新作【妖怪レスラー】の試作品が完成したので公開いたします。内容は「消しゴム人形」&「Wシール(ノーマルorキラプリズム)」になります。
旧版と新版のパーテーションラインを比較
実は妖怪レスラーは1年以上前に原型が完成していたのだけれど、両面抜き(型抜き手法)の新しいやり方の実験がなかなか成功しなくて原型がボロボロに壊れてしまい、また最初から原型を作り直している。上記写真は左が旧版の実験段階で抜いたゴム素材フィギュア。右が現在の新手法で抜いたゴム素材フィギュア。一目瞭然で後者のほうが綺麗である。
(旧)妖怪レスラー原型は修復不可能?
これが旧版の妖怪レスラー原型である。左がブエルマン。右がカッパーマン。何度も何度も修復しては実験と繰り返した結果・・・見てのとおり型取り実験をやりすぎて壊れてしまった!
もう原型が壊れて作ることはできないのだけれど、実験で作成したものは分割がうまくいかなかった。これは原型のせいではなく型取り手法のせい。粘土や空気穴を使わない手法の理論は完成していたが、どうしても分割ラインが綺麗にできなくて悩んでいた。これで1年以上もの月日を実験研究についやす。(汗)
新版は分割ラインが綺麗
新版では、両面型抜き手法の実験に成功したため分割ラインが綺麗である。コストとしては、圧倒的に旧版の手法が安価だが、どうしても綺麗にできない。そこでコストは上がるが、違うやり方を思いつき実験していったところ上手くいった。しかしこの手法にも弱点はあって、抜ける数が圧倒的に少ない!
抜いた数の順番を比較(一つ目マン編)
抜くほどに型は壊れていくのだが、硬質レジンに比べるとゴム素材は壊れる感覚が短いのだ。ここでは抜いた数の順番を比較して、どのぐらい差が出るかを(1)~(6)の番号順で
追ってみる。
抜いた数の順番を比較(ホラーマン&カッパーマン編)
上段が【(新版)ホラーマン】下段が【(新版)カッパーマン】である。(1)~(6)の番号順で追ってみる。
ホラーマン編
これが4ショット目に抜いたホラーマン。だいたい4個目あたりから抜き型が歪み始めるため失敗している。
5番目~6番目は失敗していないが分割が1番目と比較すると少し差がある。
カッパーマン編
続いてカッパーマン。旧版のカッパーマンとデザインが違うのは、イラストを先に描いてないため。(笑)フィギュアを作るときは、抜ける箇所を考えて制作するためデザイン画は描かないのである。というか描いても意味がない。
違う角度で比較。6ショット目には、白い塊が少しついているが、これが抜き型の破片。型がもろくなっているせいか、だんだんとフィギュアに型の破片がくっついていく。
この程度の大きさの塊ならばカッターで削るなりすればいいが、もっと大きくなると型にヒビが入り、真っ二つに割れたりもする。そうなると完全に使えなくなるため、また最初から抜き型を作り直さなければならない。
ちなみに抜き型を作るのに2日ぐらいかかる。型の作りに失敗すると2日間が丸々無駄になるため、非常にフィギュア制作は時間がかかるし労力もコストもかかるのである。
バリは手でも切れるけれど・・・
バリについても説明しておこう。抜き型から出したフィギュアは、このような感じになる。バリは手で簡単に切れるが、ハサミで大まかに切った後、カッターなどで丁寧にやればより綺麗になる。さすがに時間的にも労力的にも、そこまで丁寧にできないので、手で適当にバリを取り除いていくことにした。
また地味にコストを圧迫するのが「ゴム手袋・紙コップ・割り箸・マスク」などの備品である。マスク以外は、毎回取り換える必要があるため安いとはいえ使い捨てにかかる費用もはんぱない。ゴミ袋が1日で満杯になる勢い。あっというまにゴミ屋敷である。(汗)これに薬品などのコスト代もかかるため販売前から数万円がぶっとぶ。それでも業者に頼むよりは、はるかに安くすむ。
妖怪レスラーWシールについて
シールは毎回手法を変えているが、だいぶコストと品質のバランス差が見えてきた。上記はノーマルシールで1枚目の下に2枚目を重ねて撮影している。ようするにフィギュア人形は、2枚目の絵柄をフィギュア化しているわけだ。(正確にはデザインを描かないため人形を参考にイラストを後から描いている)
2枚目がキラプリズムになっているものも存在する。ちなみにパワーメーターはノーマルとキラプリズムでは異なるようにした。
ノーマルとは印刷や作り方が違うし、Wシールという性質上キラプリズムにもラミネート加工をした後に1枚目を貼り合わせた後から裁断しているので、オトギークなどのキラとは素材や印刷そのものが異なる。
画像では確認用に1枚目を剥がしてみたが、納品する際は未剥がしで販売する。(剥がすことでシールがダメージをくうのを防ぐため)見てわかるようにバックのプリズムカラーは数種類ある作りにした。