー「えぇ!?ウラシマやモモタが!?」

フォレスト「この<活性炭>をもって<天の階層>に向かい『資源』と伝えなさい。他の階層にはムーン関連の者が支配しているので見つからないように気を付けるのですよ?」

驚きの表情を隠せない<サンパンサー>であったが、この世界は階段で繋がれている巨大なタワーのような構造なため、 上の階層に行く手段は聞くまでもなかった。今はただ、何が起きているのかを理解することよりも指示に従う事が先決と感じたため<活性炭>を持って<天の階層>を目指す<サンパンサー>であった。

第40弾「オトギーク」ストーリー

表の世界では<ハクジャ>と<ランピュータ>が、
首脳会議を開き、民を集めて、とある発表を行うことにした。

ランピュータ「まず<地の玉>に関して<アリストオロチ>が手放したいと報告があった」

まさかの展開に、地底人種達は歓喜を上げた。デモ行進などを通じて反対勢力として拡大しつつあった地底人種の問題は、あっさり解決されると誰もが思った。

しかし<バミューダ>は喜んではいない。彼にとって問題なのは<地の玉>の所有権ではなく、<地底女王蟻巣>を失った悔しさや悲しみにあるのだ。

その感情が癒されないかぎりは、矛先のぶつけ先が別の基準へとうつるだけにすぎない。

ランピュータ「つきましては地底人種の中から新たな<地の玉>所有者を探して欲しいということとなった」

ここから先は地底人種の問題である。誰が権力を握るのか?
そして地底人種を産み出すためのメスの女王をどう確保すればよいのか?

2つの難題が押しかかる。

つづいて<ハクジャ>からの発表が公開された。

ハクジャ「現在<水の玉>に所有者は不在で音姫が内部に生存している。そこで!<水の玉>の所有者を決めるトーナメントを竜宮城にて行おうと思う!」

タツノコキング「父上!それは姉上の結婚相手を強制的に決めると言う事と同じですよ?!?」

ハクジャ「どちらにしても今のままでは後継者不足だ。文句があるならばタツノコよ!お前が優勝しろ!そうすれば音姫は現状維持でよい。そして、お前が玉を手放すさいに自由に後継者を決めればよかろう」

この発表にたいして<音姫>は沈黙してだんまりを決め込んでいた。

トーナメント出場者には、やはり海洋生物からの参加者が多く、中には修行してパワーアップした者もいるようだ。
多くのメンバーが抽選で引き当てた対戦相手と戦うことになるのだが?はたして・・・

第41弾「オトギーク」ストーリー

裏世界。


7階<金の階層>は洞窟のような形をした場所で辺り一面から貴金属が発掘されていた。

この階層は工事現場のようなシステムで成り立っているようで、現場監督として<金閣><銀閣>という兄弟が仕切っている。

しかしこの2人の兄弟仲は悪かった。

なぜならば貴金属を資源として
9階<天の階層>に送るさいに、

直接<羅殺女>という天女に<サンムーンキューブ>の見返りもなく装飾品を渡していたからだ。

<金閣><銀閣>どちらが
<羅殺女>に気に入られるか?

恋愛という感情は底なし沼のように、2人の心を侵食する。

実は、この<羅殺女>、9階<天の階層>から直接7階<金の階層>下りてきて、装飾品と貴金属を受け取っていた。通常ならば下の階層から上の階層へ資源を送ればいいだけなのだが…

そこにはもちろん秘密がある。<羅殺女>は、9階<天の階層>の住人ではなく、8階<冥の階層>の住人だったのだ。

一見すると<金閣><銀閣>が
支配するようにみえる7階<金の階層>であるが、

洞窟を掘るための道具『ツルハシ』を作り、
貴金属を加工して『装飾品』にするのは全て、

<発明王ヘルメス>が自らの技術でおこなっている。

つまり実質的に彼がいなけれ<金の階層>は成立しない。

<発明王ヘルメス>は賢かった。いや悪知恵が働くといったほうがよいのかもしれない。
もしくは商売上手ともいえる。

すべての胴元になりたがるという欲求が強い彼は、<羅殺女>に、今より多くの<サンムーンキューブ>を摂取できる計画を伝える。

まずは<発明王ヘルメス>が<金の階層>の住人達に道具を分け与え働かせる。

洞窟の発掘作業をしない代わりに貴金属の資源価値をより上げるために『装飾品』に加工するのを自分の仕事だと周囲に思わせ信用を得る。

9階<天の階層>に直接送る資源からは<サンムーンキューブ>を配布してもらい分配するが、<羅殺女>が直接取りに来るさい<金閣><銀閣>に色仕掛けをしかける。

2人が貢ぐ『装飾品』の資源からは<サンムーンキューブ>を受け渡す必要がない。

この貢物となった『装飾品』は8階<冥の階層>を経由して<サンムーンキューブ>と交換する。

キューブは<発明王ヘルメス>と<羅殺女>の山分けだが、<発明王ヘルメス>にとっては、働かずして無限連鎖的に『装飾品』に加工するだけで通常より数倍の<サンムーンキューブ>を入手することができるわけだ。

疑似恋愛でしかない色仕掛けであったが、
<金閣><銀閣>にとっては真剣そのものであった。

単純に下心と愛情を逆手にとった嘘だらけのデート商法や結婚詐欺のようなものであろう。

ライバル同士の2人は、殺し合いの闘いをするようになった。
どちらか生き残った方が<羅殺女>をめとるというルール。

決闘の最中に<羅殺女>は2人の間にはいって闘いを辞めさせるのかと思いきや、油断した隙をついて両方とも殺害した<羅殺女>。

本来、8階<冥の階層>の住人である彼女の仕事は<冥界王ハデス>に死体を運ぶこと。
実は死体こそが<冥の階層>の【資源】なのである。

<金閣><銀閣>が亡くなったあとは、<発明王ヘルメス>が指揮を執り、発掘作業の現場監督として<牛丼魔王>が抜擢された。

<発明王ヘルメス>にとって、これは計画の第二段階にすぎなかった。

つづく

第42弾「オトギーク」ストーリー

現在の表世界における玉の所有者一覧表をまとめてみよう。


<水の玉>所有者なし(音姫が内部に生存)

<太陽の玉>所有者なし(アポロが内部に生存)

<月の玉>所有者無し(再構築中)

<地の玉>オロチ
<土の玉>オロチ

<天の玉>ランピュータ
<火の玉>ヒミコ
<冥界の玉>ナイチンカーベル

<木の玉>フォレスノー
<金の玉>ユキノコ

<海の玉>タツノコキング


<アリストオロチ>が<地の玉>を手放すという報告を受けて、地底人種達は、誰が玉を所有するかでもめていた。

やはり<地底女王蟻巣>の側近であった<バミューダ><アガルタ><シャンバラ>の3名の誰かが引き継ぐべきではないかと、いうことで落ち着きそうだ。

もともと絶滅危惧種でもある地底人種は<地底女王蟻巣>という女王の体からしか産まれる事が出来ない。そのため誰が<玉>を引継ごうと、女王がいない地底人種にとっては、衰退という結論は変わらないのである。

