第22弾オトギークが発売されたので少し解説をしたいと思います。オトギークシリーズは、4年前に描いたイラストをシール化しております。
ただ自分の性格的に、作ってみて「なんか違う」と感じたら描き直したりもするわけですよ。上記写真は「つづら鬼将軍」というシールで、今回の第22弾オトギークで登場します。
改めて描きなおしてみたら、同じキャラなのに全然違う感じになったので考察してみようと思います。(笑)
◆漫画家が長期連載するとタッチが変わる謎
上記画像は「こち亀」より引用。まぁ参考文献なのでなんでもよいのですが、連載当初と最終回では同一作者でも絵柄のタッチが変わる作品は多いですよね。
さらには主人公の性格も違うければ、作者のペンネームも変わるっちゅーね。※100話までは「秋本治」ではなく「山止たつひこ」名義。
オトギークも第100弾ぐらいになったら「寸止たつひこ」に名義変更しようかなと・・・(嘘です)
◆その瞬間や時期にしか描けないタッチが存在するのか?
この実験もかねてオトギークでは最初の第1弾の年に第29弾までの絵柄は全て描き終えております。
第30弾のヘッドキャラのみ5年後に描こうと考えていたため、いまだに描いておりません。これは【時間経過とともに絵柄のタッチは変化するのか?】という実験を客観視するためにそうしました。
・・・とは言うもののさすがに4年も経過するとシール化するさいに、「描きなおしたい欲求」というものが出てくるわけです。
ここまでのオトギークでも、ちょくちょく発売直前で描きなおす事もありました。でもできる限り当時の絵柄を提供する事に実験の意味があるので、我慢はしていたのですね。
もう「我慢汁たつひこ」に変更するぐらいの欲求で・・・(嘘です)
◆実際に描きなおしてみた結果
たしかにタッチの変化は起こっているといえます。
人によっては別キャラとか言い出すかもしれませんが、意味となる個所が同じならばデザインが変わるなんて80年代にはよくある事なのです。例えば・・・
こんな感じで!(笑)※ゆでたまご著「キン肉マン」より引用
最初は左のデザインで登場したのに、一週間後には右のデザインになっている。説明なんかありゃしない。これが80年代クオリティ!
◆結論!タッチはナマモノみたいなもの
時系列で見ていくと絵柄は変化していくはずです。絵に限らず造形でも同じような現象が起きるのではないかと思います。
これは作者が意図して変える場合もあれば、自然の流れで変化する場合もあるわけで、後者は自身の意思とは別物じゃないかと。
初期のタッチに戻したくても無理という事は多々あるわけで、そう考えると、その瞬間にしか描けないタッチはナマモノみたいなものでしょうね。
ちなみに自分の場合、ラフ画というものが存在しません。すべてがぶっつけ本番で描いています。ネタ帳には箇条書きの文字が羅列してあるだけで、その文字を観ればイメージが思い起こせるようになっている感じです。
後はイメージに近い資料を探す作業と、実際に描ける構図を検討していくわけです。ちなみに描けない絵柄というものもあり、乗り物(自動車やバイクなど)は、まったく描けません。
頭の中に興味を持つ回路と理屈や意味が構築されないと描けないので、おそらく模型を見つつ興味が出てきたら描けるのかも??
んで「意味となる個所」についても説明したかったのだけれど、長文になったので、また別の機会に書きますわ。