温度で変化するギミックフィギュアを作りたいと研究して約2年間ほど経過しましたが、やっと実験成功しましたよ。当初は、色を変化する薬品が高価すぎてあきらめていたのです。
しかし、いろいろと知らべて上手くゴム素材と調合すれば、そこそこ安価に作れるのではないかと思い研究していたわけです。まぁ、苦労したけれど、これから作るコラボ版のデンギガ人形で、色を変化させるギミックをどうしてもやりたかったのです。
やっぱりネクロスといえば温度変化。しかもゴム。
この素材におけるハードルは凄く高く大変なわけですが、過去のレジェンドクリエイター達が、子供たちを喜ばせようと一生懸命に考えたアイディアだったわけじゃないですか。
そういう部分にインスピレーション受けて育ったのなら、恩返しとして再現したいという部分もあるわけですよ。
今の大手メーカーでもコスト的な部分で、断念するしかないことをハンドメイド技術で、しかもメーカーと同価格でリリースするという挑戦。(ちなみに80年代当時は100円でしたが現代ネクロスの人形をロッテが作ると500円以上はするそうです)
当時のネクロスも価格帯を下げるために、型取りが1発ですむような造形に内田さんが考えたという逸話があります。
また、メタモスという名前もメタモ(温度で色が変わる)から、あだちさんが名付けていますが、そういう部分もこうした挑戦によって体感し、その苦労を経験してみることで当時の状況を追体験することができます。
デンギガは、原作者あだちさんに渡すので、そのさいに自分が幼少期に面白いアイディアのTOYをたくさんリリースしてくださり
「ありがとうございました」という感謝の意を伝えるという意味をこめて渡したいのです。
新しい表現手法の企画のために技術を磨いている
こちらの画像はクリアバージョン。まだまだ開発の余地はありますが、とりあえず成功はしました。(※応用すればシール&カードにも温度変化は使えると思います。)
こうした技術で新しい壁を越えて、新しいモノを作り続けたい。自分にとってオマージュ的な作品は、すべて修行と思って作っているのですね。
本来、新しいアイディアの企画TOYというものは、すでに頭の中にはあるのですが、技術が追い付いていない。。。そこで僕は、作りながら技術を磨き、80年代に影響を受けた作品を自分なりに全て再現することで学び勉強をしていこうと決めたのです。
今、あなたが見ているこの瞬間は、自分にとってはまだ修行中。やがてくる新しい表現手法の企画のために技術を磨いているわけです。
低価格帯での挑戦というのは本当に大変
費用対効果、コストダウン。低価格帯での挑戦というのは本当に大変なんです。
実験や研究費用は成功しなければすべて無駄に終わりますからね。でも成功すれば、そこから開かれる道があるわけです。
ギミックに意味があるわけではないのです。当時の人々の努力や苦労も継承していくことに意味があるのです。
それが血となり骨となり、オマージュ的な作品ではない、新しいアイディア、新しいオリジナル、といった領域に突入するのだと思います。
牙なんて抜かれてたまるかってんですよ!まだまだ修行中。先人者に敬意を示しつつ、新世代としての真のオリジナルを切り開くその日まで頑張ります。