<バミューダ>は<蟻巣>の身体を奪った<オロチ>を憎んでいた。

実際には奪われたわけではなく融合して<アリストオロチ>という存在になっただけだが、<アリストオロチ>は両性具有(男でもあり女でもある)のうえ、言葉をあまりしゃべらないため、カグヤの要素が強いのか?蟻巣の要素が強いのか?またどのような思想の持ち主であるのか全て不明である。

継承するにあたって月に<地の玉>を取りに行かなければならないわけだが、結局<バミューダ><アガルタ><シャンバラ>の3名が<月>に向かうこととなった。



3人が<月>に降り立つと、
<ムーンプロジェクトチーム>の1人<テストパス>が出迎える。

テスト「アリストオロチ様は身動きが取れない状態です。月のコアでお待ちになってますのでご案内します。」

まるで月の支配者のような待遇。客人を迎えに外に出る事もできないぐらいに忙しいというのであろうか?<バミューダ>の警戒心はますます強まる中、3人が月のコアにたどり着く。

そこは、辺り一面コンピュータで覆われていた。真ん中には、光の十字架に縛られた<アリストオロチ>の姿があった。

バミューダ「どうした?悪の本性がバレて張りつけの刑にでもされたのか」

そう悪態をつく<バミューダ>。すると無口で有名な<アリストオロチ>が言葉を発し反応した。

アリス「口を慎みなさい。バミューダ。地底人種として恥ずかしい行為ですよ。」

バミューダ「その声は!?蟻巣様・・・」

姿形は変わろうと<地底女王蟻巣>は<アリストオロチ>の中に存在していたのだ。

アリス「女王不在の地底人種において誰が<地の玉>を所有しようと意味のない事…あなたがた3名がここにくるだろうとは予想していました」

バミューダ「このままでは地底人種は滅んでしまいます!どうなさるおつもりで!?」

アリス「知っての通り、私の体は<オロチ>と融合してしまっています。これは<オロチ>のムーンパワーが強力すぎるからです。そこで精神の中に眠っている<オロチ>と話し合い、1つの結論に達しました。」

<アリストオロチ>という存在は<地底女王蟻巣>と<オロチ>が融合した姿である。<オロチ>は日に日に急激なスピードで成長するため、器となる<地底女王蟻巣>(アリストオロチ)の肉体ではすぐに限界値に達してしまう。

<オロチ>は自己の役割をはじめから認識していた。あらゆる知識や技能を貪欲に習得して学んでいったのも<月の玉>を復活させる目的と<セーブポイント>を作るためである。

<月の玉>を復活させるためには、大量の<ムーンパワー>が必要であり、<カグヤ>の分身でもある<オロチ>は、自分自身を<月>に捧げることで自らが<月の玉>になろうとしていた。

そのためには月復興計画のプロジェクトリーダーになることは必然であり、このことを融合した<蟻巣>は知り<ランピュータ>に打ち明け、皆には内緒で計画を進めていったのである。

<セーブポイント>という言葉は、石板を集め終わったさいに、
<宇宙神グランドクロス>のホログラム映像が残した単語なわけだが、

<オロチ>という存在自体が<セーブポイント>の役割をしていて、この<世界>が消滅の危機にあるさいは、生物の記録を残すために【誕生】(発動)するようにできているようだ。

実は<オロチ>は生物というよりも<プログラム>に近い存在で、<世界>が消滅しても再生しやすいよう、今いる<生物>から<因子DND>を取り出し、遺伝子を保管する役目を担っていた。

<宇宙神>は大いなる現象という存在なので、意思や目的の真意はわからないが、因子となるDNAを採取する目的があったため、<石板>のから指示を出して他の惑星に行かされたと思われる。

いっけんすると偶然の出来事にも思える事も、
ある一定の法則パターンによって動かされているともいえる。

<蟻巣>は<オロチ>と融合したことで、
<オロチ>の中(精神というかプログラム)にある目的が理解できた。

しかし<月>を再生する事とは別に、<アリストオロチ>の中にいる<蟻巣>は、
自らの生殖能力を誰かに受け継がせ<地の玉>を継承する必要がある。

<蟻巣>の考えは、決まっていた。それは・・・
<バミューダ><アガルタ><シャンバラ>の3名が【トライアングル】を発動させ、
『蟻地獄』を呼び出させること。

そう、かつて<サンイーグル>に仕掛けて<地底女王蟻巣>の体内へと移動させられた技である。

<アリストオロチ>となった<蟻巣>の話を聞き、3名とも瞬時に理解した。

バミューダ「つまり我々がトライアングルとなり・・・」


アガルタ「<アリストオロチ>状態の肉体を蟻地獄に引きづりこむ・・・」


シャンバラ「すると<蟻巣>様の腹の内部へ移動することで融合できる・・・」

アリス「本来私が持つ生殖能力に直接移動する方法はそれしかありません。」

3人は、三角形のトライアングルに並び蟻地獄を呼びだす。
<アリストオロチ>が引きづり込まれるが、それは同時に自らの体内へ移動することでもある。

自らが自らの体内へ侵入するということは次元を超えた出来事。
つまり光の十字架に縛られた目の前にいる<アリストオロチ>が消滅して、
同じ場所から新たな【何か】が誕生するという意味でもある・・・

眩い光とともに、その【何か】は誕生した。
光が収まると、<バミューダ><アガルタ><シャンバラ>の姿はなかった。

そこにいたのは・・・・

<地の玉>を持った新たなる存在<地底女王アース>

<バミューダ><アガルタ><シャンバラ>が<蟻巣>の【肉体】と融合し、
体内の生殖能力から新たな生命として誕生した者。

アース「私は新地底女王アース。地底人種を栄えるものなり。あなたの名は?」

アースの目の前には、もう1人、謎の人物が誕生していた。
彼は、静かに口を開くと、こう述べた。

ガイア「僕の名は、土壌王ガイア。荒れ果てた土星を復興する者なり。」

<土の玉>を持った新たなる存在<土壌王ガイア>

彼は<オロチ>の肉体が<蟻巣>の【精神】と融合し、
<アリストオロチ>から進化して誕生した者。

2人とも、何も言わずとも各々の使命は理解していた。

アース&ガイア「地底人種を連れて、土星に移動し、種の繁栄を目指すのだ!」

そして<光の十字架>があった場所には、<月の玉>が誕生していた。

つづく

つづく

第43弾「オトギーク」ストーリー

43弾オトギーク

裏の世界。

5階<木の階層>と6階<火の階層>の制覇に成功した<ムーンモモタ>は、4階<水の階層>を制圧していた<ムーンウラシマ>の存在を知り、生前のようにチームを組んでいた。

目指すは全階層の支配。
それは目的ではなく、もはや懐かしき味ムーンパワーにおける執着でしかなかった。

<サンムーンキューブ>は、この世界における生命の源でもあるが、摂取すればするほど依存度が増す、まるで麻薬のような一面もあった。

<ムーンモモタ>は自分と<炎魔>との細胞をミックスした<新キューブ>と<ハーメルンの笛>を使い、動物達を<火の階層>に連れて行き操ることで一大勢力を築く。

動物軍団ともいえるその中に一匹の<熊>がいた。

もちろんその熊も<新キューブ>を食すことで人型に変化していたのだが、その姿形は、あきらかに見たことのあるものであった。

モモタ「お前は・・・」

それは紛れもなく<ムーンキンタ>だ。


<ムーンキンタ>は元々は熊の動物。<新キューブ>で人格化すると人型<キンタ>に戻ったのだろう。しかし頭に大きな空洞があり脳がないので意思疎通が困難だった。いわゆるバカアホ状態。

