2018年4月23日:「第22弾オトギーク」の解説(物語シールの伏線回収)

 

第13弾オトギーク」「第14弾オトギーク」に登場した、【冥怪獣(改造)パンドラ】の事件。

 

今回、冥王星に落下した<冥界の玉>により似たような出来事が起こる物語が「第22弾オトギーク」である。

 

ちなみに当時の【冥怪獣(改造)パンドラ】も描きなおしたキャラである。
左が描きなおし。右が描きなおす前。描きなおした理由は・・・

 

股間の臭いをマスクで嗅いでいるように見えたから!(爆)

 

人身売買と誘拐によるトラウマがテーマの弾なのに、このデザインはド変態じゃないかと!直前で描きなおしたのである。見てわかるように、鉛筆の下書きを本番線(一本線)で描いてある。ラフ画がないとはこういう事。

 

パンドラの場合だと「パワードスーツを装着した怪獣が玉を移植されて改造されている」という文字情報を描く感じ。だからラフ画という概念自体が存在しない。

 

◆スーパーチェンジUPシール搭載

オトギーク初期のチェンジUPは、白印刷なしの透明シールだった。
さすがに4年も経過すると、様々なハンドメイド技術が向上しているものである。

一見するとキラプリズムシールなのだが・・・透明シールとして剥がすことが可能な仕掛けが!!さらに!剥がしたシールを「つづら鬼」シールの上に貼り付ける事でWシールにすることが可能!

 

ポージングが同じなのでピッタリ貼り合わせることができるのである。もちろん透明シールは白印刷をしているから透けない。コストが凄くかかっているんだぞ!言わないと誰も気が付かないから、解説してるんだぞっと!(泣)

 

◆伏線回収と新たな伏線

ナイチンカーベルは人身売買により幼少期に誘拐されたトラウマがある。それを自身の精神力で克服しなければならないわけだ。

 

人身売買事件(第13・14弾)の伏線は、冥王星の事件(第22弾)で回収されることとなる。今回「第22~30弾」の<玉探し編>は、これまでの伏線回収をしつつ、新たな伏線が出てくることとなる。

 

シールは総合芸術なので、全体を通して判断しなければならない。素材や絵柄は一般的基準として、内容や仕掛けという個所も重要。

 

ちなみにハイホはカーベルの父なわけで、同じポージングで事件を解決しているという演出でもある。また印刷技術が当時と今では違うことも注目だ。

 

ドクターハイホの集中戦は裁断箇所まで描かれていない。これは数ミリほど印刷が適応されないためである。

現在のナイチンカーベルは裁断箇所ギリギリまで印刷可能である。実は印刷のフォーマットをいちから修正しなおして1ミリほど縮小してある。

 

たった1ミリの違いで印刷範囲が変化する。そういう事を何度も繰り返して生まれてくるのがハンドメイドシール技術なのだ。

 

◆新たな伏線「因子」システム

ビックリマンの原作者である反後博士がシールに因子という言葉を載せている。幼少期の自分は「因子が輪廻して人間になっていく?」と予想して最後まで購入したが、ビックリマンは30弾で打ち切りにより終わってしまった。

 

その後、ビックリマンの続きとして考えられていたボツ企画書を見るきかいがあったが、人間に輪廻転生して学園生活をおくるというシールになっていたのが興味深い。

 

今回、オトギークにも「因子」というシステムを取り入れてみた。このさい「因子となる理由」が必要なわけだが、「死亡の末路」を報われるようにするためという考えが浮かんだ。

 

前半戦の伏線は、後半戦の回収にまわされる。因子は先人者の面影であり、次世代が新たな問題を解決して受け継がれるという演出にしている。

 

これは実際に先人者の知恵を回収して次世代の作家が次につなげて行くというバトンリレーという意味合いも込めてある。そうでなければ、打ち切りで納得など到底できるはずもなく、そのフラストレーションは自己解決するしかない。

 

オトギークの販売間隔は、80年代当時のビックリマンと同じ2ヵ月に1回というペースだ。これを5年間続けると、打ち切りになったビックリマンと同じ状態になる。

 

ここに意味がある。ストーリーシールというシステムを開発した先駆者に敬意を表すために必要なのだ。

 

この「因子」は、第30弾以降で伏線回収される予定だ。生命体としてのゲノム計画や、相対性理論における時間軸の違いなどが第30弾以降のオトギーク物語につながってくる。

 

文化というものは受け継がないと廃れて消えてしまうものである。概念なのだから、それを引継ぎながら新たなものを創作することが大切だ。

 

シールの奥深さやシステムという概念を廃れさせないために、オリジナルシールを作り続けるわけだ。

 

5年で30弾というターニングポイントまで、もう少し。そこから新しい世界がはじまるのかもしれない。

 

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