◆あだちひろし氏の「天外魔境」企画書から考察する「デンドロギガス・メタモスの魔城」

※この記事は2017/08/22 に書いたものです。

あなたは「天外魔境」というゲームをご存じであろうか。 これは「デンドロギガス・メタモスの魔城」原作者、 あだちひろし氏が80年代当時に書いた「天外魔境」の企画書である。

幼少期から僕はレッドカンパニーの作るモノに興味があり、 「ネクロスの要塞」「天外魔境」の着眼点が好きだった。

当時、小学生だったけれど、天外魔境は宗教問題とかそういうものを扱っていたし、 内容も歴史的なものと近未来を融合したような手法がとられていた。

◆天外魔境のボツ企画書

天外魔境

たとえばこれだと、インド仏教をテーマにしていて、 そこにロボットなどが登場するという企画書になっている。

インド神話やヒンズー教などが元ネタとなるため主人公もブッダみたいである。

採用されればこれが天外魔境になっていたわけだけれど、 広井さんがNGだったためボツにして歌舞伎をテーマに変更されたそうだ。

こうした天外魔境の企画書は全部で14枚あるのだが、 資料から企画者の心情や開発者の苦労などを知ることができる。

◆自分が信じた正義が本物とは限らない

自分で調べて、 自分で考えて、 そして何を感じるかが重要である。 それは幼少期でも大人になっても同じだ。

人に与えられた正義は真実とは限らないし、 自分が信じた正義が本物とは限らない。

だから調べる。そして自分の感性さえも疑い、根本的に見つめなおす作業が大切となる。

独りよがりで悦に浸るなんてことは、やらない。 追及して追及して良いものを築くことが作り手の使命だ。

作りながら考える。
やりながら進める。

そしてこの企画書が貴重であり、なおかつ子供心のインスピレーションの源になったのは事実だ。 こうした過程でさえも作品の一部なのである。

◆天外魔境の原型となる企画書

これが天外魔境の原型となる企画書である。 ここに書かれている、あだち氏の文章の一部を抜粋してみることにする。

『外国人が描く自来也は現代日本と日本人に対する批評、風刺となっているだろう。登場人物はジリジリとした欲望に 焼かれて走り回る。~中略~下剋上とも重なる。エネルギッシュなドタバタ喜劇。ここには正義とか悪とかはない。 皆が皆んな道化師なのだ…というような気分で歌を作ってみた。』

で、自来也の歌詞が書かれているのだけれど、

「デンドロギガス・メタモスの魔城」も主人公は敵キャラである「道化師メタモス」で、 混沌の玉を割ってしまったことで、欲望の化身として生まれ変わるというのが一章のオチとなる。

またデンドロギガスの世界観を知るためには、各キャラクターが歌う歌詞を並べてみないと把握できなくて、 歌詞を構成しなおしてみると、ギリシア哲学のピタゴラスを元ネタとしてた物語が書かれている。(数学を宗教としていた)

企画というものは部分部分では独立していて気が付かないが、 全体を大きくしてみると全てにつながりが見られるとは広井王子氏の言葉だが、

確かに、こうして過去の資料を紐解きつつ、今の企画を見直すとつながりは見られる。

デンギガはZineenブランドにおいて初の版権物なわけだが、 リメイクするにあたり、あだちひろし氏の心理を知る必要があると思い、 こうして考察記事を書くことにした。

前も言ったが扉を開けば、新たな着眼点で作品を見ることができるはずだ。