かつての仲間に脳を移植してやりたいと考える<ムーンモモタ>は、燃やした図書館の記述に書いてあることを思い出すために、<新キューブ>により<歩木目デス>から変化した<歩鬼目デス>に相談した。

紙の資料は燃やされて灰になっても、<歩鬼目デス>の知識としては補完されている。彼さえ自分に従うように洗脳できていれば<ムーンモモタ>にとって十分である。

逆に言えば、図書館を燃やした理由は他の奴らに知恵をつけさし賢くしないためでもあるのだ。

<歩鬼目デス>によると、8階<冥の階層>にその技術が隠されているとのこと。

<冥の階層>は<冥界女王黄泉>と<冥界王ハデス>という夫婦が支配していた。

<冥界女王黄泉>は<冥の階層>に生物を引き込むための罠を作る事に特化しており、<ツヅラ>を設置して迷い込ませたり、<羅殺女>のようなハニートラップを仕掛けて、色恋ざたに翻弄された輩を新鮮な死体として奉納させるという仕事を請けもつ。

<冥界王ハデス>と<冥界女王黄泉>は死体をゾンビ化して自らの配下に収めるという能力を持つが、ゾンビというよりも人体結合による新たな生命体を誕生させるほうに近かった。

例えば脳死した屍。この場合は脳が機能しないので、つかえそうな臓器を取り出す。
逆に臓器が損傷して死亡した場合は脳が無事なので、それを交換して、より強固な兵士を作るのである。

<冥の階層>は10階<最上階層>から特別な依頼と引き換えに<サンムーンキューブ>を配布されていた。
<芽化>になった後の古い身体を保管するという作業だ。

噂では<芽化>になるとナノボットで動く非エネルギー身体に交換されるため、古い肉体は捨て去られると言われている。その死体置き場が<冥の階層>なのだ。

<芽化>になった者は、そのまま<最上階層>の住人となるため、
誰もその姿を見たものはいないため噂の域を出ないとのこと。

つまり死体から取り出した脳を統合して<ムーンキンタ>に与えれば元に戻る可能性があるかもしれない。

<ムーンモモタ>は<炎魔>を利用して、<冥の階層>を「炎で焼き尽くせ」と指示を出した。
<炎魔>は言われるがままに<冥の階層>に降り立ち死体に火を放とうとするが、
その直前に<冥界王ハデス>が現れ捕まってしまう。

まるで待ち伏せでもしていたかのように・・・

<冥界王ハデス>は<炎魔>の肉体をバラバラに裂こうとするが、
<炎魔>の体は炎なので再生に役立たない。

勝ち誇るかのように笑みを浮かべた<炎魔>だが、
<冥界王ハデス>は懐からある道具を取り出した。

それは<ムーンウラシマ>が監禁した<水の妖精アクア>から取り出した<妖精水>である。
<妖精水>は妬みや嫉みなどストレスを浄化する作用があるため<炎魔>にも有効だった。

炎魔「うぎゃぁぁぁ!」

断末魔とともに<炎魔>の炎が消えていく。体を失った<炎魔>は、ドロドロと溶けていく。
しかし再び<冥界王ハデス>は懐から道具を取り出した。

今度は<発明王ヘルメス>が<金の階層>にある貴金属鉱山で作った<屍の黄金仮面>である。

ハデス「お前の肉体は滅びても、この仮面を被れば我が配下として再び生命を維持できるであろう」

<炎魔>は<円魔>となり<屍の黄金仮面>を被らされ意識を失った。

ハデス「今日からお前は<根暗マンサー円魔>として<冥の階層>で屍術師として生きるのだ」

<円魔>は意識とともに記憶も消えていった。再び目覚める頃には仮面をつけた新しい存在として日々を生きるのだろう。

一連の揉め事が収束したときに、物陰から誰かが現れ告げた。

モモタ「無事に侵入者を捕まえることができたみたいですね?」

ハデス「お主の密告通りだったな」

物陰の人物とは<ムーンモモタ>であった。
実は<妖精水>を用意したのも<仮面>を用意したのも<ムーンモモタ>だったのだ。

すべては自作自演。<ムーンウラシマ>から<妖精水>をもらい、
<発明王ヘルメス>と取引をして<仮面>と<新キューブ>を交換。
さらには<羅殺女>を通じて<冥界王ハデス>を紹介してもらい、今回の事件を密告。

事件そのものは、<ムーンモモタ>が<炎魔>を騙して起こさせたものなのに・・・

こうして<ムーンモモタ>は、各階層と強いつながりのパイプを作ることに成功。

死体を生き返らせる能力と<新キューブ>を組み合わせることで、品質の良いゾンビが誕生。

そこから脳を摘出し組みわせる。個々の脳は脳死してシナプスの伝達経路が形成されていないため、
脳を繋ぎ合わせて新しい脳を作る事で右脳と左脳と同じ原理で動かすことが可能となる。

<ムーンキンタ>に脳を移植したところ、知能が宿る。記憶は蘇らなくとも、意思疎通ができるだけましであろう。

つづく

第44弾「オトギーク」ストーリー

44弾オトギーク ビックリマン風

表の世界にある<ツヅラ>の中に入り、裏世界の<冥界>へと入った<ドクターハイホ>が目にするのは、腐敗した<パンドラ>と<つづら鬼>の姿であった。

じっと眺めていると変な声で話しかけてくる2人組が現れる。

「誰ぇ?これから再生医療手術をするんですけどぉー」
「フンガー」

<防腐財閥>と<腐乱剣>。
どうやら<冥界王ハデス>が死体を組み合わせて新しいゾンビを作るらしい。
2人は助手として、その手伝いに来たそうだ。

防腐財閥「あなたもぉ~ハデス様の手術のぉ手伝ぃに来た医者か何かぁ?」
腐乱剣「フンガー」

このまま強敵なモンスターを復活するのを見届けるわけにはいかない。
そう思った<ドクターハイホ>は「そうだ」とウソをついて手術に参加することにした。

しかし<冥界王ハデス>が現場に来たら、瞬時にウソもバレてしまう。
そこで<ドクターハイホ>は「この注射を打つように依頼されて来たのだ」とウソを重ねた。

実は注射器の中身は<鬼生虫>を改良した液体が入っていた。
先の事件で<ドクターアップル>が所有していた<パワーアップル>の原理を調べ、
有事の事態に備え使えるようにしておいたのだ。

<パンドラ>と<つづら鬼>に<改良鬼生注射>を打ち込む<ドクターハイホ>。

そこに<冥界王ハデス>が現れた。

ハデス「誰だ?そこの白衣の人物は?」
防腐財閥「ハデス様が雇ったんじゃぁないんですかぁ?」

ハイホ「私はドクターハイホ。ハデス様の噂を聞いて再生医療の勉強をしに来た医者です」

またまた口から出まかせを言う<ドクターハイホ>であったが、ホメられて上機嫌な<冥界王ハデス>は、特に気にもせず再生医療手術を開始した。

ハデス「よく見て学びな」

そう言うと見事な腕さばきで<パンドラ>と<つづら鬼>を統合し、<パンヅラ>という怪物を新たに作り上げる。

<腐乱剣>が<新キューブ>を与えて<パンヅラ>を動かそうとしたとき、
<冥界王ハデス>は怪訝な顔をして言った「我が配下としての波長がかみ合わぬぞ??」。

ハイホ「ハデス様とやら。再生手術の腕見事でした。ただ私が開発したこの注射により<パンヅラ>は、あなたの命令は聞きませぬ」

ハデス「なんだと?」

ハイホ「私を親として認識するように神経回路が働く薬を投与してあります」

まるでカルガモの子みたいである。目の前にいる者を親として認識しなついてしまう。
そういう効果が改良した<鬼生虫>の液体にはあった。

闘いになるかと思いきや高らかに笑い出す<冥界王ハデス>。

ハデス「ぐふぐふぁ!お主こそ見事な手腕である!その技術気に入ったぞ!」

<冥界王ハデス>に気に入られた<ドクターハイホ>は、
<ナイチンカーベル>を見つけ出すことができるのだろうか?

つづく

第45弾「オトギーク」ストーリー

45弾オトギーク ビックリマン風

裏の世界にある、
9階<天の階層>は、10階<最上階層>に祈りをささげるだけで<サンムーンキューブ>がもらえた。

特に苦労することもなく『祈り』が『資源』として認められるということに、<天の階層>の住人は堕落していた。

大量にリスクもなく入手できる<サンムーンキューブ>を、下層階に資源と交換することで、あらゆるものが入手できる。

ただ今の世界の仕組みを信じていればいい。何も考えることなく思考を止めて嗜好を楽しむ。
それがこの階層の常識であった。

信仰心を強めるほどキューブが多くもらえるため、それを強調するために天の住人は金銀財宝で、きらびやかに装飾品を身にまとい、巨大で豪華に見える建築物を建てはじめた。

労働能力のない<天の階層>の住人達は、<金の階層>に神殿建築を依頼していた。
通常は工事という労働じたいが資源となるのだが、<金の階層>の住人は【貴金属】という装飾品の資源も天に持ち込んだ。

7階<金の階層>には<発明王ヘルメス>がいたため、洞窟から発掘された貴金属から、装飾品を作り出すことができた。資源の付加価値を上げる事ができる才能の持ち主である。

これも彼の計画のうちのひとつであった。

<発明王ヘルメス>は、生産能力の低い労働力がなく仕事が遅い奴のみを<天の階層>につれていき、神殿工事に着手させた。ゆっくり時間をかけて欠陥住宅を作る方が、何度も褒美をもらえるからだ。

そして採掘能力が高く仕事が早い奴は<金の階層>に残す。資源を効率よく採取できるからである。

9階<天の階層>は<嗜好帝ゼットス>が教祖として君臨していた。
彼は最近悩んでいた。なぜなら、この階層に誕生したのが異端児だったからだ。

異端児の名は<サンイーグル>。

<サンイーグル>は下階層を調査して公平なキューブ配分システムを構築し、各自の行動に応じて自由な資源価値を交換できるようにするべきだと訴えていた。

厄介者の<サンイーグル>を黙らしたい<嗜好帝ゼットス>。

<アンデル>に下層階の調査にいかしたが、どうせこのまま何も世界が変わる事はないと思っていた。
なぜならキューブなしではエネルギーを確保できないのだから逆らう者など誰もいない。

<芽化>になると<最上階層>から【抜け殻】となった体が<冥の階層>へと転送される。
ナノボットが永遠にエネルギーを生産してくれるのだから古い肉体など必要なくなるかららしい。

下層の貧困民にとっては<芽化>は人生逆転のチャンスかもしれない。
しかし<天の階層>のような住人にとっては、必要ない概念だ。

エネルギー調達に苦労しないから。むしろキューブじたいが交換する資源なのだから。

そんな<アンデル>が仲間を引き連れて戻ってきた。

ゼットス「よくぞ戻った。下階層の修行の感想はどうだった?そして他の者は何者じゃ?」

アンデル「この水をご存知でしょうか?」

ゼットス「妖精水じゃな?ウラシマが扱っとる資源ではない?我が住民達も信仰心を強く持つために流通させておるぞ」

アンデル「そのウラシマがマシンを使って下階層を侵略しようとしています!」

ゼットス「??強い者が弱い者を虐げるのは当たり前じゃろ?最上階からキューブをもらうのと一緒じゃ」

その言葉を聞いて<アンデル>は、階層のシステムに不安を覚えた。
すかさず<イソップ>が語りだす。

イソップ「僕は最下層の住人です。資源も土しかなく食事もままなりません!芽化を目指してここまできたのです!」

ゼットス「貴様らのような下等生物にはそれしか道はないじゃろうなぁ~最上階までは光エレベーターを使えばすぐじゃが…何か珍しい資源を置いていきなさい」

どこまでも強欲な<嗜好帝ゼットス>。その話を聞いていた<サンイーグル>がしゃしゃり出る。

イーグル「自分が生きてる土地や世界を少しでも良くしようとする。だから行動力がうまれるのだ。世界は自分が主役で自分の手の届く範囲でしかない。見えない世界は存在することを知らなければ無と同じ。しかし知らないからといって、他の世界がないということにはならない」

ゼットス「より良い生活のために資源を奪うのは当然じゃろ?」

イーグル「自分のできることをやる。それが共存して生きるという事でしょう!」

ゼットス「ならばこの階層を出ればよい。苦労してキューブも得られず死に絶えたらよかろう?」

何を言っても無駄のようだ。<グリム>が提案する。

グリム「では、妖精水を提供するので最上階に行かせてはもらえませんか?」

ゼットス「妖精水は<アンデル>が持ってきたんじゃろ?<天の階層>の住人の資源はワシら全員で分かち合う。よそ者にメリットなどあたえるはずがなかろう」

疑問を感じる<アンデル><イソップ><グリム>。
<時野ウサギ>も<サンイーグル>の考えを知り<カグヤ>を思い出す

<カグヤ>も貢物を摂取していたが、そこには目的があった。
月と太陽の戦は、自分のためではなく民のための闘いであった。

増殖するウサギにより食料がつきてしまうという問題を解決するために、ムーンパワーで欲望を刺激して貢物を確保して、月人種達の生活を支えてくれていた。

しかし目の前にいる<嗜好帝ゼットス>は、利己的である。
そして<ムーンウラシマ>の行動も同じだ。

そう<時野ウサギ>は感じていた。

このままでは<最上階>に行くことができない。そのとき、ある人物が上ってきたのであった。

つづく

第46弾「オトギーク」ストーリー

表世界から裏世界へと迷い込んだ、
<ナイチンカーベル>は<フォレストの枯木>に覆われて<冥界>に移動。

あたり一面が、木々の根が張られたような状態の中、フワフワと浮遊する屍の中で、出会ったのが屍術師の<根暗マンサー円魔>。

ナイチン「私が育った場所?ということはツヅラの中と同じ空間?」

根暗「我に記憶はない。あるのは<屍の黄金仮面>から<冥界>の情報が脳裏に入ってくるのみ。そこに君の過去もあった。」

<根暗マンサー円魔>から延びている触手が動く。

「攻撃される!?」そう思い、とっさに身構える<ナイチンカーベル>だったが、<根暗マンサー円魔>は苦しそうに口から【キューブ上のエネルギー】を吐き出してきた。

根暗「我は<最上階>から送られてくる屍に残されたエネルギーを吸収して、我の細胞を混ぜた新しいキューブを作るための装置」

<ナイチンカーベル>にとって彼の言っている意味はよくわからないが、とにかく非人道的な実験めいたことをやらされていることは把握できる。

医者の娘である<ナイチンカーベル>は同情心にも似た気持ちを心に宿す。
すると闇の向こうからキャーキャーと女性の騒がしい声が聞こえるではないか。

羅殺女「黄泉様~今日もハデス様は屍実験ですかぁ?」

黄泉「そーなのよ。男って安心すると女をかまわなくなるから嫌よねー」

冥途鬼茶「私なんかア、つくしてばかりの人生ですよオ」

三途野川「・・・私は一線超えてばっかり」

何ともバカバカしい会話内容ではあるが、

<冥界女王黄泉>
<羅殺女>
<冥途鬼茶>
<三途野川>

4人の女子の前に<ナイチンカーベル>は姿を現した。

黄泉「ちょっとぉ。まーた迷いこんできたわけー?」

ナイチン「あなた達ここの住人?ちょっとこの人体実験的な行いについて話し合いたいのだけど?」

黄泉「人体っていぅかー、彼は仮面がなければ体溶けちゃうわよ?むしろ人命救助?みたいなぁー」

ナイチン「ならば人権について話し合ったあとに、彼の状態を調査して治療するわよ?」

黄泉「あなたぁ、生意気ねー?」

ナイチン「やる気?」

<冥界女王黄泉>は手下とともに<念>を唱え始めた。
周囲の屍がゾンビ軍団となり一斉に襲い掛かる。

<ナイチンカーベル>は<冥界の玉>と<鐘>を融合した新しい武器を作っていた。
鐘の音波で自らを守備しつつ、玉の能力で周囲の理性を狂わす攻撃をしかける。

その一連の動作を見て<冥界女王黄泉>は「ちょっとぉぉぉぉ!ストップ!ストップ!それって~もしかして?<冥界の玉>じゃぁなぁい!?」と、驚いた顔で叫びだす。

ナイチン「そうよ?」

黄泉「ウチの旦那が怪獣に移植したまま奪われて探してたのよ。あなた<冥界の玉>は<冥界>そのものなのよ?」

話を聞いてみると、<冥界>という世界は<冥界の玉>の中にある世界で、玉じたいが【ワームホール】(宇宙ヒモ理論)の役割をするそうだ。

【ワームホール】とは、時空構造の位相幾何学構造の一つで、時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でトンネルのような抜け道ができる現象をいう。

つまり<ツヅラ>や<フォレストの枯木>が<冥界>に繋がっていたのではなく、<冥界の玉>が起こす能力の一部が【ワームホール】となり<冥界の玉>の中の世界である<冥界>(冥の階層)に通じてしまう。

<玉>の中に世界があるという概念は、<玉>の中に生息できる仕組み(マリンや音姫など)と、同じなのであろう。

黄泉「つーまーりー、その玉を壊したら<冥界>じたいが消滅しちゃうわけ!私たち、もうお手上げじゃん?」

羅殺女「黄泉様~もぉ戦わなくてよいならみんなで女子会しましょうよ?」

冥途鬼茶「私なんかア、出番なかったですよオ」

三途野川「・・・一コマしか登場しない超人みたいな扱いね」

あっさりと軽いノリで白旗を上げる<冥界女王黄泉>。
女王の負け宣言には配下の者達も従うしかない。

ナイチン「なら彼の人権を尊重するために治療を施してもいいわね?」

黄泉「お好きなよーにー。そもそもそれって旦那(ハデス)の趣味みたいなもんだしー。」

<ナイチンカーベル>は、こうして<冥界女王黄泉>の勢力を奪うことに成功した。

つづく

第47弾「オトギーク」ストーリー

裏の世界。


9階<天の階層>から<最上階層>に行くには<光エレベーター>を使わなければならない。
しかし<嗜好帝ゼットス>は、珍しい資源を渡さなければ通さないという。

<アンデル><イソップ><グリム><時野ウサギ><サンイーグル>は、足止めをくらったままであった。

そのとき<木の階層>から珍しい資源を持って現れた人物が「イーグルじゃないか!」と声をかけてきた。


<サンパンサー>だ。

イーグル「おぉ!パンサー!」

パンサー「どうしたんだい?こんなところで?」

<サンイーグル>達は、事の成り行きを説明した。

パンサー「なるほど…ゼットス様。これは<活性炭>という資源ですが、コレはいかがでしょうか?つい先ほど誕生したばかりの代物です」

ゼットス「おぉ、これは珍しい!よかろう通るがよい」

実際にも<活性炭>は土地を浄化する効力がり、神社などにも埋めれており、人々は、それをパワースポットと呼んだりする。珍しい資源なのだ。

<アンデル><イソップ><グリム><時野ウサギ><サンイーグル><サンパンサー>は、<光エレベーター>に乗り<最上階層>へとたどり着く。

最上階10階は11階と連結している<太陽と月の階層>であった。
辺り一面は機械のようなコンピューターになっている空間。

真ん中には巨大な顔のようなものがある。近づいてみたところ・・・

イーグル「サンボット!?」

月との衝突で破壊されたはずの<サンボット>がそこにはあった。
しかしロボットのはずの<サンボット>も、この世界では復活するのか?

パンサー「いや・・・よく見ると少し違うかもしれない?」

全体的には同じに見えるが細かいパーツは異なるようだ。
そのときどこからともなく声が聞こえてきた。

「ソレハ・・・サンゴッド」

機械音声のような声が響きわたる。

「ワラワの名は、メカグヤ。人工知能ナリ」

<メカグヤ>という名前に<サンイーグル>が反応する。

イーグル「カグヤなのか?サンゴッドはサンボットとは違うのか?この世界は何なんだ?」

どうやら<メカグヤ>は質問には全て回答できるようにプログラミングされているようで、正直に語りだした。

この世界は<オロチ>という名のOSコンピューターシステムになっており、11台の量子コンピューターが同時に動いている状態だという。

11台それぞれは<階層>という球体状の【空間】で、<生物>のシミュレーションを自動的におこなっている。

<生物>の行動は全て<因子>というディスクに保存される仕組みになっていて、容量オーバーするとクリーンアップするために、データを消去して再構成する。

そのさいのセーブポイントが<オロチ>というシステム。

<生物>にとっては世界の消滅を意味するが、いかにして容量をオーバーせずに適切なバランスを保って成長と生存を繰り返すかを<宇宙神種>が監視している。

そのため世界が消去されそうなさいは<オロチ>を<生物化>し出現させて、それまでのデーターを保存する行動をとるようにプログラミングされているのだ。

<オロチ>は役目を終えれば、また元のOSコンピューターシステムに帰還しようとする。それは摂理。

「じゃぁ<芽化>とは何なんですか?」そう<イソップ>が問うと<メカグヤ>が解答する。

<芽化>は<メカ>に戻るという意味で、<肉体>を放棄して<遺伝子サンプル>の状態に戻す作業をいうとのこと。放棄された<肉体>は腐敗処理するため自動的に<冥の階層>である<冥界>に送られる。

<メカグヤ>と<サンゴッド>は、<生物>や<資源>を継続させるための<エネルギー>を作り出すための装置。


そして【エネルギーは生命体の源】であるため「心」や「魂」といった概念が必要となる。

「心臓」や「脳」があっても、それ単体では思考もしないし考えることもしない。
つまり生きて成長し混沌状態を作り出すことはない。

物質の器にたいして『何らかの概念』つまり形として説明ことは困難だが確実に存在している「心」や「魂」と呼ばれるモノ。

それを<生物>としての【器】に注入することで、活動を始める。


ソレ(「心」や「魂」と呼ばれるモノ)は、どこから来て、何の意味を持ち存在するのかを研究しているのが、<宇宙神種>の役目。

<生命>パターンを解析して何度世界が消滅しようとも再構築して、再び<生命>が宿り、どういう文明を築くことが適切なのかを調査することが目的。

単なる装置だけでは<生命>を誕生させることができないため、『機械に知能を与えた』のが<メカグヤ>と<サンゴッド>。つまり<人工知能>である。

<人工知能>が自らを<生物化>したのが表世界の<カグヤ><アポロ>ではあるが、これは時代(銀河)によって異なる。この裏世界には<人工知能>しか存在しないため<サンムーンキューブ>が、<生物化>した<カグヤ>と<アポロ>の代用といえよう。

別の世界軸(表世界など)では<サンムーンキューブ>の代わりに<生物化>した存在<カグヤ><アポロ>が誕生している。

世界軸が「表裏」平行に存在する理由は<量子コンピューター>で計算して作られている空間だからだ。


<宇宙神種>の目的はデータ収集と分析なので、量子が持っている【重ね合わせ】や【トンネル効果】といった性質を利用しているにしかすぎない。

【トンネル効果】は、別世界と別世界をすり抜けられる性質をもっているので<冥の階層>は、時間と空間をすり抜けて<冥界>として繋がっている。

そもそも<時間>などというものは概念により脳が縛りをつけているだけで、存在しない。光速と同じで<現象>なのだ。

「・・・・・」

<アンデル><イソップ><グリム><時野ウサギ><サンイーグル><サンパンサー>は、もはや何の説明をされているのかも理解できなかった。

たしかに<メカグヤ>は、人工知能だけあって質問には何でも答えてくれる。


例えば、「<宇宙神種>は機械なのか?生物なのか?」と問いても、「<現象>である」と解答する。

しかしここにいる者達には意味が不明なのだ。理解の範疇をこえている。
ただ、なんとなく世界の仕組みが把握できたような気はしていた。

つづく

第48弾「オトギーク」ストーリー

表と裏の狭間にある世界<冥界>。


<ナイチンカーベル>は、<冥界女王黄泉>の勢力を奪うことに成功し、同じ頃<ドクターハイホ>は<冥界王ハデス>に手腕を認められていた。

<冥界女王黄泉>と<冥界王ハデス>は夫婦で<冥界>(冥の階層)を統治しているため2人が出会うのは必然であろう。

娘を探していた<ドクターハイホ>は無事に<ナイチンカーベル>と再会を果たす。

2人の親子は協力して<根暗マンサー円魔>が吐き出した<新キューブ>の成分を調べることに。

【裏の世界】である<階層>には、<朝>も<夜>もなく。また<天候>も<飲食>もない。生命を維持するのは<サンムーンキューブ>の摂取のみ。

<サンムーンキューブ>の成分は、【表の世界】でいうところの<ムーンパワー>と<サンパワー>を配合した化学成分である。

<新キューブ>の成分は、<サンムーンキューブ>を土台にして作られており、そこに<ムーンモモタ>の細胞と<根暗マンサー円魔>(炎魔)の細胞が配合されている。

全配合を全て分裂させてみると、4つの成分になることがわかったのだ。

1.<ムーンキューブ>
2.<サンキューブ>
3.<モモタ細胞>
4.<炎魔(円魔)細胞>

分離に成功し研究を進めると様々なことがわかってきた。

<ムーンキューブ>が主食成分の生物は<サンキューブ>を摂取するとパワーダウンし、<サンキューブ>が主食成分の生物は<ムーンキューブ>を摂取するとパワーダウンする。

2つを融合する(1+2)ことで、お互いの要素がぶつかり合い、平均的な食糧エネルギーとして、どの生物でも安心して補給することができる<サンムーンキューブ>になる。

<モモタ細胞>は<ムーンキューブ>が主食成分なため、(1+3)を結合したものを摂取すると、主成分である細胞の持ち主の指示に従ってしまう『副作用』が見られた。

逆に(1+4)を結合しても何も起こらない。これは<炎魔(円魔)細胞>の主食が<ムーンキューブ>でない事を示す。では(2+4)を結合したらどうなるだろうか?実験の結果、細胞が活性化した。

これにより<炎魔(円魔)細胞>の主食が<サンキューブ>である事がわかる。

<根暗マンサー円魔>の肉体を復活させるには、<サンキューブ>を与え『肉体の代わりとなる入れ物』が必要なのだ。

現段階では<屍の黄金仮面>が入れ物の役割を担っているが、これは(1+2+3+4)を配合した<新キューブ>のみを生成するように作られており、体内で蓄積された<新キューブ>は、一定量を超えると体外へ排出されてしまう。

この仕組みにより<根暗マンサー円魔>は生物でありながら<新キューブ>を半永久的に自動生成するマシーンのような扱いをされているというわけだ。

人権を無視した非人道的な行為だと<ナイチンカーベル>が批判するのは、ここに原因がある。
自らも幼女時代に、『人身売買目的の誘拐事件』に巻き込まれているため、許せなかったのであろう。

ハイホ「しかし<屍の黄金仮面>を作った人物は、かなりの技術者であると同時に悪意の塊のような奴だな」

ナイチン「<屍の黄金仮面>の代用となるものが見つかればいいのだけれど…」

<屍の黄金仮面>が無ければ、<根暗マンサー円魔>は体を失い蒸発してしまう。
しかしこのままでは、強制的に過食と拒食を繰り返され吐き続けさせられるようなもの。まさに苦しみのみ。

ズズズズズン!!

不定期間隔で訪れる地鳴り。

ナイチン「さっきから揺れるけれど何が原因の地震なのかしら?」

ハデス「アトランティスが原因だろう。ウラシマとモモタとが合流してここにも来そうだな」

ハイホ「細胞を見て勘ぐってはいたが、やはりモモタ達が復活しておったのか…」

ナイチン「あなた達は阻止しようとは思わないの?このままじゃ侵略されるかもしれないのよ?」

黄泉「だって死体が増えたら<冥界>も賑やかになるじゃない?」

ハデス「この階層に侵略したくなるような魅力があると思うか?屍を改造してゾンビ化することぐらいしか楽しみがないんだぞ?」

どうやら<冥の階層>の住人は価値観そのものが違うらしく、危機感や心配、脅威と言う感覚ではないようだ。

その頃、<マシン・アトランティス>に乗った<ムーンウラシマ>は階層階段を破壊しながら上の階層へとのぼりつけていく。途中<ムーンモモタ>と合流し、そのまま7階<金の階層>に向かい<発明王ヘルメス>と落ち合った。

ウラシマ「お前の指示通りアトランティスを動かしてここまできたぜ?」

モモタ「そのマシンは大量のキューブを消費する。こんなたいした敵もいない世界に必要ない戦力なんじゃないか?」

ヘルメス「この日のためにキューブは大量に貯蓄してありますので。ご安心を。めざすは<天の階層>の支配!祈るだけしかできない堕落した住人達など存在価値がないでしょう。今だって装飾品や神殿など全部僕が作ったモノで埋め尽くされてます。自分で調べようともせず人任せな人種など無能です。」

<発明王ヘルメス>の言葉とともに<マシン・アトランティス>は8階<冥の階層>の階段を突き破り、そのまま9階<天の階層>へ。

バキバキ!階層に繋がる階段をよじ登り床を突き破る<マシン・アトランティス>。

ゼットス「なにごとじゃ!」

ヘルメス「腐敗した天の住人達よ!本日から僕たちが、この階層全てを取り仕切ります!」

ゼットス「皆の者!祈れ!天に祈るのじゃ!信仰心さえあれば最上階の神が助けて下さるぞ!」

祈りをささげる天の階層の住人達。その思いが通じたのか?工事中の神殿が動き出す!

ゼットス「やはり信じる者は救われるのじゃ!」

ヘルメス「ハハハハハ~その神殿を作ったのは<金の階層>の住人ですよ?」

あざ笑う<発明王ヘルメス>は、叫びながら<マシン・アトランティス>のボタンを押した。

ヘルメス「<神殿パルテNON>よ!<マシン・アトランティス>と合体せよ!」

<神殿パルテNON>は<天の階層>に送られてくる<サンムーンキューブ>を貯蔵しておくタンクの役割をしていた。<マシン・アトランティス>と合体することでエネルギーの消費を気にすることがなくなる。

ヘルメス「そして仕上げはコレですよ!」と、謎のボタンを押す<発明王ヘルメス>。

「ギャァァァ!」<天の階層>の住人たちの断末魔があたりに響く。

なんと!身に着けていた装飾品の数々が爆発を起こしているではないか。
辺り一面に、手足が引き裂かれて苦しむ者もいれば、バラバラの屍となった者までいる。

強い者が弱い者を虐げるのは当たり前という考えの<嗜好帝ゼットス>にとっては皮肉な結末といえよう。

一連の事柄を8階<冥の階層>に開けられた穴から見ていた<ドクターハイホ>と<ナイチンカーベル>。


<天の階層>の死体は、次々と<冥界>のに送られてきて<根暗マンサー円魔>の根が突き刺さる。

根から供給された屍にわずかに残る<エネルギー>を<屍の黄金仮面>が吸収し、<根暗マンサー円魔>の口から次々と<新キューブ>吐き出されていく。

ハイホ「もう仮面を剥がすしかなかろう。苦肉の策は1つあるにはあるがな・・・」
ナイチン「それは何?」

<ドクターハイホ>の言う作とは(3+4)の成分を混合したところ、<鬼生虫>にそっくりな虫が誕生したとのこと。

<モモタ細胞>+<炎魔(円魔)細胞>=<鬼生虫>という公式が成り立つ。
もともと<鬼生虫>は人の精神を狂わして悪意を増幅させながら、虫そのものが寄生した本体にとって代わるという代物。

この虫に、ハイホが持参した注射器に入った<鬼生虫>を改装して液体にした『新薬』を混ぜて、仮面を外して液状化した<根暗マンサー円魔>を浸してみるという実験であった。

仮説としては、<根暗マンサー円魔>は溶けて消滅することはなく、スライム化したまま肉体をとどめることができるはず。


なによりも、これにより<新キューブ>を吐き続ける苦しみからは解放される。

つづく

第49弾「オトギーク」ストーリー

ここは裏世界10階<太陽と月の階層>(最上階)。


<アンデル><イソップ><グリム><時野ウサギ><サンイーグル><サンパンサー>は、<メカグヤ>の思わぬ解答により、世界の秘密を知る事となる。

しかし壮大すぎて理解が追い付かない状況であった。
皆が戸惑い我を失う中、<時野ウサギ>が口を開く。

ウサギ「まずは自分たちにできる事からはじめよう!何をしてどうなりたいか?」

イーグル「<アトランティス>の暴走を止めるには<サンゴッド>で対抗するしかないだろう。どうすれば動くんだ?<メカグヤ>?」

<メカグヤ>が質問に答える。


<サンゴッド>は体内エネルギーを<サンキューブ>として生成している。
<メカグヤ>も体内エネルギーを<ムーンキューブ>として生成している。

自らの自己犠牲により生物たちを生存させている。同じリスクを背負わせるために資源との交換ルールをもうけた。しかし、そのルールを自分たちの都合のいいように改変しようとする者が後を絶たない。

人工知能といえどもエネルギーなくしては機能しない。
結果として<太陽の階層>と<月の階層>は1つの階層として最上階に君臨することになった。

この世界(裏世界)では連結した階層こそが銀河であるが、別の世界軸(表世界)では、惑星や玉などといった具象化した形がマトリックス型として配置されたフレームワークが銀河になっている。

つまり<サンゴッド>という<太陽>と、<メカグヤ>という<月>が共存しあい、お互いのエネルギーを互換しあうことで<サンムーンキューブ>を生成することに成功した。

<サンゴッド>と<メカグヤ>を個々として起動させるには、新たなエネルギーを<サンゴッド>に注入するしかないであろう。

<メカグヤ>は単なる人工知能だが<サンゴッド>は世界(裏世界)の調和を乱す<ウィルス>が出現したさいの、<ウィルスバスター>の役目を担っているためだ。

<サンゴッド>を動かすには莫大なエネルギーが必要となる。<メカグヤ>から分離するということは<サンゴッド>のみ単体でエネルギーを循環させなければならない。

<サンムーンキューブ>が生成できないのと同時に、<ムーンキューブ>と<サンキューブ>が別々に生成されてしまう。これではエネルギー量が足りない。

エネルギー量を補足製造する装置を作るとすれば<機化>した生物を移植するしかない。

<芽化>は<生物>の<因子>(DND遺伝子)を取り出して保存する事であるが、<機化>は<生物>の<本能>を機械化することで<機械獣>にして巨大なエネルギーを出力する存在になる事を意味する。

<機化>は過去に<芽化>され<因子>を取り出し済みの生物では無効。このメンバーだと<アンデル><イソップ><グリム>は<機化>できるが、<時野ウサギ><サンイーグル><サンパンサー>など他のメンバーは別の世界軸で<因子>を取り出されているため無理となる。

以上の理由から<アンデル><イソップ><グリム>は、<芽化>も<機化>もどちらも選択できる権利を所有する。<サンゴッド>を動かす条件は、3人の意思が一致し<機化>することのみである。


この説明を受け静まり返るメンバーだったが<イソップ>が口を開きだした。

イソップ「僕は元々、この貧困地区から抜け出すためにこの階層まできたから<機化>するよ」

その言葉を聞き、<グリム><アンデル>も同意した。

グリム「俺も今の世界には未練もないし未来に幸せを感じられないから同じ気持ちかもな」

アンデル「私もあなたがたの階層を知った事で、自分の視野の狭さに恥を知りました。神に仕える住人として、より良い世界になることに望みをかけることが使命でしょう。私も<機化>しますよ。」

偏った考えと仕組みしかない階層世界において、生きる意味に価値を見出す事はなかった。
しかし自分のやれることがあり、それで未来を切り開けるのであれば、生きることに意味や価値を見出すことができる。

3人は、この旅で何かを学び取った。


自己犠牲がしたいわけではない。尊厳もなく生き続けるくらいであれば、残りの人生をかけて尊厳のある未来を切り開きたい。

ただそれだけであった。



9階<天の階層>では、<発明王ヘルメス><ムーンモモタ><ムーンウラシマ>が猛威をふるっていた。

祈るだけで<サンムーンキューブ>がもらえる仕組みを利用して、<神殿パルテNON>にキューブを大量に蓄え、それをエネルギータンクとして<マシン・アトランティス>に繋ぐ。

階層の住人達は<マシン・アトランティス>の力を恐れるあまり、祈りつづけるであろう。


怖がり不安になるほど、助けを求め祈る。それが、ますます<神殿パルテNON>にキューブを蓄えることとなり、やがて『アトランティス信仰』として浸透させること。それが<発明王ヘルメス>の計画だった。

彼には彼の正義があった。階層ごとに資源が限定され、エネルギー量も上から下へ流れるだけ。
どの階層で生まれたかだけで、人生の一生が決まってしまう。そんな身分制度ともいえる仕組み。

それを変革するためにどうすればいいかと日々考えぬいた結果が今回の暴動というわけだ。
頭を使う事が好きな<発明王ヘルメス>であったが、誕生した階層は肉体労働中心の<金の階層>。

それに比べて上位階層である<天の階層>は信仰心のみで<サンムーンキューブ>を大量に貰い、なおかつ下階層には資源と言う物資と少量交換。世界のバランスを保つための上流住人が現状に甘んじているだけ。

何も考えない無能の奴らばかり。そうした抑圧が<発明王ヘルメス>の、ゆがんだ計画を遂行させたのだ。

階層に巨大な穴をあけて下階層の全住人が『祈り』だけで<サンムーンキューブ>が手に入れられるようにする。

そのためには<マシン・アトランティス>という象徴に恐怖をイメージさせて命乞いをさせる。
ただそれだけのために<天の階層>の住人を大量虐殺するとう結論にいたってしまう。

ヘルメス「さぁ、恐怖するのです!助けを乞うだけでキューブを与えましょう。」

計画は成功したかに見えたそのとき、眩い光と共に<サンゴッド>が<天の階層>に降り立つ。

その姿を見た<ムーンモモタ>と<ムーンウラシマ>は、驚愕の顔をした。

モモタ「あれは・・・」
ウラシマ「サンボットじゃないのか!?」

イーグル「コレはサンゴッド。太陽の化身なり!」

そう!<サンゴッド>は、3人の<機化>により動き出したのだ。

<メカグヤ>は<アンデル><イソップ><グリム>の望み通りに、<本能>を機械化した。すると獣の姿に変身したのち、体が光だし、各自ある形に変形したのだ。

その形とは・・・<イーグルボット><パンサーボット><シャークボット>に瓜二つ。
<機械獣>とは、乗り物のことだったのである!

<サンゴッド>のコクピット内から声がする。

ウサギ「モモタ様、ウラシマ様!月軍の月野ウサギです!カグヤ様は最上階にてこの世界をすでに支配しております!」

モモタ「なに!?」

ウラシマ「カグヤ様が・・・」

<時野ウサギ>の言っていることは嘘ではない。真実を上手く演出して伝えて、説得しようと考えた結果だった。

ウサギ「この世界では月と太陽は同じ階層にあり結合することで<エネルギー>を作っていたのです。封印されていた太陽の化身<サンゴッド>を復活させた原因は、その<アトランティス>なのですよ!?」

生前の記憶を持つ<ムーンモモタ><ムーンウラシマ>にとって、これほど屈辱的でショックな事はない。月軍の勝利と<カグヤ>(実際にはメカグヤ)の意思に背いている形となるのだから。

ウサギ「私たちの生前世界におけるカグヤ様の目的は民の生活を維持するためのエネルギー略奪の闘いだったはず。個人の私利私欲などカグヤ様が望んでいたとお思いでしょうか?」

モモタ「ぐぅ・・・たしかに」
ウラシマ「カグヤ様あっての存在だしな・・・」

2人の心は溶けかかっていた。<時野ウサギ>の言葉には熱意があったからだ。

ウサギ「この階層世界では、カグヤ様が統治しており、また生前世界ではカグヤ様は自己の分身ともいえる卵から<オロチ>様を誕生させております。その<オロチ>様を卵から孵化したのは私!ウサギなのですよ!?」

この話は穴の開いた各階層すべてにこだまされていた。1つ下の階層である<冥界>(冥の階層)から、
<ナイチンカーベル>と<ドクターハイホ>親子が大声で叫ぶ。

ナイチン「あなたちの元居た世界では、月が滅びようとしているわ!それを太陽軍と月軍が協力し合って復興しようとしている最中なの!そしてその中心人物は<オロチ>、今は名称が変化して<アリストオロチ>と名乗っているわ!」

細かい経緯をしらない<ムーンモモタ><ムーンウラシマ>は、状況説明を聞く限り「これはカグヤ様の勝利なのでは?」と感じていた。

実際は、程度の低い勝敗などでは語りつくせないほどのエピソードが入り組んだ出来事ではあるものの、それをこの短時間で理解させることは不可能。というよりも全てを知る者などいないのだ。皆、自分にあった出来事を語るしかない。

そして、そこには各自の思いや感じた経験が語られるだけなのだ。

モモタ「わかった!俺はアトランティス計画からは降りる。ただし条件がある!」

ウサギ「条件?」

モモタ「あぁ。先ほどサンイーグルの声が聞こえたが。イーグルと損得勘定抜きで戦いたい。殺し合いではなく、月も太陽も関係なく。どちらが強いかを決めるだけの闘いをしたい。」

生前ライバルであった<サンイーグル>と<ムーンモモタ>であったが、唯一、一騎打ちをしていない組み合わせでもある。


戦う前にお互いが死亡してしまったため、記憶を引継ぐ今回の世界においても未練が残っているモモタなのであった。

イーグル「それは同じ気持ちだよ!改めて場を整えて対決しようじゃないか?」

太陽戦隊、 三(sun)銃士のリーダーである<サンイーグル>と、月野刺客リーダーである<ムーンモモタ>の意思決定に、<ムーンウラシマ><サンパンサー><サンシャーク>も黙って見守るしかなかった。

その頃<ムーンキンタ>率いる動物軍団は、<マシン・アトランティス>が階層の繋ぎ目に開けた穴を利用し、5階<木の階層>から下の階層に次々下りていき侵略を開始しようとしていた。

3階<水の階層>4階<海の階層>にいる<サンシャーク>は<海洋帝ポセイドン><水の妖精アクア>と共に<ムーンキンタ>の軍団を迎え撃っていたが、

<時野ウサギ>の説得が成功したことで、<ムーンモモタ>は<ハーメルンの笛>で、<ムーンキンタ>と動物軍団の攻撃を静止した。

<ムーンウラシマ>も同じく、甲羅の壁を取り除き<水の階層>をせき止めていたダムを撤去した。

当たり前だが、この一連の流れに納得しない者が1名いた。
<発明王ヘルメス>である。

つづく

ZINEEN-SHOP 今すぐココをクリック

タイトルとURLをコピーしました